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早大理工数学'08年[5]検討

早大理工数学'08[5]検討

[5](解答はこちら) いきなり「Tの体積の最大値を求めよ」と言われたら難問だと思いますが、ていねいな誘導がついていて、計算もほどほどで、正解にたどり着いた受験生も多いのではないかと思います。
線分
PQの通過領域は、線分PQ上の点と回転軸との距離の最大値、最小値を半径とする2円の間の部分になります。知識として知っていなくても、試験会場で紙の上に置いたまま鉛筆を1回転させてみれば、わかるだろうと思います。
体積計算の定積分の積分範囲が問題ですが、問題文に「
hのとりうる値の範囲に注意して」という親切な注意書きがあるので、気づけるでしょう。
というわけで、ここまで出題者が手取り足取りで誘導してくれているので、この問題は得点源としたいところです。


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  1. 2008/08/31(日) 09:04:48|
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早大理工数学'08年[4]検討

早大理工数学'08[4]検討

[4](解答はこちら) 早大理工の確率の問題は難問であることが多いように思います。この問題も難問の部類です。解答では、問題文を読んで自然な流れに沿って考えるという方針でやってありますが、じっくり考え込んでから取り組めば、もう少し合理的な解法があると思います。
3球入れる箱が1箱、1球入れる箱が箱、というところを、解答では、球を入れる箱を1列に並べて順列として考えてから、3球の選び方を考える、というようにしました。従って、箱については順列、球については組み合わせでやってあります。
ですが、この考え方では、
2球入れる箱が2箱ある場合、(4)の注.に書いたとおり、実は1つの場合なのに、それを2通りとカウントしてしまう場合ができてしまいます。試験会場では、この重複に気づくのがなかなか難しかったりします。
受験生が、この問題の自分の解答が問題集に出ている解答と合わないのだけれど、どこが違っているのでしょうか、という質問を持ってくるとき、重複に気づいていないこのケースが大半です
(5個のりんごは区別できないが、5人の子どもは区別できる、という違いに気づかない、というのも多い)
2で割るのを忘れれば、自動的に誤答になってしまうので、答案を書き出す前に、問題冊子の脇か計算用紙に、具体的に箱にどのように球が入るのか、いろいろな場合を書き出して確認するような作業をやっておくようにする必要があります。
こうした作業は、本番の試験でいきなりできるというものではないので、センター試験の練習をする、というときから、具体的にすべの場合を紙に書き出す、というクセをつけておくようにして欲しいものです。確率の問題では、解答が正しいかどうか、確認のしようがない問題も多々あるので、具体的に書き出して確認作業を行うことを心がけてください。

この
[4]よりも重複の確認が難しい過去問を1つ紹介しておきます。
早大理工
'88[3]
1番から12番までの12枚の番号札を、無作為に4枚ずつ3組に分ける。その上で、次の順で合計7枚の札を選び出す。
(a) 各組の一番小さい番号の札を取り出す。
(b) 残っている札の中から、各組の一番小さい番号の札を取り出す。
(c) 残り6枚の中で、一番小さい番号の札を取り出す。
次の問いに答えよ。
(i) 何番までの札は確実に選び出されるか。
(ii) 6番の札が、(a)で取り出される確率を求めよ。
(iii) 6番の札が、選び出される確率を求めよ。
[](i) 3番 (ii)  (iii)


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  1. 2008/08/30(土) 13:02:24|
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早大理工数学'08年[3]検討

早大理工数学'08[3]検討

[3](解答はこちら) 微分方程式が高校の教科書に載っていた頃の昔話ですが、関数方程式という分野の問題が入試によく出ていました。例えば、

富山大
'72
関数が任意の実数xyに対してを満たしている。 (ただし)のとき、次の(1)(2)に答えよ。
(1) を求めよ。
(2) を求めよ。
この問題は以下のように解答します。
(1) を代入して、 ∴ ......[]
(2) より、
よって、,∴ (C:積分定数)
より、 ......[]

同じように、を満たす任意の実数xyに対してであれば、
を代入して、 ∴
を代入すると、
 ∴
(C:積分定数)より、 ......[]

上記2題において、与えられた関係式は関数の性質を与えています。
は、指数関数の性質:
は、対数関数の性質:
を表しています。関数方程式の問題は、関数の性質から関数の形が決まってしまう、という、興味深い内容の問題で、私は、ぜひ、入試で大きく取り上げて欲しいと思っています。
そもそも、私たちの時代に高校数学の中で最も楽しかったテーマ「微分方程式」を、何を血迷ったか、高校数学の範囲外にしてしまった文科省官僚の不見識を嘆かざるを得ません。甲子園球児が、「野球を楽しもう」と言いながら熱戦を闘っている時代に、高校数学も「楽しく」勉強するようにできないものでしょうか。
の微積分とか、対数の底aのときには、真数の大小と対数の大小が入れ替わる、なんていう何の役に立つのかもわからないようなことで受験生いじめをやることこそ高校数学の範囲外にするべきではないでしょうか。

私は、関数方程式が現行課程で範囲外だとは思いませんが、出題者の中に遠慮があるのか、ほとんど取り上げられません。
[3]で取り上げた早大理工の勇気をたたえたい、などと言っては大げさでしょうか?
もっとも、微分方程式も出すぞ、と、宣言している京都大学は、昨年、
'07年理系前期乙[6]で、関数を求めよという問題にはなっていませんでしたが、
という関係式からの性質を考えさせる問題を出題していました。この早大理工'08[3]は、
という関係式からの形を求めさせるようになっています。最近の受験生にとっては、なじみがない、という点で難しく感じたかも知れませんが、(1)(3)は易問です。(4)は少し考え込むかも知れません。(2)の結果を繰り返して使えば、より、(3)の利用が見えてきます。ですが、正答率はあまり高くはなかったのではないでしょうか。


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  1. 2008/08/30(土) 13:00:02|
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早大理工数学'08年[2]検討

早大理工数学'08[2]検討

[2](解答はこちら) (1)だとすると、


これを、から順番に当てはめていくのでは、なかなか見つかりません。
2乗して1000に近い整数、31とか32あたりから調べます。
とすると、
連立して解くと、

となって不適です。
とすると、
連立して解くと、

となります。
こういうところは、できる限り短時間で処理しようという問題意識をもって取り組むような心がけが必要だということが言えると思います。
(2)で解答は何ごともなく簡単にすませて見えるように思うかも知れませんが、最初から正直にを目標にするとなかなかうまく行きません。問題文の不等式を有効活用することを考えれば、よりへの式変形が思い浮かぶと思います。
が出てくれば、整数で可能な値は0だけということが見えてくるでしょう。
(3)がなかなか手こずります。試験場では、「存在」の方を後回しにして、(2)を利用するだけですむ「ただ1組だけ」という方を片付けておくのが良いと思います。


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  1. 2008/08/30(土) 12:58:12|
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早大理工数学'08年[1]検討

早大理工数学'08[1]検討

[1](解答はこちら)  曲線は軸が傾いた放物線です。回転して考えれば簡単になることはわかるのですが、回転変換もなかなか面倒です。私は、この問題を回転の行列を使って解くくらいなら、現行課程では高校の範囲外ですが、複素数による回転を覚えた方が良い(物理でも交流のインピーダンス計算で使えるので)ように思います(別解につけました)
回転しないで解くのであれば、
(1)は普通に面積計算を行えますが、(2)の体積は少々工夫が必要です。解答では、通常のx軸のまわりの回転体の体積計算と同様に、円の面積を回転軸u軸に沿って積分するという方法でやりました(他の解法もあります)。この解法が、斜回転体の体積を求める方法としては最も取っつき易い方法だと思います。実際に入試会場で使えるようにするのには、かなり練習が必要なので、受験生必須の技巧とは言えないかも知れません。
断面円の面積を
u軸に沿って積分するところをx軸に沿って積分しないように注意してください。解答ではu軸に沿う積分を置換積分を行うことによって、x座標tに関する積分に直していますが、となっていて、がつきます。utとでは変化の仕方が違います。

斜回転体の問題を
1題紹介しておきます。早大理工'08[1]と同様にやればできます。
東京理科大理工
'91[3]
曲線C ()と直線lとで囲まれた図形を直線lのまわりに1回転してできる立体の体積をとする。ただし、とする。
(1) を求めよ。
(2) C上の点Pからlに下ろした垂線の足をHとするとき、線分PHおよび線分OHの長さをxmで表せ。またxが増加するとき、線分OHの長さは単調に増加することを示せ。
(3) の値を求めよ。
(4) のとき、mによらず一定であることを証明せよ。
[](1)  (2)  (単調増加はxで微分してみればよい) (3) 1 (4) (=一定)


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  1. 2008/08/30(土) 12:56:40|
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京大物理'08年前期[3]検討

京大物理'08前期[3]検討

[3](解答はこちら) この問題は原子分野の問題のように見えますが、問題文中で光子について説明されているし、光子のエネルギーも、光子の運動量も与えられているので、原子分野を履修していなくても解答できます。試験場で早合点しないように注意してください。前半は2次方程式を解いて近似するだけなので、難しくはありません。
後半は、ドップラー効果に近似が混じるので、
()などかなり苦労するかも知れません。近似の仕方も指定されているので、何とかして、微小量の形をひねり出さなくてはなりません。()が切り抜けられたとして、()のグラフ選択は、吸収体がγ線を吸収してしまうとγ線強度測定器にγ線が届かなくなることに注意してください。受験生が理解してグラフを選択しているのか確認するために、問2でグラフ選択の理由を聞く、という念の入れようです。

[3]だけでなく、[1][2]もそうですが、恐ろしく問題文が長文で、問題文を読んでいるだけで制限時間が来てしまうのではないか、と、思えるほどです。気の短い受験生だと、問題文を読みもしないで問題の意図を推測して解答を考える、というようなことになりかねません。京大は、理系受験生に対しても長文読解力を要求しているのです。理系受験生に文学作品や評論を熟読多読せよ、とは言いませんが、講談社のブルーバックスのうちおもしろそうなものをしっかりと読み込んでおく、というようなことくらいはやっておいて頂きたいと思います。


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  1. 2008/08/29(金) 11:31:11|
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京大物理'08年前期[2]検討

京大物理'08年前期[2]検討 京大物理'08前期[2]検討

[2](解答はこちら) エネルギー密度を聞いている点と問2を除けば、コンデンサーの頻出問題です。京大受験生であれば、解法でまごつくことはないはずです。計算がやや面倒なので計算ミスに注意すべき問題でしょう。
コンデンサーに誘電体や導体を挿入する問題では、コンデンサーを誘電体や導体が挿入されている部分と、挿入されていない部分とに分けて、直列・並列の合成容量の公式を用います。
また、極板間の電界は、平行板コンデンサーでは一様なので、極板間電圧
V,極板間の電界E,極板間距離dに関する公式:を用いることができます。
静電エネルギー
Uは、です。これらの基本公式を使いこなせるように、よく練習を積んでおいてください。
起電力
Vの電池が静電容量Cのコンデンサーに電荷を送り込むときにする仕事Wは、です。コンデンサーが貯め込むエネルギーはなので、残りのは何らかの別の仕事に使われます。この問題では、導体を引き込む仕事に使われます。
2が何か裏のある問題なのか、と、思わせますが、裏の裏をかく問題なのでしょう。


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  1. 2008/08/28(木) 08:33:54|
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京大物理'08年前期[1]検討

京大物理'08年前期[1]検討 京大物理'08前期[1]検討

[1](解答はこちら) 言われたとおりに解答してゆけば難しくはないのですが、最終結論が人間の常識的な感覚と異なるので、勘違いしたり、試験場で悩み込んでしまいがちな問題です。
出題者の意図は、ばねの弾性力の場合と万有引力の場合とで、各エネルギーの関係を比較させたいのだろうと思います。
(1)(2)(3)では、等速円運動の運動方程式から、運動エネルギーとばねの弾性エネルギーが等しくなることに気づかせようとします。ばねの弾性エネルギーが減少すると等量の運動エネルギーが減少し、結局、摩擦力が仕事をすると、速さは減少します。
それに対し
(4)では、運動方程式から、万有引力の位置エネルギーが運動エネルギーの2倍を負にしたものだ、と、わかるのですが、このときには、抵抗力のした仕事分だけ、運動エネルギーが増大して、物体が摩擦力によって加速される、という、常識、先入観に反するような結果が出てきます。
ピサの斜塔から、質量の異なる
2物体を落下させて、物体の落下加速度は質量に無関係という、当時の一般常識に反することを示そうとしたガリレオの逸話のようなことになる問題なので、ここで、まごつかないようにしなければいけません。
質量からエネルギーを取り出せるはずがない、と、人間がいくら強弁しても、物理学は、原子力発電所で電力が得られることを実践して見せているのです。人間は不完全な存在です。神が創造した物理学は人間の感覚を上回るのです。試験会場でも、出てきた結果を冷徹に受け入れなければいけません。

この問題で少々困るのは、どう答えるのかがよくわからない解答欄があることです。
()については、数値で答えよ、という指定がついていますが、()の「に比例する形で」というのも戸惑うし、()もどう答えればよいのかわかりません。とか、という解答が出てきたらどう採点したのでしょうか?ご覧の皆さんは、「式(iii)は直線上の等加速度運動と同じ形をしている」という問題文の表現が何を言いたいのか、題意の把握に努めてください。
私は、こうした空所補充型の試験は不適切だと思います。京大も、東大、東工大のように、完全記述式にすべきではないか、と思います。


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  1. 2008/08/28(木) 08:32:37|
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京大理系数学'08年前期乙[6]検討

京大理系数学'08前期乙[6]検討

[6](解答はこちら) 実質的に'08年前期甲[6]と同じ問題ですが、三角関数の表がついていて、数値計算をするようになっています。
詳細な三角関数の表にはびっくりしますが、昨年、
東工大'07年物理前期[3]でも出ているので、京大の先生が、じゃあうちでも、と、思ったのかも知れません。

球面上で考え抽象的で目的のわからない甲
[6]と比べて、地球表面の飛行距離をイメージして具体的で問題の目的が明確な乙[6]の方が取り組みやすいのではないかと私は思うのですが......
緯度・経度がわからない、という受験生がいたそうです。三角関数表よりもこの方が私には驚きでした。京大に合格したとして、卒業後、気象を扱うような仕事についたときに、台風や低気圧の進路をどう考えるつもりなのでしょうか?入試の範囲以外のことは関係ない、と言うのなら、京都大学を目指すべきではないと私は思います。こちらをご覧の皆さんには、ぜひ幅広い素養を身につけるように頑張って頂きたいと思います。

同一緯度上の経路と大円上の経路との大小は直感的にわかると思うので、三角関数の表が与えられていて、経路の長さを数値的に比較できる、という点でも、乙
[6]は、角の大きさで比較できない甲[6]よりやりやすいと言えるのではないでしょうか。


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  1. 2008/08/27(水) 10:09:44|
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京大理系数学'08年前期乙[4]検討

京大理系数学'08前期乙[4]検討

[4](解答はこちら) この問題は、式変形により、'08年前期甲[4]に帰着します。[4]の検討を参照してください。


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  1. 2008/08/27(水) 10:07:58|
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京大理系数学'08年前期乙[3]検討

京大理系数学'08前期乙[3]検討

[3](解答はこちら) 京大は、「条件・・・をみたす・・・が存在することを示せ」という問題をよく出題します。「必ずABとなること」を示すのに比べて、「存在」を示す問題は、全部のものが条件をみたすわけではないけれど、中に条件をみたすものが存在することを示す、という点で、示し方が難しくなります。

条件
(C)をみたすものが存在するなら、それは条件(D)をみたすはずだ、というのでは、存在を示したことにはなりません。条件(D)をみたすものはどんなものか、本当に存在するのか、ということを言わなければいけません。

これをできるだけ簡単に考えるためには、条件
(C)をみたすものを見つけ出す方法を説明すればよいのです。「天竺の国には不老長寿の薬が存在することを示せ」と言うのであれば、天竺の国に行く行き方を示し、こうすれば必ず不老長寿の薬を手に入れることができる、ということを説明すれば、「存在」を示したことになります。
このとき、不老長寿の薬が実は
100種類くらいあるとして、100種類のうち1種類の入手法を説明すれば、「存在」を示したことになります。100種類すべての入手法を説明する必要はありません。

4直線との交点が平行四辺形の4頂点となるような平面が存在することを示せ」というのであれば、平面と4直線との交点を4頂点とするような四角形でいて、平行四辺形となるものを、どうやって見つけることができるのか、ということを説明します。
解答では、
となるように、stuvを定めて、4直線上の点A()B()C()D()をとれば、となっていて、四角形ABDCが平行四辺形になっていることを説明しました。
4直線との交点が平行四辺形となるようなものの見つけ方が説明されているので、条件を満たす平面の「存在」が示せたことになります。


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京大理系数学'08年前期甲[6]検討

京大理系数学'08前期甲[6]検討

[6](解答はこちら) 球面上で2点間の経路の長さを比べる問題で、やりにくそうに見えますが、「空間図形の問題は平面図形に置き直して考える」ということを一つの定石としてください。この問題では、解答のように、問題文に出てくる2円をABで交差するように同一平面上に描いてしまえば、2経路の大小は一見して明らかです。
半径の小さい方の円周上の長さの方が大きい、としても、多分、許してもらえると思いますが、解答では実際に長さを比べてあります。
2円の半径は、片方がで、もう一方が1になります。の長さを求めるために、を見込む中心角jを見込む中心角q を考えます。jは正三角形の頂角になるのでとわかります。q は、余弦定理で求めますが、としかわかりません。

を比べなければいけませんが、q がわからないので、を比べることになります。
において、は単調減少関数なので、より、
というストーリーになります。

いわゆる受験技巧が通用しない問題、ということで、理工系の全受験生に考えて頂きたい良問だと思います。


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京大理系数学'08年前期甲[5]検討

京大理系数学'08前期甲[5]検討

[5](解答はこちら) どんな問題集にも出ていて、理工系の受験生であれば一度は目にしたことがあるだろうという問題です。立体をy軸に垂直な平面で切った断面の面積をy軸方向に積分すればよい、ということは理工系の受験生であれば誰でも知っているはずのことです。問題そのものは標準問題なのですが、正答率が高いか、というとそういうものではありません。計算問題であるがゆえに、ケアレスが入り込みやすく、こういう問題の正答率は意外に低いものなのです。

これから微分・積分を極めよう、という皆さんに申し上げておくと、立体の切断面を考えるときは、その面積を求めやすい方向から立体を切ります。この問題では、
y軸に垂直に切ります。切断面は長方形になるので、面積を求めるためには、縦と横の長さを、切断面のy座標kで表します。縦と横の長さを求めるためには、立体を真上から眺めたり、x軸に平行に眺めたりします。それぞれ、どのように見えるのか、図示して考えるようにしましょう。
定積分は、断面積を、立体が存在する
y座標の範囲について積分します。

定積分は
2つの部分に分けられます。
片方は、
という積分です。この積分は、を含む式がついているという形:をしています。この場合は、通常、という置換をしますが、これでは、となり、根号内がとなっておもしろくないのです。そこで、とおけば、となって、計算しやすくなります。解答では、の積分よりももっとラクにしようということで、根号全体tと置きました。できる限り計算ミスをしにくいような計算法を心がけてください。
もう一方は、
という積分です。この積分は、という置換をするのが定石です。 というようにしても積分できますが、解答のように、 (2乗してみてください)は、円:の部分を表すので、円の面積の一部として暗算で求めてしまえば早くすみます。

こういう計算問題は、誰がやってもミスをし易いものです。計算ミスをしたからと言って、自分を責めたりしないようにしましょう。何が大切かと言うと、誰でもミスはするものだ、ということを認めて、しっかりと検算することです。検算も、計算をした直後に行うと、脳内が沸騰していて、検算時にまた同じミスをやるので、一旦、他の問題に飛んで、計算過程を忘れてから見直すようにするとミスを発見し易くなります。


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  1. 2008/08/27(水) 09:44:58|
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京大理系数学'08年前期甲[4]検討

京大理系数学'08前期甲[4]検討

[4](解答はこちら) 展開して4次方程式にしてしまうのでは骨が折れます。定数aを分離するのも無理なことをすればできなくはありませんが、2つの2次方程式にしてしまう方がラクにすみます。ただ、2つの2次方程式が同じ解をもってしまう場合があるので、共通解があるかどうかを別に調べなければいけません。
最近、共通解の問題もあまり見かけません。解答に書いておいた共通解の技巧はポピュラーな技巧とは言えませんが、一応、見ておいてください。例えば、次のような問題で効果があります。
早大理工
'86[4]
実数abは、を満たすとする。このとき、つぎの二つの方程式
 ・・・(i)
 ・・・(ii)
は共通解を持たないことを示せ。

なお、定数の分離の技巧を無理に使う解法については(私ならやりませんが)、旺文社全国大学入試問題正解に掲載されいるので、興味のある方は参照してください。共通解の探し方も、この本にもう少し簡単にすむ方法が書いてあります。


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  1. 2008/08/26(火) 12:01:02|
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京大理系数学'08年前期甲[3]検討

京大理系数学'08前期甲[3]検討

[3](解答はこちら) こういう平面幾何の問題で意表をつかれて戸惑った受験生もいたかも知れません。
BCM=∠BCNというのは、BCが∠MCN2等分線ということなので、
MCCNMBBN12
が言えれば良いわけです。ACの中点Pをとって、PB // CNに気づけば、PBCN12となるので、あとは、PBMCが言えればよいことになります。
京大では、平面幾何の一部が高校に移ってくる以前から、平面幾何の利用によって簡単に解ける問題が出ていました。こうした問題が出題されるということは、京大入試では、平面幾何の知識が今後も役立つ、ということが言えるだろうと思います。


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  1. 2008/08/26(火) 11:59:26|
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京大理系数学'08年前期甲[2]検討

京大理系数学'08前期甲[2]検討

[2](解答はこちら) 正攻法で、ABCD4文字から1文字ずつ選んで個の文字を並べるのに、一番最初をAとして、同じ文字が隣接しないような並べ方を数える、というような考え方では難しいでしょう。確率・場合の数では、正攻法で難しければ「余事象」が切り札になります。
4頂点すべてに点Pが現れる」という事象の余事象ということになれば、4頂点のうち2頂点にしかPが来ない、または、4頂点のうち3頂点にしかPが来ない、ということになります。
2頂点に来るのは、Aともう一つの頂点を往復する場合です。確率はすぐに求められます。
3頂点に来る場合が問題ですが、例えば、ABC3頂点の中だけで動く場合の確率から、2頂点を往復する(既に求めている)場合の確率を引けばよいので、何とかなりそうです。

こうした確率の問題、特に、あまり難問とは言えないような問題で注意しなければいけないのは、思わぬミスです。重複カウントや場合分け忘れなどの勘違いで不覚をとることのないように気をつける必要があります。必ず、
nの小さな場合などで、確認をするように心がけてください。


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  1. 2008/08/26(火) 11:57:43|
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京大理系数学'08年前期甲[1]検討

京大理系数学'08前期甲[1]検討

[1](解答はこちら) 素直な受験生は、この問題を、のグラフと直線の位置関係から考えると思います。
は単調増加では全実数をとります。であれば、単調減少もしくは定数値をとると、は必ず交点をもってしまうので、
のときは、が接するところを求めるために、として、
のとき、y座標は、
直線よりも上を通過すれば、と共有点をもたないから、

というようにしてくれば、試験会場でも充分に実用的です。
ですが、入試問題は問題文に書かれているとおりに考えなければいけないというものではありません。別の角度から眺めることにより、難問が平凡な問題に変わってしまう、ということはよくあることです。

「定数の分離」という受験技巧がありますが、
定数だけ=xを含む式 ・・・()
という形にすると問題を捉えやすくなるのです(微分法の方程式への応用(2)を参照)
そこで、解答では、
を連立して、
()の形を作るために、定数qを分離して、
として、関数を考えました。
のグラフを描き、x軸に平行な直線qの値によってどの辺を通るか、ということを考えれば、の共有点について調べることができます。
「定数の分離」は応用範囲の広い技巧なので、すぐに思いつけるようにしておいてください。


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東工大物理'08年前期[4]検討

東工大物理'08前期[4]検討

[4](解答はこちら) 問題文を読み始めて、ばねにつながれた物体の運動なので、単振動が出てくるのか、と思います。摩擦のある領域に出たり入ったりするたびに振動中心が変化するのですが、この問題では、単振動の考察をする部分はありません。はじめの物体Bの運動エネルギーがEと与えられているので、力学的エネルギーがどうなっていくのか、という意識を持って問題を眺めていくことになります。摩擦のない領域での運動では力学的エネルギーが保存され、摩擦のある領域では力学的エネルギーは摩擦力がする負の仕事の分だけ失われる、というところに目をつけて考えていけば、最後までたどりつくと思います。
最後にグラフを描くところで、場合分けをする必要があるので、「
OP間のある位置xで速度0になった」という問題文の表現から、最初の運動エネルギーEに関する条件(解答の①,②)を一々考えておく必要があります。

出てきた結果の通りに何も考えずにグラフを描いてしまえばそれで無事に済んでしまいますが、グラフの
に不連続なところができるので、不思議に思う受験生がいたかも知れません。解答の中に書いておきましたが、ABPを通過して右に進み、振動端まで行って戻ってくると、この間にPを通過したときの力学的エネルギーを保持し続け、勢いがついている(ばねが縮もうとしている)ので、すぐには止まれず、の位置まで来てしまう、ということです。つまり、ABが点Pで運動エネルギー0となって静止したとしても、ばねの弾性エネルギーは残っていて、Pを通過してしまえば、戻ってきたときに、の間では、弾性エネルギーの減少分から供給された運動エネルギーが摩擦力のする仕事を上回ります。
動摩擦係数と静止摩擦係数の違いによってできる不連続点ですが、簡単な設定でいて、おもしろい問題で、解いていて感動させられる入試問題の傑作だと、私は思います。


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  1. 2008/08/25(月) 12:29:28|
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東工大物理'08年前期[3]検討

東工大物理'08前期[3]検討

[3](解答はこちら) 国語が苦手だから理系にした、とか、東工大志望だから学校の国語の授業は関係ないので無視する、と言っている受験生を見かけるのですが、そうした受験生には厳しい問題だったと思います。読解力が身についていない受験生は、[B]など、問題文が何を言っているのか全く理解できなかっただろうと思います。
東工大の物理の入試問題は、特殊な実験装置
(恐らく、出題者の教授がふだん使っている装置)を題材にした問題が多く、実験装置の動作を言葉で説明するとどうしてもわかりにくい文章になってしまいます。問題文が悪いから、自分はこの問題は解けない、と、言っているようでは、東工大の先生に、じゃあ、君を入れてあげるわけにはいかない、と、言われるだけのことです。何とか、わかりにくい問題文を読みこなしてこそ、理工系の最高峰を極めることができるのだ、と、自分に言い聞かせてください。

[B]は、領域Yで加速(または減速)されるので、領域Yを通過するごとに速さと回転半径が変化し、2回の加速(または減速)で打ち消し合うようにしなければならず、加速電圧が正負逆になるようにしなければいけない、粒子は不規則に次々と入射されるので、周回時間の間に交流の位相が逆位相にならなければいけない、ということに気づかないといけません。そのために、[A]で、速さと回転半径が変化し周回時間が変化しないことを確認しているのです。
のときとのときで逆位相になるようなグラフ、解答では簡単のために、となるようなグラフをいくつも描いて考えました。
ここが切り抜けられなければ、この問題は壊滅状態となり、
[1][2]が簡単で差がつかないので合格は難しくなります。つまり、国語の能力で東工大の合否が決まっている、ということです。東工大の志望者は、学校の国語の授業もぜひ大切にしてください。

[C]は、さらにわかりづらくなります。[B]としていたのを、だけずれたので、として、粒子が2周して戻ってきたときにどれだけスリット中心からずれるのか回転半径の差から求めてみよ、と、言っているのですが、ここまで取り組めた受験生がどれほどいたでしょうか?何のために[A]を考えたのか、ということをしっかりつかんで、解答のような図を描いて考えれば別に難しいわけではありません。試験場で冷静に題意把握ができるかどうか、ということが問われているのです。

この問題は、問題文の意味するところが読みこなせさえすれば、物理の問題として難問というわけではないのですが、状況の複雑さを読み取る読解力のところが難問という問題です。


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  1. 2008/08/25(月) 12:27:42|
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東工大物理'08年前期[2]検討

東工大物理'08前期[2]検討

[2](解答はこちら) 標準レベルの大学では、これくらいの問題で大問1題になると思いますが、東工大の入試問題としては、[1]と同様にやや物足りない印象を受けます。
内容的には、断熱変化の問題として頻出タイプの問題です。
'08年前期[3]'08年前期[4]が重たい問題なので、東工大受験生は、[1][2]合わせて10分~15分くらいで片付けたいところです。
とは言え、気体の問題、特に、こうした断熱変化の問題を苦手にしている受験生が多いのも確かです。この問題を難しく感じる受験生は、熱力学第一法則:
の理解が不足している、と、私は思います。
Qは気体が吸収した熱、W気体がした仕事、は内部エネルギーの増分で、気体は吸収した熱を使って外部に仕事をし、残った分は内部エネルギーとして貯め込む、と、言っている法則です。吸収したのか排出したのか、気体がしたのかされたのか、増分か減少分かをよく注意してください。本来わかり易い法則のはずなのですが、受験生の重要性に対する認識が不足しているのか、理解できていない受験生をよく見かけます。熱力学第一法則は理工系受験生必須の知識です。表現が違っているかも知れませんが、実質的に同等の内容が教科書に詳細に書かれているので、しっかりとマスターしておいてください。
状態方程式と熱力学第一法則を組み合わせて、ポアッソンの関係式:
=一定 (gは比熱比),または、この問題の=一定 を導く、というストーリーは頻出です。手を動かしてよく納得しておいてください(この問題の誘導は、簡単にできるようによく工夫されています)
[B]もよくあるパターンで、断熱変化ではなので、気体のした仕事Wは、 (これは単原子分子理想気体の場合。2原子分子以上も想定した、定積モル比熱の理想気体ではです)として、求められます。状態変化後の温度を=一定 から求めて、に放り込めばよいので、理工系受験生は必ずできるようにしておいてください。


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  1. 2008/08/25(月) 12:24:16|
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東工大物理'08年前期[1]検討

東工大物理'08前期[1]検討

[1](解答はこちら) この問題は出題意図が読めません。レンズについても出題しておかないと、レンズを勉強してこない学生がいて困る、ということなのでしょうか?
レンズの公式:
,倍率 を知っていれば答えることができます。光線の作図は、解答では見やすくするために矢印を入れましたが、矢印を入れろという指示がない限り、入試の答案としては矢印をつけないでください。レンズの光線の作図は、物体から出て平行に進み、レンズ通過後に焦点を通る光線と、物体から出てレンズの中心を通過し直進する光線の2つを作図しておけば充分です。
実像は、実際に光が集まってできる像で、そこにスクリーンを置くと物体が映って見えます。虚像は実像ではない像で、レンズや鏡の反対側から見たときに、あたかもそこに物体があるかのように見える像です。教科書でよく確認しておいてください。

[A](d)は試験会場で削除の指示があったそうです。センター試験で同一内容の問題があったから、ということなのですが、センター試験と同一内容の問題は2次試験では出さない、と宣言してしまうと、2次試験内容について予見を与えることになります。また、センター試験で物理を選ばなかった受験生(あまりいないと思いますが。なお物理の必須の科類もあります)に不利に働くことになります。
大分県教委のようなことがあるかと思えば、大学入試では必要以上に公正さに神経過敏になっていたり、私には不思議です。


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  1. 2008/08/25(月) 12:22:18|
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東工大数学'08年前期[4]検討

東工大数学'08前期[4]検討

[4](解答はこちら) 以前は、東工大は2次曲線をよく取り上げていた(前期では‘96[2]'97[1]'98[4]'02[2])ように思いますが、最近ちょっとご無沙汰でした。
この問題は楕円として難問というわけではありませんが、問題文を読んでいろいろなアプローチが考えられるので、どのアプローチで行くか悩むかも知れません。
2次曲線の問題によっては、対応を誤ると泥沼にはまることになるので、解答方針の選択には神経を使うところです。
この問題でも、回転変換の行列を考えるか、図形的に処理するか、垂直
2等分線を考えるか、いろいろ考えられます。ですが、解法を悩んでいるばかりでは先に進むことができません。とにかく、計算用紙や問題冊子のすみでちょっと計算を始めてみることです。
解答では、反時計回りに角
q 回転することを表す行列を用いて考えましたが、他の方法で解答しても時間的には大差ありません。悩んでいる時間の方がもったいないのです。受験生ごとにクセがあって、得意なアプローチ、得意な解法は異なるので、どの解法が良いのか一概に言うことはできないのです。「2次曲線の問題は○○○で行け」、などと書かれている参考書があるのだとしたら、自分の感性にフィットしている参考書を探さないといけません(時間的制約の強いセンター試験のような場合には、あらかじめ解法を決めておくべきなので、解法を指定してくれている本の方が良いと思います)。理想を言えば、仮に行き詰まっても他の解法に切り替えられる時間的余裕を作ることができる迅速な計算力を磨くべきだ、ということになると思います。
この問題では、文字が
pqaと出てくるので、楕円の方程式を導くときに、どの文字を消去するのか勘違いしないように注意しましょう。aは定数で、pqが変数なので、pqを消去することになります。

楕円がテーマの問題で、解法をよく考えるべき問題を
1つ紹介しておきます。
阪大理工
'01後期[2]
楕円 () 上に点Pをとる。ただし、Pは第2象限にあるとする。点Pにおける楕円の接線をlとし、原点Oを通りlに平行な直線をmとする。直線mと楕円との交点のうち、第1象限にあるものをAとする。点Pを通りmに垂直な直線がmと交わる点をBとする。また、この楕円の焦点でx座標が正であるものをFとする。点Fと点Pを結ぶ直線がmと交わる点をCとする。次の問いに答えよ。
(1) であることを示せ。
(2) であることを示せ。


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  1. 2008/08/24(日) 18:41:29|
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お知らせ

数列の基礎事項に漸化式の技巧を加えました。

こちらから飛べます。

分数タイプ他、特殊な漸化式の解法を掲載しています。

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  1. 2008/08/23(土) 20:49:55|
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東工大数学'08年前期[3]検討

東工大数学'08前期[3]検討

[3](解答はこちら) 確率の問題のように見えて、この問題は不等式の証明の問題です。「受験技巧」というものがあまり好みではない私も、この問題は、見た瞬間に、コーシー・シュワルツの不等式とひらめいて欲しい気がします。(1)で等号成立の必要十分条件を聞いているので、「コーシー・シュワルツの不等式より」では、通らないと思いますが、証明をつけて、等号成立の条件を考察しておけばよいのです。
コーシー・シュワルツの不等式は、
2個のベクトルについて、それぞれのベクトルの大きさの2乗の積は、内積の2乗以上である、というように記憶します。つまり、
 ・・・()
なぜ、こうなるかと言うと、のなす角をq として、
 ()
だからです。高校では、ベクトルは2次元、3次元のベクトルしか扱いませんが、ベクトルは4次元でも、100次元でも構わないので、nを自然数としてn次元のベクトルについて()が成立します。
解答では
の場合について証明をつけておきましたが、高校数学には6次元ベクトルは登場しないので、2次関数の判別式を用いた証明を書いておきました。()であれば、
という2次方程式について、
が、重解、または、虚数解をもつ 判別式
 (**)
という要領で証明します。難関大学を志望する諸氏は、コーシー・シュワルツの不等式は、2次方程式を利用して証明できる、くらいは、覚えておいても良いのではないでしょうか。
というのは、
2つの関数の内積を、と定義し、関数の大きさ(関数の「大きさ」と言うのも変なので、「ノルム」と言います)を、 として、コーシー・シュワルツの不等式を考える問題があるからです。例えば、'89年早大理工[3]
(i) で連続な関数とする。このとき、すべての実数tに対してが成立することから、次の不等式を導け。
(ii) は、をみたし、かつ導関数で連続とする。このとき、次の不等式(1)(2)を示せ。とする。
(1)
(2)
(iii) (2)の条件のほかにをみたすとする。このとき、次の不等式を示せ。
 () 
(i)は、まさに、コーシー・シュワルツの不等式です。この証明は、が成立することから、t2次方程式:
の判別式Dについて、
として得られます。これが、(**)と全く同じことをしている、ということがおわかり頂けるでしょうか。2次方程式は、高校数学の最初に出てくるので、あまりに基本的で、ないがしろにされがちですが、活躍の場は意外と広いのです。

東工大
[3]では、(2)の証明で2次関数を使います。確率の問題で2次関数、というのが、なかなか発想できないかも知れませんが、2次方程式・2次関数は、いろいろなところに使えて便利な道具です。


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  1. 2008/08/23(土) 12:52:31|
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東工大数学'08年前期[2]検討

東工大数学'08前期[2]検討

[2](解答はこちら) ぱっと見た目に難問のように見えますが、ガウスの記号で用いる考え方:
nを整数,xを実数として、のとき、 ・・・()
と同様に、この問題のについても、
のとき、
として考えれば、道が開けそうな気がします。ですが、不等式を導いて、はさみうちしようとすると、のときにはうまく行くのですが、のときにはうまく行きません。のときには考え方を変える必要が出てきます。ですが、のときとのときで極限が異なる、というのは、東工大の問題ではよくあることなので、2つの場合で頭を切り換えて、ていねいに調べていけば切り抜けられるでしょう。
もう一つ、この問題でいやらしいのは、「収束するような実数
cの最大値」という聞き方です。以上では収束せず、なら収束する、というように、解答の書き方を工夫する必要があります。

ガウスの記号に関するおもしろい問題を
1つ紹介しておきましょう。ゆっくりと考えてみてください。お茶の水女子大理学部'94年の問題です。
とする。ただし、xのガウス記号でxを超えない最大の整数である。このとき、次の問いに答えよ。
(1) のグラフを描け。
(2) 数直線上で、動点Pから出発して、,・・・,,・・・ という関係で移動を繰り返すとき、以下の問いに答えよ。
(a) のとき、の値を求めよ。
(b) 動点Pの座標,・・・に対し、のとき、が成り立つことを、数学的帰納法で証明せよ。
(c) 動点Pが、異なる2点間を往復運動している場合、その2点を求めよ。
(2)(b)は、(1)のグラフや直線の式を使わずに、の記号を使ったまま、上記の()を使って解答を書いてみてください。


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  1. 2008/08/23(土) 12:50:42|
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東工大数学'08年前期[1]検討

東工大数学'08前期[1]検討

[1](解答はこちら) 指数計算のややこしい計算問題です。東工大は、比較的計算の面倒な問題は出さない方ですが、'02年前期[3]など、たまに出題されるときには、思い切り面倒だったりします。教授が学生の計算力に不満を持ち出すと、面倒な計算問題を出題する、ということをやっているのかも知れません。
ですが、この問題は、計算が面倒なだけで、東工大受験生なら手が止まることはない、ありふれたテーマ:
2曲線が点で接するとき、 かつ
の問題です。理工系大学受験生必須の受験技巧です。これ以外は、ひたすら計算するだけなので、私も、面倒な計算は大の苦手ですが、合格切符を手に入れるために、試験会場では、慎重に計算し、きちんと見直すようにして頂きたいと思います。また、日常から、微積分の計算練習を充分に積んでおくべきだと思います。

この問題でひっかかるのは、
の取り扱いです。こんなものは既知として証明不要である、という意見もありますが、私は、時間的余裕があるのであれば、証明をつけておく方が良いと思います。というのは、東大、東工大に合格するような受験生の中には、証明の仕方を記憶している博学の受験生が少なからずいるからです(ちなみに私は記憶していません。解答のようにして証明法を一々考えます)。記憶していれば、試験会場で、大喜びで答案用紙に書いてくるでしょう。証明が書かれている答案が1枚でもあれば、東工大の先生も、証明の書かれていない答案は減点せざるを得ないだろうと私は思います。ただし、試験会場で証明方法に悩むくらいなら、他の問題に先に取り組む方が得点的には有利だろうと思います。
東工大の問題文は、わざと不明確にして、受験生に現場で悩ませようとしているのではないか、という感じもするので、東工大を目指す方はよく注意してください。


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  1. 2008/08/23(土) 12:47:45|
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東大物理'08年前期[3]検討

東大物理'08前期[3]検討

[3](解答はこちら) この問題が、ことしの3題の中では最も頭を使う問題です。とは言っても、Ⅰ(1)(4)は基本問題です。Ⅱも物体の運動が単振動であることを示すときによく出てくる形なので、穏当な問題だと思います。基礎がしっかりしている受験生には何でもなかったでしょう。
問題はⅠ
(5)です。[別解]に市販本などに出ている方法、階差数列風の考え方による解答も書いておきましたが、これを物理の試験中に思いつけるでしょうか?思いつける受験生は立派だと私は思いますが、この問題の正答率がどれくらいなのか、東大に聞いてみたいところです。
私は、こうした問題では、微積分を使ってしまう方が易しいと思います。
が出てくれば、として、
 ・・・⑤
が難なく得られます(これは変数分離型の微分方程式です)。右辺にが出てくるので、普通は、この式を、逆関数の微分法の公式を用いて、
として積分し、
 (C:積分定数)
()
などとすると思いますが、これでは、
となってしまって、が残ってしまいます。何か忘れている条件があるのです。私は、ここではじめて、容器内の気体の量がnモルである、という条件に気づきました。階差数列の和のような考え方が思いつけたとして、この条件に気づけるでしょうか?問題文にヒントが欲しい気がします。容器内の気体の量がnモルという条件は、
と、表されます。これで、⑤の形のまま、Sをかけてzで積分すればよいだろう、ということになります。
もちろん、階差数列の和のように考えてきて、容器を
z方向にN個に分けて、
とすれば同じことですが、'08前期[2]に親切な誘導がついているのと比べると、この問題は、ちょっと無理な気がします。多分、ほとんどの受験生はここをパスしてⅡに進んでしまっていると思うので、実質的な被害を受けた受験生はほとんどいなかったと思いますけれども。白状すると、私は、階差数列のような考え方を全く思いつきもしませんでした。


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  1. 2008/08/22(金) 16:44:52|
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東大物理'08年前期[2]検討

東大物理'08前期[2]検討

[2](解答はこちら) ネオンランプの電流-電圧特性の図が出てきたりするので、非直線抵抗のような難問か、と、感じるかも知れません。ですが、やってみると、問題文中のヒントに従って計算してゆけば何とかなります。ヒントなしだと厳しい問題でしょう。ただ、物理の問題としては計算が面倒でボリュームもあるので、どんどん計算を進めて行かないと時間が足りなくなります。
この問題も
'08年前期[1]と同様に、特殊な技巧や物理的な考察をする必要はありません。コンデンサーの基本公式:程度で充分に対応できます。昨年までと比べて、東大物理は、やや基本的な出題に方向転換したのでしょうか?昨年の'07年前期[3]が難問過ぎたことの反省があるのかも知れません。
特殊な状況設定に惑わされないようにすれば、教科書の内容をよく理解し、基本的な問題練習を積んでおくことにより、こうした問題に対処できるはずです。出題者の狙いもそうしたところにあると思われます。難問であれば、正答率も下がります。まずは、基礎をガッチリ固めておいて欲しい、という、東大のメッセージと受け止めましょう。


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  1. 2008/08/22(金) 16:44:00|
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東大物理'08年前期[1]検討

東大物理'08前期[1]検討

[1](解答はこちら) この問題は、教科書が理解できていれば解答可能です。特別な知識や考え方などを知っている必要はありません。最近の物理の教科書は、色刷りで図表などをふんだんに盛り込み、説明文も理解しやすく工夫されていてよくできています(学習指導要領の混乱に伴うカリキュラム上のおかしな点はありますが)。特に、高校12年生は、教科書をしっかり読み込んでおくべきです。基礎事項がマスターできていないのに、力学的エネルギー保存の特殊な考え方(東大‘94年前期[1]など)をする問題に取り組んでも意味はないのです。この問題の出題者の意図はそういうところにあると思います。

この問題を解答するために必要な事項は、
系のエネルギーを奪うような外力がなければ力学的エネルギーは保存されるという事実、
等加速度運動の公式:

速度vと位置xの関係:
単振動の公式: (または、ばね振り子の公式:)
運動エネルギー:
これだけです。特殊な考え方をする部分はありません。ただし、ボリュームはたっぷりあるので、処理速度は問われますが、知識量を要求されているわけではありません。
東大物理が毎年すべての問題が基礎的な問題ばかり、というわけではありませんが、まずは、基礎固めのためにしっかりと教科書をよく読んでおいてください。


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東大理系数学'08年前期[6]検討

東大理系数学'08前期[6]検討

[6](解答はこちら) 私は、この問題は悪問だと思います。高校の先生方の中には、高校数学の基本ができているかを見る良問だとおっしゃる先生もいらっしゃると思いますが。
私が、この問題を悪問だと思う理由は、試験開始後に全問を見渡して、この問題を最初に手がけた受験生の涙が見えるからです。東大の先生がどういう採点を行ったかわかりませんが、微分してきちんと増減表を書いて、グラフをきれいに描いている解答にプラス点を与えているのでしょうか?正解に到達するためには不要となる事実であっても、正しい事実が書かれているのであればプラス点をつけるという採点をやってくれているのであれば良問かも知れませんが、悪戦苦闘してグラフを描いたのにもかかわらず定積分計算をミスして零点にされてしまった上にペースを崩して他の問題に集中することができず、実力を発揮することなく敗れ去ってしまった受験生が多々いるような気がします。

過去問を見ても、東大数学は、
'08年前期[5]のような良質の問題、'08年前期[4]のような受験技巧で対応できる問題のほかに、'08年前期[3]のような見た目大変そうでも実際には大したことがない問題、この問題のように見た目取っつき易そうでも不覚をとる原因になり易い問題も出題しています。
すぐに思い浮かぶのは、東大文系
'91年前期[1]
の、区間での最大値と最小値を求めよ。
という問題です。ご覧の皆さんも、こんな易問でどうして不覚をとるのか、と、お思いなら、ぜひ取り組んでみてください(だから、というのはダメです)。試験会場でこの問題にはまりこんでしまえば合格の2文字は非情にフェードアウトします。
もちろん、本当に実力のある受験生であれば難なくクリアできるのですが、学校の練習問題の感覚で取り組むと泣くことになるのです。この問題が、意地悪な教授によって実に精密に練り上げられた、東大ならではの難問だということは見た目では判断がつきません。
ほかにも、理系
'94年前期[1]

とする。このとき、以下のことが成り立つことを示せ。
(1) 任意の実数xに対し、である。
(2) 方程式はただひとつの実数解aをもち、となる。
理系‘96年前期[2]
abcdを正の数とする。不等式 を同時にみたす正の数stがあるとき、2次方程式の範囲に異なる2つの実数解をもつことを示せ。
など、勉強家の受験生が注意しなければいけない問題があります。よく勉強してきた受験生ほど、'94年前期[1]ではのマクローリン展開が、'96年前期[2]ではハミルトン・ケーリーの定理が頭に浮かんでしまうのです。'94年前期[1]では、あっと驚くスーパー解法で解いたという受験体験記が雑誌「大学への数学」に紹介されていましたが、平凡に微分していけば解決します。'96年前期[2]は、平凡に、判別式、軸の位置、端での2次関数の値を調べれば解決します。こういう問題を見ていると、東大の教授がアンチ受験勉強という発想をしていることを感じるのです。なまじ重箱の隅をつつくような受験技巧は知らない方が素直に解けて良い、ということもあるので、東大受験生は、勉強をし過ぎないように充分に注意してください。それよりも、あなたの才能を社会の困難な問題点の方に向けて欲しい、というのが私の願いです。

逆に、理系
'98年前期[4]
実数xに対してをみたす整数kで表す。nを正の整数として、
とおく。個の整数,・・・,のうち相異なるものの個数をnを用いて表せ。
のように、見た目仰々しく、受験生が怖じ気づいてしまうような問題が、実は、高級な技巧を持ち出さずとも、3次関数のグラフと接線の傾きを調べていけばできてしまう見かけ倒しの問題だったりします。

さて、本問:
'08年前期[6]に戻ります。
この問題のポイントは
2つあって、どういうグラフをしているのか、ということと、定積分の計算方法の2点です。
東大受験生に限らずとも、面積を求める問題で、普通の受験生が、一々、微分してグラフを書くでしょうか?私は、この問題では、解答に書いたような詳細な検討をしなくても、値を適当に代入してプロットしグラフを答案用紙に描いておけば充分だと思います。たとえ、減点されたとしても、減点幅は大したことはなかっただろうと思います。面積を求めることが問題の要求だからです。
この問題の定積分の計算はかなり面倒なので、焦らずに効率的に計算する方法を考えるべきです。市販本にいろいろな考え方が紹介されています。どういう方法でも良いので、計算の効率化を考えるべきです。

[1][5]を先に解いて、あと数十分という段階でこの問題を解き始めた受験生は、恐らく、上のような発想をして取り組んだだろうと思います。微分する時間的余裕も精神的余裕もないでしょう。計算ミスさえしなければ、数十分で充分に正解にたどり着ける問題です。試験会場で、どういうストラテジーを建てたかで運不運が分かれてしまう、という問題が、受験生の実力を評価するのに適切な問題だとは、私には思えません。

しっかりと受験準備をしてきた実力のある受験生が泣くことにならないように、この問題で、東大受験の注意点をしっかりと頭に叩き込んでおいてください。


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  1. 2008/08/21(木) 10:34:54|
  2. 東大数学'08年
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