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東大物理'06年前期[2]

東大物理'06年前期[2]

真空放電による気体の発光を利用するネオンランプは、約80V以上の電圧をかけると放電し、電流が流れ点灯する。したがって、起電力が数Vの乾電池のみでネオンランプを点灯させることはできない。しかし、コイルおよびスイッチと組み合わせることにより、短時間ではあるがネオンランプを点灯させることができる。
 ここでは、図2-1の電圧-電流特性をもつネオンランプを起電力9.0Vの乾電池で点灯させることを考える。図2-2のように、乾電池、コイル、およびスイッチを直列につなぎ、ネオンランプをコイルと並列につなぐ。コイルの自己インダクタンスL1.0H,コイルの抵抗を35W,乾電池の内部抵抗を10W,ネオンランプの端子Bを基準とする端子Aの電位をとして、以下の問に答えよ。ただし、ネオンランプに流れる電流の大きさは、端子ABのどちらが正極であっても図2-1で与えられるとする。また、ネオンランプの電気容量、コイル以外の回路の自己インダクタンスは無視できるほど小さく、ネオンランプの明るさはネオンランプを流れる電流の大きさに比例するものとする。
Ⅰ 時刻に回路のスイッチを入れたが、ネオンランプは点灯しなかった。
(1) スイッチを入れた直後のの大きさと符号を求めよ。
(2) スイッチを入れてしばらくすると、回路を流れる電流は一定となった。このときコイルを流れる電流の大きさ、およびの大きさと符号を求めよ。
Ⅱ 回路を流れる電流が一定になった後、時刻にスイッチを切った。その後、ネオンランプは図2-3のように時間Tだけ点灯した。
(1) 点灯が始まった直後にネオンランプを流れる電流の大きさを求めよ。
(2) 2-1を利用して、ネオンランプの点灯が始まった直後のの大きさと符号を求めよ。
(3) ネオンランプの点灯が始まった直後、および点灯が終わる直前にコイルに生じている誘導起電力の大きさを、それぞれ求めよ。
Ⅲ ネオンランプの点灯時間Tのおおよその値を求めたい。計算を簡単にするため、点灯中に生じている誘導起電力の大きさは一定値であると近似する。
(1) 点灯が始まった直後にネオンランプを流れる電流の大きさをとする。点灯時間TLを用いて表せ。
(2) (1)の結果にLの値を代入し、点灯時間Tを有効数字1桁で求めよ。ただし、の値はⅡ(3)の結果を参考にして、適当に定めてよい。

[解答] 難しくはありませんが、Ⅲ(1)など、物理的に考える部分があります。

(1) スイッチを入れた直後は、コイル内は断線したのと同じ状況になります(自己誘導を参照)。ネオンランプは電流が流れていないので、AB間には電池の電圧がそのままかかります。Aの方が高いのでの符号は正となり、
V ......[]

(2) 回路を流れる電流が一定となるとき、ネオンランプには電流が流れず、コイル内は単に導通させたのと同じ状況になります(自己誘導を参照)。乾電池の起電力に、35W10W抵抗が直列に入る形になるので、
9.0V÷45W=0.20A ......[]
電流が一定になってしまうと、コイルの電圧は電流の変化に比例するので0となり、ネオンランプの電圧は、コイルの抵抗両端の電圧となります。コイルの抵抗にはA側からB側に向かって電流が流れるのでA電位B電位よりも高くの符号は正で、電流0.20Aが35Wに流れるので、オームの法則より、
V ......[]

(1) 点灯が始まった直後、つまり、スイッチを切った直後に、コイルは切る直前と同じ電流を流そうとするので、
0.20A ......[]

(2) スイッチを切った直後も、コイルは0.20A電流をコイル内でABの方向に流そうとするのですが、スイッチは既に開いているので、スイッチを通して電流が流れることはありません。すると、この電流はネオンランプ内をBAの向きに流れるのです。図2-1より、電流0.20A流れるときの電圧の値を読むと、103Vです。ネオンランプ内を電流BAの向きに流れるので、A電位B電位よりも低くなります。よって、
V ......[]

(3) スイッチを切った直後、ネオンランプの電圧Vで、ネオンランプとコイルの回路には0.20A電流が流れるので、コイルの抵抗には7V電圧が生じます。Aからコイルに向かって電流が流れ込むので、抵抗のAと逆側はAよりもさらに7V低い電位になります。従って、コイルに生じる誘導起電力の大きさは、
V ......[]
点灯が終わる、ということは、ネオンランプの電流0になるということです。点灯が終わる直前にネオンランプの電圧は、図2-1より80Vです。このとき、ネオンランプの電流0なので、コイルの抵抗には電圧は発生せず、ネオンランプの電圧がそのままコイルの電圧となり、誘導起電力の大きさは、
80V ......[]

(1) コイルの誘導起電力の公式:において、誘導起電力を一定値と考えるということは、電流変化率:が一定で、電流は直線的に変化するということです。時間Tの間に電流となるので、電流の変化率は、です。誘導起電力の大きさがなので、
......[]
(エネルギーで考えて、としても求められます)

(2) の値をⅡ(3)から適当に定めよ、ということなので、110V80Vの間をとって、Vとします。Aより、
......[]


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  1. 2008/03/31(月) 11:44:48|
  2. 東大物理'06年
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東大物理'06年前期[1](再掲)

東大物理'06年前期[1]

太陽系以外で、恒星の周りを公転する惑星が初めて発見されたのは1995年である。以来、すでに150個以上の太陽系外惑星が発見されている。この太陽系外惑星の検出原理は、質量Mの恒星と質量mの惑星()が、互いの万有引力だけによってそれぞれ運動している場合を考えれば理解できる。この場合、惑星は一般には楕円軌道上を運動することが知られている。しかしここでは図1に示すように、惑星がある定点Cを中心とした半径aの円周上を等速円運動しているとする(だたし、図1には恒星を図示していないことに注意)。万有引力定数をGとし、恒星および惑星の大きさは無視する。
I 図1のように、惑星が反時計回りに公転しているものとする。惑星に働く向心力は恒星による万有引力であることを考えて、以下の問に答えよ。
(1) 恒星、惑星、点Cの互いの位置関係を理由とともに述べよ。
(2) 恒星と点Cとの距離、惑星の速さv,恒星の速さVを求めよ。
(3) 惑星の公転軌道面上において、aに比べて充分に遠方にあり、点Cに対して静止している観測者を考える。図1のように惑星が角度q [rad]の位置にあるとき、惑星の速度の視線方向成分を、vq を用いて表せ。ただし、観測者に対して遠ざかる向きをの正の向きに選ぶものとする。
(4) 時刻において、惑星がの位置にあったとする。また、惑星の公転周期をT,恒星の速度の視線方向成分をとする。tの関数として、その概形をの範囲でグラフに描け。ただし、観測者に対して遠ざかる向きをの正の向きに選ぶものとする。
II 惑星からの光は弱すぎて観測することは困難である。しかし、恒星からの光を観測することによって、惑星の存在を知ることができる。この間接的な惑星検出の方法では、運動する恒星が発する光の波長は、音源が動いた場合の音の波長と同様に、ドップラー効果によって変化することを利用する。ここでは、恒星が静止している場合には波長の光を発するものとして以下の問に答えよ。
(1) 惑星が角度q の位置にあるときに恒星が発する光を観測者が測定したところ、波長はlであった。光速度をcとして、波長の変化量q の関数として求めよ。
(2) II(1)で求めたは時間変動する。の範囲での最大値が以上であれば、現在の観測技術での時間変動を検出することができる。このことから、惑星の存在を知ることが可能であるためにaが満たすべき条件式を求めよ。
(3) II(2)において、恒星が太陽質量kg,惑星が木星程度の質量をもつものとする。この惑星が検出可能であるために公転周期Tが満たすべき条件を、有効数字1桁で表せ。ただし、m/sとする。

解答 天文学の最前線の話題を問題にしている点では興味深い問題ですが、Ⅰ(1)は、もともと高校の範囲では解答不能な問題を無理に入試問題に焼き直しているために、問題文が不適切であるように思います。受験生としては、高校の範囲として勉強してきた条件下で考え、以下のような詳細な検討を省略して直観的に解答してよいと思われます。

(1) Cから見たときの、惑星、恒星の加速度ab とし、恒星の位置Pから惑星の位置Qまでの距離rとします(問題文にあるように、恒星は点Cに位置するのではなく、恒星と惑星の距離aではないことに注意)。恒星と惑星の間には、大きさ万有引力が働きます。
惑星に働く方向に働くので、方向での惑星の運動方程式は、
 ・・・①
恒星に働く方向に働くので、方向での恒星の運動方程式は、
 ・・・②
①+②より、 (これは、系に外力が働いておらず運動量の変化が0で、運動量が保存されることを意味します)
これより、惑星と恒星の重心R位置を時間t2回微分すると、
よって、惑星と恒星の重心Rは、等速直線運動を行うか静止することになります(等加速度運動を参照)

Cから見て、惑星と恒星の重心R等速直線運動をすると、いずれは、RCからどんどん離れていくことになるので、惑星の運動がCを中心とする等速円運動になり得ません。従って、重心RCから見て静止しています。

×①-×②を作ると、
両辺をで割り、をかけると、
 ・・・③
は、恒星Pから見た惑星の相対加速度を表します(相対運動を参照)が、③式は、恒星Pから見たときに、質量の惑星が大きさ万有引力を受けて運動する形をしているので、恒星Pから見て、惑星はPを焦点とする楕円軌道を描きながら運動します。

惑星Qは、Cを中心とする半径aの円周上に位置するので、です。また、より、,よって、

は定ベクトルなので、は定点であり、これは、を中心とする半径の円を表します。恒星も円運動しています。重心Rは、両円の中心を結ぶ線分Mmに内分する点です。

惑星の運動は等速円運動ですが、このためには、惑星は一定の大きさの向心力を受けることになります。ということは、①式のは一定値であって、恒星と惑星の距離rは一定です。より、
これが一定であるためには、より、Cと重心Rが一致し、 ・・・④,つまり、点Cが線分PQmMに内分する点でなければなりません。

以上より、
惑星と恒星、定点Cの位置関係:恒星と惑星と点Cは一直線上にあって、恒星と惑星を結ぶ線分をmMに内分する点(両者の重心)が点Cとなる。 ......[]
理由:惑星と恒星を合わせた系に外力が働かず、運動量が変化しない。また、惑星は等速円運動するので系の運動量の和はゼロ。よって、Cから見て、恒星と惑星の重心は移動せず、惑星に一定の万有引力が働くことから、重心は定点Cに一致する。......[]

(2) 恒星と定点Cとの距離は、(1)の結果と④より、 ......[]
半径a等速円運動向心加速度で、惑星の運動方程式は、

......[]
恒星の向心加速度で、恒星の運動方程式は、

......[]
(惑星と恒星の運動量の和が0,つまり、であることからも求められます)
(3) 充分遠方の観測者とCを結ぶ直線を結ぶ直線(視線方向)と、惑星の速度ベクトルとのなす角はであって、惑星の速度の視線方向成分は、右図より、 ......[]
(4) (1)より、恒星の速度は、惑星の速度の向きとちょうど逆の向きで、恒星の速度の視線方向成分は、と符号が正反対になり、
と書けるので、
tに対して図示すると、右図。

II(1) 波長lの光の振動数です。光源の近づく方向の速度成分は、なので、ドップラー効果の公式より、


......[]

(2) の最大値:について、
......[]

(3)
(2)の結果より、



[s] ......[]


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  1. 2008/03/27(木) 13:58:22|
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東大理系数学'08年前期[6](再掲)

東大理系数学'06年前期[6]

を定義域とする関数について、以下の問いに答えよ。
(1) 関数 ()は、実数全体を定義域とする逆関数を持つことを示せ。すなわち、任意の実数aに対して、となるがただ1つ存在することを示せ。
(2) 前問(1)で定められた逆関数を ()とする。このとき、定積分を求めよ。

解答 逆関数と言っても、元の関数とグラフのx軸,y軸が逆になるというだけなので、怖がらないようにしましょう。

(1)  (商の微分法を参照)
分子
よって、 ()
よって、において、単調増加な関数です。
の分子はのときですが、の分母はとするとき、正の数として0に近づくので、
また、のとき、より、
以上より、任意の実数aに対して、となるがただ1つ存在し、は実数全体を定義域とする逆関数をもちます。

(2) 逆関数のグラフは、のグラフと直線に関して対称で、のグラフのx軸とy軸を逆にしたものと考えることができます。
のとき、という関係があります。
求める定積分は、のグラフのの部分とx軸との間に挟まれた部分の面積です(定積分と面積を参照)
となるについて、が成り立ちます。の定義域がであることから、であることに注意してください。
(
より)とおいて、
分母を払って整理すると、

このうち、に適するものは、
(より)とおいて、
分母を払って整理すると、

このうち、に適するものは、
以上より、求める定積分は、のグラフのの部分とy軸との間に挟まれた部分(右図斜線部)の面積に相当します。
この面積は、原点O4点を頂点とする長方形の面積から、原点O4点を頂点とする長方形の面積と、のグラフのの部分とx軸の間に挟まれた部分の面積を除いた面積に相当します。よって、
の積分について(置換積分法を参照)は、とおくと、より、
xのとき、t
 (分数関数の積分を参照)



......[]


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  1. 2008/03/24(月) 14:21:51|
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東大理系数学'06年前期[5](再掲)

東大理系数学'06年前期[5]

とし、数列を漸化式
  ()
によって定める。このとき、以下の問いに答えよ。
(1) に対し、とおく。
のとき、となることを示せ。
(2) を求めよ。
(3) を求めよ。

解答 難問というわけではないですが、それなりに工夫を凝らす必要があって一本道ではありません。なお数列を参照してください。

(1) より、 ・・・①
 () ・・・② より、
 ・・・③
②より、で、ならで帰納的に、に対して、 ・・・④ (数学的帰納法を参照)
よって、についても、に対して、
これと、③より、
①を用いて、のとき、

(2) ④より、 ・・・⑤
また、(1)より、
これより、のとき、
 ・・・⑥

ところで、のとき、なるxについて、
等号は恒等的に成り立つわけではないので、
について加え、さらに、を用いて、左辺にを加え、中辺と右辺に1を加えると、
左辺は、 (不定積分の公式を参照)
右辺は、
各辺をnで割ると、
 ・・・⑦

とおくと、
x04
×0
×
増減表より、
両辺をx ()で割ると、
ここで、とすることにより、
よって、はさみうちの原理より、
これより、⑦の左辺と右辺は、のとき、だから、ともに0に近づく。
はさみうちの原理より、⑦の中辺についても、
 ・・・⑧
⑤,⑥を用いて、
さらに、はさみうちの原理より、
......[]

(3) (1)よりが言えているので、 ・・・⑨
従って、となるで、となるものを探せばよいのです。
このためには、,つまり、という形の不等式をひねり出さないといけません。
③をながめていると、を利用すれば、この形が作れそうです。

③において、のとき、より、
①を用いて、のとき、

これより、
これと、⑨から、
⑧を使うと、左辺は、のとき、
よって、はさみうちの原理より、 ......[]


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  1. 2008/03/24(月) 14:20:40|
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東大理系数学'06年前期[4](再掲)

東大理系数学'06年前期[4]

次の条件を満たす組を考える。
条件(A)xyzは正の整数でおよびを満たす。
以下の問いに答えよ。
(1) 条件(A)を満たす組となるものをすべて求めよ。
(2) が条件(A)を満たすとする。このとき、組が条件(A)を満たすようなzが存在することを示せ。
(3) 条件(A)を満たす組は、無数に存在することを示せ。

解答 とりたてて難問というほどではありませんが、試験会場で、どれだけ冷静に考えることができるか、という問題です。

(1) のとき、
これを満たす、正の整数xzは存在しません。

のとき、
これを満たす、正の整数xzは存在しません。

のとき、
より、に限られます。

i) のとき、
これを満たす正の整数zは存在しません。

ii) のとき、
これを満たす正の整数zは存在しません。

iii) のとき、


以上より、 ......[]

(2) が条件(A)を満たすので、 ・・・① が成立します。
このとき、組が条件(A)を満たすなら、が成り立つはずです。
このとき、①より、,よって、

について、であることが示せれば良いのですが、の場合と、それ以外の場合とで分けて調べます。
であれば、として、条件(A)を満たす組が存在します。
または、である場合、(1)より、ゆえ、の両辺にをかけて、
より、
よって、
 ・・・②
よって、組は条件(A)を満たします。
以上より、組が条件(A)を満たすようなzが存在します。

(3) から出発して、組から組を求めるという手順で、条件(A)を満たす組を次々に求めていったとします。
実際に求めていくと、となっていきます。

条件(A)を満たす、n番目の組 ()が存在することを数学的帰納法により示します。
のとき、 とすれば、(1)により、1番目の組が存在します。
のとき、とすれば、(1)により、2番目の組が存在します。
のとき、条件(A)を満たす組が存在すると仮定します。
として、(2)より、とすれば、条件(A)を満たす組が存在します。
よって、のときも、条件(A)を満たす、n番目の組が存在します。
数学的帰納法により、となる整数nに対して、条件(A)を満たす、n番目の組が存在します。

の場合に、(2)の中で、として、より、であり、
のときに、(2)の中で、として、であれば、 (②の不等号の等号を除くことができる)
従って、すべてのについて、

以上より、すべてのについて、条件(A)を満たす組は異なります。
正の整数は無数に存在するので、条件(A)を満たす組も無数に存在します。


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  1. 2008/03/24(月) 14:19:41|
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東大理系数学'06年前期[3](再掲)

東大理系数学'06年前期[3]

Oを原点とする座標平面上に、y軸上の点Pと、直線mが与えられている。ここで、とする。
いま、傾きが
aの直線lを対称軸とする対称移動を行うと、原点Oは直線上の、第1象限の点Qに移り、y軸上の点Pは直線m上の、第1象限の点Rに移った。
(1) このとき、apで表せ。
(2) 次の条件を満たす点Pが存在することを示し、そのときのpの値を求めよ。
条件:どのようなq ()に対しても、原点を通り直線lに垂直な直線はとなる。

解答 気力を充実させて、ただひたすら計算をする問題です。なお、座標平面における対称を参照してください。

(1) 直線lの方程式をQx座標をqRx座標をrとする。
題意より、,またm上にない点Plに関する対称点がm上に来ることから、
Oと点Qが直線lに関して対称だから、

 ・・・①
Pと点Rが直線lに関して対称だから、
前者より、 () ・・・②
後者から①を引いて、

 ()
これを②に代入すると、
分母を払って、


......[]

(2) が出てくるので正接に関する3倍角の公式を導いておきます。
 (2倍角の公式を参照)

 ・・・③
条件より、 (2直線の平行・垂直を参照)
 ・・・④
③において、として、
(1)の結果を用いて、
分母を払うと、
展開して整理すると、
 ・・・⑤
q aの間には、④という関係があるので、⑤が、q にかかわらず、すなわち、aにかかわらず成立するためには、 ......[]
Pとすれば、任意のq ()に対して④が成立するようにaをとれば、直線lが垂直になり、与えられた条件が成立するので、点Pは存在します。


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  1. 2008/03/23(日) 22:14:57|
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東大理系数学'06年前期[2](再掲)

東大理系数学'06年前期[2]

コンピュータの画面に、記号○と×のいずれかを表示させる操作をくり返し行う。このとき、各操作で、直前の記号と同じ記号を続けて表示する確率は、それまでの経過に関係なく、pであるとする。
 最初に、コンピュータの画面に記号×が表示された。操作をくり返し行い、記号×が最初のものも含めて
3個出るよりも前に、記号○がn個出る確率をとする。ただし、記号○がn個出た段階で操作は終了する。
(1) pで表せ。
(2) のとき、pnで表せ。

解答 こういう問題こそ、ケアレスに注意してください。なお、確率を参照してください。

(1) 記号×が3個出るよりも前に、記号○が2個出るのは、以下の場合です(なお、積事象・和事象・余事象を参照)
・×○○  ・・・・・・ 確率は、
・×○×○  ・・・・・・ 確率は、
・××○○  ・・・・・・ 確率は、
よって、
......[]

(2) 記号×が3個出るよりも前に、記号○がn個出るのは、以下の場合です。
  ・・・・・・ 確率は、
  ・・・・・・ ×の入る位置が○1個の次から○個の次まで通りあり、確率は、
  ・・・・・・ 確率は、
よって、
......[]


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  1. 2008/03/23(日) 22:14:02|
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東大理系数学'06年前期[1](再掲)

東大理系数学'06年前期[1]

Oを原点とする座標平面上の4で、条件
 ()
を満たすものを考える。このとき、以下の問いに答えよ。
(1) が曲線上にあるとき、はこの曲線上にはないことを示せ。
(2) が円周上にあるとき、もこの円周上にあることを示せ。

解答 余計なことを考えずに素直に取り組めば大したことはありません。

(1) 背理法により示します。
が曲線上にあるとき、もこの曲線上にあると仮定します。
x座標をpqとすると、それぞれのy座標はです。
与式でとして、
より、 ・・・①

の場合、ですが、を満たさず、は曲線上の点ではありません。・・・②

の場合、がともに第1象限の点で、だとします。①より、も第1象限の点です。
として、平行四辺形の対角線ONは互いに相手を二等分し、線分ONの中点Mは線分上の点です。
ところで、より、は線分MN上のM以外の点です。
曲線は第1象限において下に凸な曲線なので、曲線と線分ONとの交点Qは線分の下側に来ます。よって、Qは線分OM上のM以外の点です。
は線分MN上のM以外の点で,Qは線分OM上のM以外の点なので、両者が一致することはありません。これは、が曲線上の点ではないことを意味しています。・・・③
がともに第3象限の点である場合には、原点に関して対象な位置にを移して考えれば、③により、は曲線上の点ではありません。・・・④
が一方が第1象限で他方が第3象限にあって、pqが異符号だとします。①より、x座標とy座標は、により、異符号であって、曲線は第1象限と第3象限にしか存在しないので、は曲線上の点ではありません。・・・⑤
②,③,④,⑤より、全ての場合において、は曲線上の点ではありません。
これは、が曲線上の点であるという前提条件と矛盾します。
よって、が曲線上にあるとした仮定は誤りであって、はこの曲線上の点ではありません。

(2) が円周上にあるので、
より、




よって、もこの円周上の点です。
参考 として、 ()であっても、(2)は成立します。計算してみてください。ただし、kにはという条件が付くそうです。


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(C)2005, 2006,2007, 2008 (有)りるらるNewton e-Learning

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  1. 2008/03/23(日) 22:13:08|
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東大物理'07年前期[3](再掲)

東大物理'07年前期[3]

 図31のように、水面上で、波長lの波が左から右にまっすぐ進み壁に垂直に衝突している。壁に沿った方向をx方向とし、壁には自由にすき間を開けることができるようになっているとする。すき間を通った波を壁の右側の点で観測する。以下の問に答えよ。

Ⅰ 点Pは充分遠方にあるとし、図31のようにから見たP方向の角度をq とする。問Ⅰ(1)(2)で開けるすき間はすべて同じ幅とする。また、そのすき間の幅は波長lに比べて小さいので、各すき間からは、そこを中心とする円形波が図の右側に広がっていくと考えてよい。
(1) 壁のの位置にすき間Aを開け、わずかにずれた位置x ()にすき間Bを開ける。すき間Bを開ける位置を少しずつxの正の方向に動かしていくと、になったとき、それまで振動していた点Pでの水面が初めて動かなくなった。blq を用いて表せ。ただし点Pは十分に遠いので、すき間Bから見たP方向の角度もq としてよい。
(2) 問Ⅰ(1)のようににすき間がある状態で、すき間C ()に開けると、点Pでの水面は振動を始めた。さらにもう一つ、にできるだけ近い位置にすき間Dを開けることによって、点Pでの水面の振動を止めたい。すき間Dx座標を求めよ。
Ⅱ 次にすき間の幅が広い場合を考えよう。点Pは問Ⅰと同じ位置にあるとする。すき間の一方の端を,他方の端をとする(32)。以下の問については、すき間内の各点から円形波(素元波)が右に広がっていき、その重ね合わせが点Pでの水面の振動になると考えよ。
(1) すき間内のある位置 ()から点Pまでの距離と、すき間の端から点Pまでの距離の差を、q を用いて表せ。
(2) から出た円形波の変位が点Pでゼロである瞬間に、すき間内の各点 ()からくる円形波のすべての変位が点Pで同符号である(強め合う)ためには、すき間の幅wはどのような条件を満たしていなければならないか。
(3) すき間の幅をからまで増やしたとき点Pでの波の振幅はどのように変化するか、理由を付けて答えよ。ただしbは問Ⅰ(1)で求めた値である。
Ⅲ 今度は点Pは壁の近くにあるとし、壁との距離をLとする。図33のように、点Pの真正面にすき間を開ける。そのすき間の幅をゼロから増やしていくと、幅がになったとき点Pでの振幅が最大になった。rLlを用いて表せ。

解答(1) AからPまでの経路とBからPまでの経路の長さの差(経路差)波長の整数倍+半波長になると、両波は干渉して弱め合います。Bx軸正方向に動かして初めて弱め合うのは、経路差が半波長のときです。経路差は右図より,両波が弱め合う条件は、
......[]

(2) Aから来る波とBから来る波は既に弱め合っているので、Cから来る波とDから来る波が弱め合えばよいということになります。すき間Dx座標dとすると、その条件は、両者の経路差半波長ということで、

......[]
(1) Pが十分遠方にあることから、Ⅰ(1)と同様に、右図より、距離の差は、 ......[]

(2) すき間の両端での経路差が半波長以下であれば、A ()から出た円形波の変位Pにおいてゼロのときに、すき間の各点からくる円形波の変位が同符号になります(経路差半波長以下ということは、位相差p以下ということです。であればというところから考えてください)
右図より、すき間の両端の点からPまでの経路差なので、
......[] (つまり、Ⅰ(1)より、です)
(3) (2)の条件()が満たされている間は、すき間を通過する波の強め合う効果により、wを大きくすると、すき間の幅が広がり通過する波が増えることによって、Pにおける振幅は次第に大きくなり、のときに最大になります。においては、すき間を通過する波の中に打ち消し合う効果が起きて、wを大きくすると、Pにおける振幅は次第に小さくなります。のときに、すき間の下半分を通過する波と上半分を通過する波が逆位相(位相のズレがp)となり、振幅は最小になります(右図)
においては強め合う波が増え、においては打ち消し合う波が増えてくるので、から次第に増加してで最大となり、まで減少する。 ......[]

参考 右図のように、すき間を上半分と下半分に分けて、それぞれから来る波を考え、単スリットの効果を調べます。
下半分の中のの位置からPにくる波と、上半分の ()の位置からPにくる波の経路差は、波長lとすると、この経路差による位相のズレd は、Ⅰ(1)の結果を用いて、
波の周期Tとして、振幅の違いを無視して両波を重ね合わせると、
の値によって、Pにおける波の振幅を評価できます。からまで変わるとき、は、1から0まで変化します。
すき間を2つに分けるとき、上半分から来る波と下半分から来る波の干渉により、波が強め合う効果は、において最大で、において最小になります。
従って、において、wを大きくするときにP振幅が大きくなるのは、単スリットとしての効果ではなく、すき間を通過して干渉する波の量が増えることによっているのです。
右図のように、wがある程度の大きさだとして、すき間をn等分し、各部分からくる波を合成することを考えてみます。すき間を通過する波の振幅が各部分のに比例するとします。から来る波とk番目の部分からくる波の経路差です。とすると、Pにおける合成波は、区分求積法により、



これによると、は振動を表すので、0からwを大きくしていくとき、合成波の振幅が増大して、で最大となり、以後減少し、においてゼロになるという結果が得られます。
Ⅲ すき間の中心をとして、から来るPに来る波と、からPに来る波は、経路差はゼロなので強め合います。つまり、Pにおいて、上半分から来る波と、下半分から来る波は必ず強め合います。ということは、Pにおける振幅が最大になるのは、すき間の上半分を通過してPに来る波の合成波の振幅が最大になるときです。
(2)(3)において、のときにPにおける振幅が最大になったのは、すき間の上端とPとの距離、下端とPとの距離の差がになるような位置関係だったからです。
従って図33においても、すき間の上端とPとの距離、すき間の中心とPとの距離の差が半波長のときに、Pにおける振幅が最大になるはずです。右図より、

......[]


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  1. 2008/03/22(土) 20:19:38|
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東大物理'07年前期[2](再掲)

東大物理'07年前期[2]

 図21(a)のように、導体でできた中空の円筒を鉛直に立てて、その中に円柱形の磁石をN極が常に上になるようにしてそっと落したら、やがてある一定の速さで落下した。これは、磁石が円筒中を通過するとき、電磁誘導によりその周りの導体に電流が流れるためである。磁石の落下速度がどのように決まるかを理解するために、導体の円筒を、図21(b)のように、等間隔で積み上げられたたくさんの閉じた導体リングで置き換えて考えてみる。以下の問に答えよ。

Ⅰ まず、図22のように、1つのリングだけが水平に固定されておかれており、そのリングの中心を磁石が一定の速さvで下向きに通り抜ける場合を考える。z座標を、リングの中心を原点として、鉛直上向きが正になるようにとる。磁石はz軸に沿って、z軸の負の向きに運動することに注意せよ。
(1) 磁石がリングに近づくときと遠ざかるとき、それぞれにおいて、リングに流れる電流の向きと、その誘導電流が磁石に及ぼす力の向きを答えよ。電流の向きは上向きに進む右ねじが回転する向きを正とし、正負によって表せ。
(2) 磁石の中心の座標がzにあるとき、に置かれたリングを貫く磁束を、図23のように台形関数で近似する。すなわち磁束は、区間0から最大値に一定の割合で増加し、区間で最大値から再び0に一定の割合で減少するとする。ここで磁束の正の向きを上向きにとった。磁石が通過する前後に、このリングに一時的に誘導起電力が現れる。その大きさをvabを用いて表せ。
(3) リング一周の抵抗をRとしたとき、誘導起電力によって流れる電流の時間変化のグラフを描け。リングに電流が流れ始める時刻を時間tの原点にとり、電流の正負と大きさ、電流が変化する時刻を明記せよ。ただし、リングの自己インダクタンスは無視してよい。

Ⅱ 次に、図21(b)のように、鉛直方向に問Ⅰで考えたリングを密に積み上げ、その中を問Ⅰと同じ磁石が通過する場合を考える。鉛直方向の単位長さあたりのリングの数をnとする。
(1) リングに電流が流れるとジュール熱が発生する。磁石が速さvで落下するとき、積み上げられたリング全体から単位時間当たりに発生するジュール熱を求めよ。
(2) 磁石の質量をM,重力加速度をgとしたとき、エネルギーの保存則を用いると磁石が一定の速さで落下することがわかる。その速さvを求めよ。ただし、このとき空気の抵抗は無視できるものとする。

Ⅲ 図21(a)で、磁石のN極とS極を逆にして実験を行うと、磁石はどのような運動を行うか、その理由も示せ。

解答(1) ・磁石がリングに近づくとき、リングによって形成されるコイルを貫く上向きの磁束は増大し、上向きの磁界が強くなるので、レンツの法則により、コイルにはこれを抑える向き、つまり、下向きの磁界を作る方向に誘導起電力が発生します。右ねじの法則より、(右ねじが下向きに進むことになるので)誘導電流の向きは負 ......[] (上から見ると誘導電流は時計回りに流れます)
コイルに向かい合っているのはS極で磁荷をもっており、誘導電流が作る下向きの誘導磁界と逆向きが働く(磁界を参照)ので、誘導電流が磁石に及ぼすの向きは、z軸正方向 ......[]

・磁石がリングから遠ざかるとき、コイルを貫く上向きの磁束が減少し、上向きの磁界が弱まるので、レンツの法則により、コイルにはこれを抑える向き、つまり、上向きの磁界を作る方向に誘導起電力が発生します。右ねじの法則より、(右ねじが上向きに進むことになるので)誘導電流の向きは正 ......[]
コイルに向かい合っているのはN極で磁荷をもっており、上向きの誘導磁界と同じ向きが働くので、誘導電流が磁石に及ぼすの向きは、z軸正方向 ......[]

(2) リングを1回巻きのコイルと考えて電磁誘導の法則より、誘導起電力の大きさVは、
誘導起電力が現れるとき、は図2-3の範囲における傾き()であり、は磁石が落下する速さvになります。
......[] (のときも同様です)
2-3において、で一定になっている間は、誘導起電力0です。

(3) リングに電流が流れ始めるというのは、のときです。磁石がからまで進む時間は、
(1)より、における電流負の向きであって、オームの法則より、
磁石がに来るのは、のときで、における電流は、磁束が変化せず起電力が生じないので、
磁石がに来るのは、のときで、Ⅰ(1)より、における電流正の向きであって、オームの法則より、
以上より、電流のグラフは右図。

(1) 1個のリングに発生するジュール熱Qは、近づくときと遠ざかるときの2度、時間の間、一定の大きさ電流が流れることに注意して、
磁石が単位時間に通過するリングの個数は(単位長さあたりのリングの個数×1秒に落下する距離)だから、単位時間に発生するジュール熱は、
......[]

(2) 題意より、(1)で求めた単位時間に発生するジュール熱は、エネルギー保存則より、磁石が単位時間に失う位置エネルギーに等しくなります(一定速度で落下するので、運動エネルギーは変化しない)
磁石が単位時間に失う位置エネルギーは、
これを(1)の結果に等しいとおくと、
より、両辺をvで割って、vについて解くと、
......[]

Ⅲ 磁石周囲にできる磁力線の向きが逆になるので、Ⅰ(1)で考察したリングに流れる電流の向きが逆になりますが、磁石のN極とS(従って、磁荷の正負)が入れ替わっているので、磁石に働く力の向きは変わりません
リングに流れる電流の大きさ、磁石が受ける電磁力重力の大きさも、Ⅰ,Ⅱの状況と変わりはなく、Ⅰ,Ⅱと同様に、磁石は一定の速さvで落下します。速さvはⅡ(2)で求めた値と同じ値です。
2-1(a)と同じ速さで落下する。リングの誘導電流の向きが逆になるが、磁石のN極とS極が入れ替わるので磁石が受ける力の向きは変わらず、力の大きさも変わらないから。 ......[]


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  1. 2008/03/22(土) 20:18:51|
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東大物理'07年前期[1](再掲)

東大物理'07年前期[1]

 バイオリンの弦は弓でこすることにより振動する。弓を当てる力や動かす速さの影響を、図11に示すモデルで考えてみよう。長さLの軽い糸を張力Fで水平に張り、糸の中央に質量mの箱を取り付ける。箱は、糸が水平の状態で水平面と接しており、糸の両端を結ぶ線分の垂直二等分線上をなめらかに動くことができる。図11(b)のように、糸の両端を結ぶ線分の中点(太矢印の始点)を箱の変位xの原点とし、太矢印の向きを変位および力の正の向きとする。箱の変位は糸の長さに比べて十分小さく、糸の張力は一定と見なすことができる。図11(c)のように、箱の上には正の向きに一定の速さVで動いているベルトがあり、箱に接触させることができるようになっている。ベルトから見た箱の速度をベルトと箱の相対速度と定義する。ベルトと箱が接触している状態で相対速度が0のとき、ベルトから箱に静止摩擦力が働く。静止摩擦係数をmとする。ベルトから箱に働く動摩擦力および糸と箱に働く空気抵抗を無視する。

Ⅰ ベルトと箱が接触していないときの箱の運動を考える。図11(b)のように、糸の両端を結ぶ線分と糸がなす角をq [rad]とする。必要があれば、1に比べて十分に小さいときに成り立つ近似式を用いてよい。
(1) 糸から箱に働く復元力の大きさをFq を用いて表せ。また、この復元力の大きさをLFxを用いて表せ。
(2) 箱に初期変位か初期速度を与えると、箱は単振動をする。単振動の周期TLFmを用いて表せ。

Ⅱ 箱が単振動をしているとき、ベルトを一定の垂直抗力Nで箱に接触させたところ、ベルトと箱がくっついている状態と滑っている状態が交互に現れた。箱の変位x0,箱の速度がV (すなわち、ベルトと箱の相対速度が0)となる瞬間があり、この瞬間を時間の原点とする。で、箱の変位xは図12に示すように周期的に変化する(2周期分を示している)OPは直線、PQは正弦曲線の一部、QRは直線、OPQRのくり返しである。また、直線OPは点Pで正弦曲線と接している。点Oから点Rまで箱の1周期の運動に要する時間をとする。
(1) の範囲で、(a)箱の速度、(b)ベルトと箱の相対速度、(c)糸から箱に働く復元力、(d)ベルトから箱に働く静止摩擦力、を表す図を、図13()()からそれぞれ選べ。
(2) 箱がベルトに対して滑り始める点Pでの箱の変位sLFmNを用いて表せ。
(3) PQ間では、箱は問Ⅰ(2)で考えた単振動と同じ運動をする。箱の最大変位ALFmVmNを用いて表せ。
(4) ベルトから箱に働く垂直抗力Nを大きくすると、箱の最大変位Aと箱の1周期の運動に要する時間は、それぞれ、大きくなるか、小さくなるか、変わらないか、を理由とともに答えよ。理由の説明に図を用いてよい。

解答 ベルトとの摩擦がある系における単振動は、‘94年前期[1]でも採り上げられていますが、今回の問題の方が、やや頭を悩ませる部分があります。式を立ててきちんとやっていくと時間が足りなくなります。Ⅱ(1)は、グラフを選べば良いだけで、説明も求められていません。出題意図をよくつかんで解答しましょう。

(1) 右図に示すように、箱に働く復元力は、箱の変位の大きさを小さくする向きに、大きさ、 ......[]
より、
......[]

(2) (1)より、箱の加速度aとして、箱の運動方程式は、

これは、角振動数単振動を表します。
単振動の周期Tは、 ......[]

(1)(a) 箱の速度OPでは、ベルトにくっついて動くのでベルトと同じ速度Vで一定です。PQでは、単振動するので、速度時間のグラフも正弦曲線になり、Pの時点の速度Vからだんだんベルトに対して遅くなり、単振動の振動端から逆の振動端まで動いた後に、だんだん速くなって、Qの時点でベルトに追いつき、ベルトとの間が静止摩擦となり、再びベルトとともに速度Vで動くようになります。この状況を表すグラフは、() ......[]

(b) ベルトと箱の相対速度:箱の速度からベルトの速度Vを引いたものが相対速度なので、(a)のグラフをx(縦軸)負方向にVだけ平行移動したグラフになります。このグラフは、() ......[]

(c) 復元力:Ⅰ(1)より、復元力は、と表せます。OPにおいては、箱は、より出発して一定速度Vで動くので、,つまり、復元力は、となり、原点を出発する傾き負の直線です。PQでは、単振動するので、x時間のグラフと同様に、復元力時間のグラフも正弦曲線になります。この状況を表すグラフは、() ......[]

(d) 静止摩擦力OPでは、ベルトと箱の間が滑らず動かないので、ベルトと箱の間の摩擦力静止摩擦力です。静止摩擦力fとして、箱に働くの、糸に垂直な方向の力のつり合いより、

これは、原点を出発する傾き正の直線です。
PQにおいては、ベルトと箱の間は滑っているので、静止摩擦力0です。この状況を表すグラフは、() ......[]

(2) 滑りだす限界における静止摩擦力の大きさはです。このとき、,箱に働くの、糸に垂直な方向の力のつり合いより、
......[]

(3) PQにおいては、動摩擦力を無視するので、力学的エネルギー保存則が成立します(実は、動摩擦力があっても一定で、しかも一方向にのみ動いているときには、力学的エネルギー保存則が成立します。'94年前期[1]はそういう状況の問題でした)
復元力を、バネによる復元力とみなすと、バネ定数は、
Pの時点()では、箱の位置エネルギーは、運動エネルギーは、
振動端(最大変位、つまり、単振動の振幅Aより、)においては、運動エネルギー0で、箱の位置エネルギーは、
よって、力学的エネルギー保存より
(2)の結果を代入して、
......[]
(4) N→大のとき、(3)の結果より、A→大 ......[]
右図にNが小さく、単振動の振幅も小さい場合と、Nが大きく、単振動の振幅も大きい場合の変位時間のグラフを示しました。
箱がベルトにくっついて動くとき、箱は一定速度Vで動くので、グラフは傾きVの直線(右図の赤線)になります。
箱がベルトに対して滑り出すとき、箱の速度Vから急激に変化するのではなく、連続的に変化します。このことは、グラフでは、傾きVの直線(赤線)の部分と正弦曲線になる部分とがなめらかにつながることを意味します。つまり、傾きVの直線は正弦曲線の接線になっています。右図より、振幅の大きい場合(周期)O→振動端の時間は、振幅が小さい場合(周期)→振動端の時間よりも大きく、Ⅰ(2)より単振動の周期は両者で変わらないので、です。つまり、N→大のとき、箱の運動の周期→大 ......[]


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  1. 2008/03/22(土) 20:17:35|
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東大理系数学'07年前期[6](再掲)

東大数学'07年前期[6]

以下の問いに答えよ。
(1) をみたす実数xaに対し、次を示せ。
(2) (1)を利用して、次を示せ。
ただし、2の自然対数を表す。

解答 何でもないように見えるこういう問題が意外と手強かったりします。(2)は、なのですが、示すべき式の範囲が狭いので、うまく行かなければ、後回しにするべきです。ここでは、試験場でハマってしまい、試行錯誤している状況を想定してやってみます。

(1) ABCDEとします。
は、 の範囲において、減少関数であり、そのグラフは下に凸です。
従って、曲線: は、曲線上の2CDを結ぶ線分から下側に来ます。
よって、曲線とt軸,直線:,直線:で囲まれる部分(右図で黄色の部分)の面積は、台形ACDB(右図緑線で囲まれた部分)の面積よりも小さくなります(定積分と面積を参照)
より、
 ・・・①

t微分して、
Eにおける接線は、,整理して、
ここで、とすると、 ()
これより、この接線と直線:は、第1象限において交点Fをもちます。
接線と直線:との交点をGとすると、接線は、曲線:から下側に来るので、台形AGFB(右図橙色の線で囲まれた部分)の面積は、
ところで、Eは線分FGの中点なので、台形AGFBの面積は、Eを通りx軸に平行な直線、x軸、直線:,直線:で囲まれる部分(右図ピンクの長方形で囲まれた部分)の面積に等しく、
 ・・・②

①,②より示せました。

別解  とおくと、
 (定積分と微分を参照)
 ()
よって、において、は増加。

また、 とおくと、
 ()
(積の微分法を参照)
よって、において、は増加。


(2) (1)より、
 ・・・③

目標は、 ・・・④ ですが、
③において、としてみると、
 ・・・⑤
これでは、③は、となり、④を示すことができません。
④を示すためには、 ()としたときに、 より、
かつ
 ( )
⇔  かつ
⇔  かつ
⇔  ・・・⑥
をみたすpを見つけなければいけません。
ですが、 なので、⑥をみたすpは存在しないのです。
これで暗礁に乗り上げます。
つまり、というような置き方では、に限らず、pに何を入れても、
かつ
となるようにできないのです。
これでは、④は証明できません。

問題文には、確かに「(1)を利用して」と書かれているのですが、③をそのまま使ったのでは、④を示すことはできないということです。
そこで、③を変形することを考えます。

③の各辺に、のような形の定数を加えるのでは、bの形の数でない限り、の扱いで困ります。
ですが、という形の数を各辺に加えて、③の中辺をにするくらいなら、③の各辺に、として、定数cをかければよいのです。
こうすると、③は、
 ・・・⑦
となりますが、このときには、をひねり出すために、,つまり、 とおくことになるでしょう。
面倒なので、 ()として、 とおくことにします。
⑦の左の不等号は、 より、
となって欲しいわけですが、整理すると、
,ただし、
この不等式は、では、のとき、左辺が急激に無限大に近づくので成り立ちません。の範囲でもきわどい不等式ですが、としてみると、
となって、不等式が成立します。
これで、③の各辺にをかけた不等式において、 を代入、つまり、
とすれば、④が示せそうだ、ということになります。

ですが、試験場でこんなことをやっていたら、合格はとても無理です。この問題は、最初から とおくことに気づくのでなければ、試験場では断念が賢明です。

解答は、以下のようになるでしょう。

③において、 とおくと、

 (です)
 (です)

各辺に2をかけて、


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東大理系数学'07年前期[5](再掲)

東大数学'07年前期[5]

表が出る確率がp,裏が出る確率がであるような硬貨がある。ただし、とする。この硬貨を投げて、次のルール()の下で、ブロック積みゲームを行う。
  
() 
nを正の整数、mをみたす整数とする。
(1) n回硬貨を投げたとき、最後にブロックの高さがmとなる確率を求めよ。
(2) (1)で、最後にブロックの高さがm以下となる確率を求めよ。
(3) ルール()の下で、n回の硬貨投げを独立に2度行い、それぞれ最後のブロックの高さを考える。2度のうち、高い方のブロックの高さがmである確率を求めよ。ただし、最後のブロックの高さが等しいときはその値を考えるものとする。

解答 東大の確率の問題は易しそうに見えるときの方が正解しにくいのです。場合分けの重複の見落としなどで、すぐに大きな差がついてしまうので、充分に注意してください。この問題も注意力をみるようなタイプの問題です。

以下において、
n回すべて表が出る場合と、1回でも裏が出てブロックを積み直すときとで、分けて考える必要があります。
(1) 一度でも裏が出ると、ブロックの高さはゼロ・クリアされてしまうので、ブロックの高さがmということは、一旦裏が出て、その後、直近m回の硬貨投げでm回連続して表が出ていたということです。
のときは、n回の硬貨投げすべて表ということなので、 ......[]
のときは、回目(それ以前は任意)に裏が出て、その後m回連続して表が出ていたので、 ......[]

(2) のときは、ブロックの高さは最大でnとなり、必ずn以下になるので、 ......[]
のときは、最後にブロックの高さがm以下になる事象の余事象は、ブロックの高さが以上である事象で、直近(それ以前は任意)連続して表が出ていた場合に起こり、この確率はです。余事象の確率なので、 ......[]

の場合については、最後にブロックの高さがk ()となる確率は(1)より、なので、について和をとり、
 (等比数列を参照)
とすることもできます。

(3) 独立な2度の試行では、確率は単にかければよい(独立試行の確率を参照)のですが、2度のうち高い方のブロックの高さがmになるのは、1度目がm2度目がm以下、または、1度目がm以下で2度目がmのどちらかです。この2通りには、1度目も2度目もmという場合が重複しています。

のとき、1度目がn2度目がn以下となる確率は、
1度目がn以下で2度目がnとなる確率も、
1度目も2度目もnとなる確率は、
......[]
のとき、1度目がm2度目がm以下となる確率は、
1度目がm以下で2度目がmとなる確率も、
1度目も2度目もmとなる確率は、

......[]


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東大理系数学'07年前期[4](再掲)

東大数学'07年前期[4]

以下の問いに答えよ。
(1) 実数aに対し、2次の正方行列APQが、5つの条件をみたすとする。ただしである。このとき、が成り立つことを示せ。
(2) aは正の数として、行列を考える。このAに対し、(1)5つの条件をすべてみたす行列PQを求めよ。
(3) n2以上の整数とし、をみたす整数kに対してとおく。行列の積を求めよ。

解答 東大数学では入試技巧など通用しない、というのが、私の持論ですが、こういう問題を見ると、東大理系を目指すのであれば、世間で流通している入試技巧は一通りマスターしていて当然、と言うこともできるのです。
 何の前提知識もなく、行列の定義と基本的な計算原理
(行列を参照)を知っているだけでも、この問題の解答を書くことができますが、スペクトル分解を知っていれば、この問題の解答を10分もかからずに即座に書き下すことができます。
 問題文の
5つの条件を見て、PQAの射影子としての性質を持っている(「スペクトル分解」、「射影子」という用語は、固有ベクトルが直交しているようなときに使うので、この問題では正確には射影子ではありません)ということは知識のある人なら一見してわかってしまいます。すると、この解答をネット上に出すだけで著作権侵害と言われかねないなと思うくらいに、あとは一本道です。わざわざ、こんな前置きを書いているのも、著作権対策、ということで、スペクトル分解について知識があるという前提で考えていきます。

(1) より、


(2) より、
従って、が存在します。(逆行列を参照)

(1)で示した式両辺の右側からをかけて、
 ・・・① (E2次の単位行列)
問題文で与えられた条件: ・・・②

×①-②より、
②-a×①より、 ......[]
このPQ(1)5つの条件をすべてみたします。

(3)
 ・・・③
より、と予測できます。
数学的帰納法によって予測が正しいことを示します。
(I) のとき、②より,よって予測は正しいことがわかります。
(II) のとき予測が正しいとして、
が成り立ちます。
両辺に、を左からかけると、

よって、のときにも予測は正しいことが言えます。
(I)(II)より、予測はn2以上の整数のとき正しいことが示せました。

これを用いて、

......[]


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  1. 2008/03/21(金) 20:40:19|
  2. 東大数学'07年
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東大理系数学'07年前期[3](再掲)

東大数学'07年前期[3]

座標平面上の2PQが、曲線 ()上を自由に動くとき、線分PQ12に内分する点Rが動く範囲をDとする。ただし、のときはとする。
(1) aをみたす実数とするとき、点Dに属するためのbの条件をaを用いて表せ。
(2) Dを図示せよ。

解答 (1) 2PQの座標をとします。問題文の指定より、です。
PQ12に内分する点Rの座標は、です。
より、とおくことができます。つまり、
 ・・・①

①より、qを消去すると、より、
整理すると、
 ・・・②
となり、pに関する2次方程式が得られます。

一方、①より、pを消去すると、より、
整理すると、
 ・・・③
となり、qについても2次方程式が得られます。

このタイプの問題では、②と③が同じ形2次方程式で、2次方程式の2解がpqなのだ、という問題が多いのですが、この問題では、内分比がPQに関して対称にできていないので、pに関する2次方程式②と、qに関する2次方程式③の形が食い違ってしまいます
ここが、この問題の考えにくいところです。

2つの2次方程式の意味を考えてみます。点Rを通過する直線と曲線との交点を考えます。2交点できたとして、R2交点を結ぶ線分を12に内分する点です。2交点のうちRに近い方の点をP,遠い方の点をQとして、②はPx座標を求める2次方程式、③はQx座標を求める2次方程式になっています。
特別な場合として、Rが曲線上に来る場合は、と考えよう、と、問題文は言っているわけです。

を通過する直線とは共有点をもちます。少なくとも、②,③は実数解を持たなくてはいけないので、判別式はともに0以上です(2次方程式の一般論を参照)
②の判別式:

③の判別式:

どちらも同じ結果となりましたが、この不等式は、PQを曲線上の点とするとき、PQ12に内分する点が、この曲線から上側になければならないことを意味しています。

より、


以上より、点Rは右図1の黄緑色の範囲内のどこかに存在します(従って、領域Dは黄緑色の範囲に含まれるはずです)

以下、右図24では、PQy座標について、となる場合を書いてありますが、となる場合もあり得ることに注意してください。

Rを通過する直線と曲線との2交点の、片方は点Rからy座標の小さい側、もう片方は大きい側にできることに注意してください(直線がx軸に平行な場合は、2交点のy座標はRy座標bに一致します)
(i) まず、右図2のような状況を考えると、点Rを通過する直線と曲線との交点をPQとして、RPQ12に内分する場合が2通りあり、そのいずれも、PQは曲線のの部分に来ます。この状況を(A)とします。
(ii) 右図3のような状況を考えると、RPQ12に内分し、PQとも曲線のの部分に来る場合は1通りです。このとき、Px座標pについて、を満たすものが2通りQx座標qについて、を満たすものが1通りであることに注意してください。この状況を(B)とします。
ただし、この場合、PQのどちらかのy座標はRy座標以下なので、Pの座標pについて、を満たすものが1通りQの座標qについて、を満たすものも1通り、ということは起こりえないことにも注意してください。
(iii) 右図4のような状況を考えると、RPQ12に内分し、PQとも曲線のの部分に入っている場合はありません。ですが、この場合にも、Px座標pについて、を満たすものが2通りあるのです。ですが、どちらの場合も、Qx座標qについて、が満たされないことに注意してください。

何が言いたいかと言うと、だからと言って、2次方程式②がの範囲に実数解を持っていても、PQがともに曲線のの部分にくるとは限らないのです。
これが、この問題のポイントです。単なる「2次方程式の解の配置」の問題ではありません。

問題文の指定に適するのは、上記の状況(A)と状況(B)の場合です。

状況(A)においては、2次方程式②,③ともに、の範囲に2個の実数解を持ちます。
状況(B)においては、2次方程式は、の範囲に、②,③のうち、一方が2個の実数解をもち、他方が1個の実数解を持ちます(とは限らないので、③が2個の実数解をもつ場合も検討する必要があります)。②,③がともに1個の実数解をもつ、ということはありません。
Rが曲線上に来るときも含めるので、「2個の実数解」の場合には重解の場合を含みます。

既に見たように、②,③とも、実数解を持つ条件は、 ・・・④
以下、この条件下で考えます。

p2次方程式②が、の範囲に2実数解を持つのは、として、,かつ、,かつ、,よって、(2次方程式の解の配置を参照)
より、

以上合わせて、 かつ かつ  ・・・⑤

p2次方程式②が、の範囲に1実数解を持つとき、,よって、(中間値の定理を参照)
 ・・・⑥

q2次方程式③が、の範囲に2実数解をもつのは、として、,かつ、,かつ、,よって、
より、

以上合わせて、 かつ かつ  ・・・⑦

q2次方程式③が、の範囲に1実数解を持つとき、,よって、
 ・・・⑧

状況(A)は、④かつ⑤かつ⑦
状況(B)は、④かつ⑤かつ⑧,または、④かつ⑥かつ⑦
ここで、④かつ⑥かつ⑦を満たすのは、のみで、④かつ⑤かつ⑦の場合に含まれます。

よって、求める条件は、④かつ⑤かつ“⑦または⑧”

Dを図示したときの境界線は、
 ・・・(a)
 ・・・(b)
 ・・・(c)
 ・・・(d)
 ・・・(e)
2式ずつ選んで連立して解くと(だけ考えればOKです)
(a)(b)(d)が、において接していること、
(a)(c)(e)が、において接していること、
(b)(c)が、で交わっていること、
(d)(e)が、で交わっていること、
(b)(e)が、で交わっていること、
(c)(d)が、で交わっていること
がわかります。

これより、求める条件は、
のとき、
のとき、
のとき、
のとき、 ......[]

(2) 領域Dを図示すると、右図の黄緑色部分(境界線を含む)



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  1. 2008/03/21(金) 20:39:24|
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東大理系数学'07年前期[2](再掲)

東大数学'07年前期[2]

n2以上の整数とする。平面上に個の点O,・・・,があり、次の2つの条件をみたしている。
①  () ()
② 線分の長さは1,線分の長さはである。
線分の長さをとし、とおくとき、を求めよ。

解答 この問題を落とすようでは、東京大学で学ぼうなどと思わないで欲しい、という問題です。

まず、
,・・・,は、すべて、2角が等しい三角形で相似であることに気づく必要があります。となれば、相似比を考えて、
・・・
1 ・・・
・・・
よって、として、数列等比数列であり、
これで、とするのですから、極限の公式を使う問題なのだろう、というストーリーが見えてきます。
は、単に等比数列の和に過ぎません。公式を用いて、
 ・・・③

において、余弦定理より、
③に代入して、
 ( 極限の公式を参照)

......[]


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  1. 2008/03/21(金) 20:35:08|
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東大理系数学'07年前期[1](再掲)

東大数学'07年前期[1]

nkを正の整数とし、を次数がn以上の整式とする。整式n次以下の項の係数がすべて整数ならば、n次以下の項の係数は、すべて整数であることを示せ。ただし、定数項については、項それ自身を係数とみなす。

解答 素直に数学的帰納法で考える場合には、kについての帰納法にするのが最もラクなようです。

とし、nを固定して考えます。
(I) のとき、m次式()だとして、とします。
これのn次以下の項の係数がすべて整数、つまり、,・・・,がすべて整数だとすると、,・・・,はすべて整数です。
よって、題意が成り立ちます。

(II) のとき、題意が成り立つとします。つまり、
n次以下の項がすべて整数ならば、n次以下の項の係数はすべて整数だとします。・・・()
のとき、n次以下の項がすべて整数だとすると、()より、n次以下の項の係数はすべて整数です(題意では、は次数がn以上の整式という制約しかないので、()と読み替えています)
であれば、(I)より、,・・・,はすべて整数です。
よって、このときも題意は成立します。

(I)(II)より、すべての正の整数kについて、題意は成立します。 (証明終)

問題文を見て、nについての帰納法にするか、kについての帰納法にするか、の次数についての帰納法にするか、だろうと、誰でも考えると思います。
たぶん、合格した受験生の大半は上記の方針でやっていると思いますが、ここでは、問題の中身が見えるように、もっと、直接的に考えてみます。

二項定理より、 ()として、
の係数は、となるところから出てきますが、
の係数は、となるところから出てきますが、
の係数は、となるところから出てきますが、
・・・・・・
の係数は、となるところから出てきますが、
ただし、なので、こう書けるためには、でなければいけません。
になってしまうと、と書けなくなります。

のときには、となるためには、を満たすに対応して、となります(の部分は出てきません)。このときのの係数は、

従って、題意を証明するためには、kをある与えられた正整数だとして、
の場合には、,・・・,がすべて整数であるとき、,・・・,もすべて整数であること、
の場合には、,・・・,がすべて整数であるとき、,・・・,もすべて整数であること
を示せばよいことになります。

の場合には、,・・・,
の場合には、,・・・,
は、すべて整数です。
従って、
が整数であれば、も整数です。
の場合には、,・・・,
の場合には、,・・・,
が整数であれば、も整数です。
よって、帰納的に、
,・・・,はすべて整数です。 (証明終)

後者の考え方でも、試験会場で充分に実用的ですが、実際にやってみると、予備校講師のようなプロならともかく、答案の形にまとめるのに苦労します。
何となくつかめてはいるのだけれど、あと
何をどう整理すればよいのか混乱する、というタイプの問題なのです。
方針転換が道草になる、ということもあるのですが、この問題では、
10分から15分くらいで、前者の考え方に方針転換すれば、10分かからないで答案をまとめることができると思います。


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  1. 2008/03/21(金) 20:33:22|
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京大物理'08年前期[3]

京大物理'08年前期[3]

次の文を読んで、  には適した式または数値を、{  }には図3から適切なものを選びその番号を、それぞれの解答欄に記入せよ。また、問1,問2では指示にしたがって、解答をそれぞれの解答欄に記入せよ。

電磁波の一種であるγ線の放射と測定について考察しよう。物質を構成する原子は電子と原子核からなり、原子核の内部のエネルギーが高い状態から低い状態に移るときに、原子核からγ線が放射される。以下では、電子の質量は原子核の質量と比較して非常に小さいため、無視できるものとする。
振動数
fの電磁波は、ある一定のエネルギーをもった粒子の集まりと考えることができ、その粒子を光子という。光子1個のエネルギーは,運動量は電磁波の進む向きにの大きさであることがわかっている。ここで、hはプランク定数とよばれる定数であり、cは光速である。
以下において、原子核の内部のエネルギー状態には、励起状態とよばれるエネルギーの高い状態と基底状態とよばれるエネルギーの最も低い状態の
2つがあるものとする。励起状態のエネルギーを,基底状態のエネルギーをとし、そのエネルギー差をとする。
まず、質量Mの原子核1個によるγ線放射を考える。原子核が励起状態から基底状態に移るときに、γ線の光子が1個放射される。静止していた原子核は、図1のようにγ線放射の反作用により速さvで動き出す。速さvの原子核の運動エネルギーと運動量の大きさは、原子核が基底状態にあるか励起状態にあるかに関わりなく、それぞれとしてよい。また、原子核の全エネルギーは内部のエネルギー(または)と原子核の運動エネルギーの和で与えられる。よって原子核から振動数のγ線が放射される場合、エネルギー保存則はを用いて あ ,運動量保存則は い と書くことができる。ここで、に比べ充分に小さいことがわかっている。絶対値が1より充分に小さい数d に対して成り立つ近似式を用いると、Mchを用いて う となる。
次に、この原子核をもつ原子
N個で構成されている静止した結晶からのγ線光子1個の放射を考える。この結晶の質量はで与えられる。以下では、結晶は充分低温であるものとし、原子核が結晶中に固定され、γ線を放射する原子核はその反作用を受けても結晶中に固定されたままであるとする。この場合、γ線放射の反作用は結晶全体で受け止められ、結晶が速さで動き出すものとする。このときの放射γ線の振動数MNchを用いて え となる。また、構成する原子数が無限大とみなせる大きい結晶の場合、放射されるγ線の振動数はとなる。

1 原子N個で構成されている静止した結晶からのγ線光子1個の放射について、エネルギー保存則と運動量保存則を記述せよ。さらにNが無限大とみなせるとき、エネルギー保存則において結晶の運動エネルギーの項がその他の項に比べて無視でき、その結果、放射γ線の振動数がとなることを説明せよ。

同様の考察により、同じ種類の原子で構成されている静止した大きい結晶にγ線を当てると、この結晶は振動数のγ線のみをよく吸収することがわかっている。このような結晶をここでは吸収体とよぶ。

次に、図2のような実験装置を用いたγ線の測定を考えよう。
γ線源は同じ種類の
N個の原子で構成された結晶多数からなり、振動数のγ線を一定の強度(単位時間当たりに放射されるγ線の光子数)で放射するものとする。吸収体を乗せた台車を水平な床の上におき、図2のように左端を床に固定したばねにつなぐ。γ線源は台車から充分に遠方に置かれ、γ線は吸収体付近で図2x軸に平行に進むものとする。吸収体の表面はx軸に垂直である。吸収体は、振動数以外の振動数のγ線を通過させるが、振動数のγ線を完全に吸収するものとする。吸収体の後方の床上にγ線強度測定器を設置する。吸収体からのγ線放射は無視できるものとする。
ばねを自然の長さのときの位置
OからAだけ伸ばして、時刻に静かに放すと、台車はx軸に平行に角振動数wで単振動する。以下では、吸収体の運動により、吸収体中で観測されるγ線の振動数は音波のドップラー効果と同じ変化をするものとする。なお、吸収体の屈折率によるγ線の速度の変化は無視できるものとする。この場合、γ線の波長をlとすると、吸収体が速さVで運動しているときは、静止しているときに比べ、単位時間当たりに吸収体に到達する波の数がだけ変化する。よって、時刻tにおいての関係がある。(lVを用いずに表せ。)
台車が動き始めてから時刻で突然、測定器で測定されるγ線強度が変化した。に一致したからである。絶対値が1より充分小さい数d に対して成り立つ近似式を用いると、の満たす条件は か である。(を用いずに表せ。)
ここで、の原子核のγ線放射において、のときにで測定されるγ線強度が変化したとする。なお、とする。このときのwを有効数字1けたで求めると き rad/sである。また、台車が一周期単振動するとき、想定されるγ線強度との関係は図3{ く }のように予想される。

2 図3{ く }を選択した理由を記述せよ。

解答 光子が出てくるので原子分野の問題のようにも見えますが、光子の定義、光子1個のエネルギー,運動量の大きさが与えられているので、原子分野を履修していなくても解答できます。むしろ、ドップラー効果運動量保存則エネルギー保存則の融合問題と言うべきでしょう。

() 原子核がはじめに持っているエネルギー,γ線放出後、原子核が持っているエネルギー運動エネルギーでγ線光子の持っているエネルギーより、
エネルギー保存則
......[]
() はじめ原子核は静止していたので運動量0,右向き正として、γ線放出後の原子核の運動量,γ線光子の運動量より、
運動量保存則 ......[]
() ()の結果より、
これを()の結果に代入すると、


より、

......[]
() 上記において、とすることにより、
......[]

1 ()()について、MNMvとして、
エネルギー保存則 ・・・(1)
運動量保存則 ・・・(2)
(2)より、
これを(1)に代入すると、
()と同様にすれば、これより、()で、として、
が得られたことが確認できます。ここで、とすると、より、
が得られます。

()吸収体の時刻tにおける位置は、 (単振動を参照)
吸収体の時刻tにおける速度は、
吸収体の速度Vのとき、吸収体中で観測されるγ線の振動数は、γ線のもとの振動数からだけずれます。なら (波源から遠ざかるときは振動数→小)なら (波源に近づくときは振動数→大)に注意して、
両辺をで割り、を用いると、
 (ドップラー効果の公式を使えばすぐにこう書けます)
......[]
() ()の結果で、とおくと、
()の結果で、として、
 (3)
は微小量なので、
(3)に代入し、

......[]
() ()の結果に数値代入すると、
これより、
0.6 ......[]
() を満たすのは、においては、のときです。
このとき、吸収体でγ線が完全に吸収されてしまうので、γ線強度測定器で観測されるγ線強度は0です。これ以外の時には、γ線は吸収体を通過してγ線強度測定器に到達するので、一定量のγ線が観測されます。
......[]

2 γ線は、のとき吸収体に完全に吸収され、それ以外のときにはγ線強度測定器に到達するから ......[]


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  1. 2008/03/20(木) 03:43:33|
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京大物理'08年前期[2]

京大物理'08年前期[2] 京大物理'08年前期[2]

次の文を読んで、  には適した式または数値を、  には適切なグラフを、{  }からは適切なものを選びその番号を、それぞれの解答欄に記入せよ。なお、  はすでに  で与えられたものと同じ式を表す。また、問1,問2では指示にしたがって、解答をそれぞれの解答欄に記入せよ。

2のように、幅w,長さの長方形の2枚の極板ABが間隔dで向かい合わせに配置された平行板コンデンサーを考える。不導体(絶縁体)で作られた水平でなめらかな台の上に極板ABは固定されており、その間にあらかじめ帯電していない幅wの直方体の金属板が極板ABと接触しないように挿入されている。これらはすべて不導体の気体中にあり、その気体の誘電率をeとする。極板は図1のように起電力Vの電池と接続されている。
2は図1を台の上方から見たものである。金属板は厚さc,長さLであり、極板に平行に極板Aから距離b離れ、コンデンサーの左端から長さXだけ挿入されている。ここで図2の右側に示すようにx軸,y軸を定義し、図2の右向きをxの正方向、上向きをyの正方向とする。以下では、極板と金属板の端における電場(電界)の乱れは無視でき、電場は全てyの正方向のみを向いているとする。
このコンデンサーは、図
2に「部分Ⅰ」として極板間に金属板が存在しない部分と、「部分Ⅱ」として示した極板間に金属板が存在する部分の2つの並列コンデンサーとみなすことができる。このコンデンサーに蓄えられたエネルギーは イ である。

このコンデンサーの部分Ⅰについてyの正方向の電位の変化をグラフに表すと、図3のようになる。図3では、極板Aからの距離を横軸yにとり、極板Bの電位を0とした。この図を参考に、部分Ⅱについてyの正方向の電位の変化をグラフに表すと ロ のようになる。(グラフにはでの電位を式で記入せよ。)

このコンデンサーの部分Ⅰに蓄えられたエネルギーを部分Ⅰの極板間の電場の強さEを用いて表すと、 ハ ×となる。は部分Ⅰの極板間の空間の体積であるから、その空間には単位体積あたり ハ のエネルギーが蓄えられていると考えることができる。このように考えた場合、部分Ⅱの極板間の金属板内に蓄られる単位体積あたりのエネルギーは ニ となる。
ところで、図
2の金属板には静電気力がはたらくことがわかっている。このことをつぎのように調べてみよう。ここで、電池の内部抵抗、電池とコンデンサーの間の配線の電気抵抗、金属板内部の電気抵抗、金属板と台の間の摩擦はいずれも無視できるものとする。
まず、金属板にはたらく静電気力の
x軸に平行な成分について考えよう。静電気力のx軸に平行な成分につりあう外力を金属板に加え、極板Aからの距離bを保ったまま、極板間に存在する金属板の長さをXからまで微小変化させたとしよう。このときのコンデンサーに蓄えられたエネルギーの変化量は ホ である。また、この間に電池がした仕事は ホ × ヘ である。コンデンサーに蓄えられたエネルギーの変化量から電池のした仕事を引いたものが、外力が金属板にした仕事に等しい。このことから、金属板にはたらく静電気力のx軸に平行な成分の大きさを求めると ホ ÷ ト となる。また、その方向は{ チ:① xの正方向 ② xの負方向 }である。

1 金属板にはたらく静電気力のy軸に平行な成分の大きさはいくらか。その理由とともに記述せよ。

のとき、の金属板をとして極板間に挿入した。このときに金属板にはたらく静電気力のx軸に平行な成分の大きさを有効数字2けたで求めると、 リ  Nとなる。

2 図2の金属板の代わりに、外形はまったく同じでその内部が空洞になっている金属箱を極板間に挿入することにする。また、その空洞内には誘電率eの不導体の気体が入っているとする。この金属箱にはたらく静電気力のx軸およびy軸に平行な成分は、図2の金属板を用いたときに比べ、それぞれどう変化するか。その理由とともに記述せよ。

解答 少々計算が面倒ですが、コンデンサーの問題としては標準的なタイプの問題です。

() 部分Ⅰの横の長さ,部分Ⅰの面積,部分Ⅰの静電容量です。
部分Ⅱは金属板が挿入されていますが、金属板はA側とB側にできている2個のコンデンサーを接続しているだけであって、静電容量への寄与はありません。部分Ⅱの面積です。金属板とAとの間にできているコンデンサーの静電容量,金属板とBとの距離で、この部分にできているコンデンサーの静電容量直列接続の合成容量は、

Cに蓄えられたエネルギーUは、
......[]
() 両端の電圧として、に蓄えられる電気量は等しく、より、

このが、での電位(における電位)になります。金属板とA (),金属板とB ()の間の部分については、一様な電界(電場)ができるため、電位は距離に対して直線的に変化します(電位・電圧を参照)
問題文のグラフ(3)で、位置yにおける電位vとして、を結ぶ直線の式は、
ここで、とすると、



より、
よって、部分Ⅱにおけるy方向の電位の変化をグラフに表すと、右図のようなグラフになります。
() 部分Ⅰの電界(電場)の強さは静電エネルギーは、
......[]
問題文中にあるように、誘電率eの物質が充満している空間内に一様な電界Eがあるときの単位体積当たりのエネルギー(エネルギー密度)は、になります。
() 電流が流れていない金属板の中に電界(電場)は生じません。従って、金属板内に蓄えられる単位体積あたりのエネルギーは、0 ......[] です。
() ()の結果において、Xとすると、そのときの静電エネルギーは、
()の結果を引くことにより、この間にコンデンサーに蓄えられたエネルギーの変化量は、
......[]
() ()の状況下でコンデンサーが蓄えている電気量のときのコンデンサーの静電容量として、コンデンサーが蓄えている電気量
Xの間にコンデンサーに供給された電気量
()の結果はと書けるので、この間に電池が供給した仕事は、
2 ......[]
() 電池が供給した仕事は、コンデンサーの静電エネルギーの増加分と金属板に対して電池がした仕事になります。ということは、電池が金属板に対してした仕事です(コンデンサーの過渡現象を参照)
極板Aには正電荷、金属板のAと対向する側には負電荷が蓄えられ、極板Bには負電荷、金属板のBと対向する側には正電荷が蓄えられるので、極板ABと金属板の間には引力となる静電気力(x軸正方向を向く)が働きます。
電池が金属板にした仕事は、極板ABと金属板との間に働く静電気力がする仕事です。静電気力がする仕事は、静電気力に逆らう外力がした仕事にマイナスをつけたものになります。外力の大きさをFとして、極板ABと金属板との間には引力が働いているので、これに逆らう外力の向きがx軸負方向であることを考慮し、外力がした仕事です。従って、

 ・・・()
......[]
() 上記より、静電気力の向きはx軸正方向で、① ......[]

1 ()の結果によると、コンデンサーの静電エネルギーXの関数であってyには依存せず、金属板がy方向に微小距離移動しても静電エネルギーは変化しません。よって、静電気力y軸に平行な成分の大きさについて、
......[] (位置エネルギーを参照)

() ()式より、静電気力x軸に平行な成分の大きさは、
[N]
......[]

2 ()式は、金属板の内部形状には依存せず、表面が金属でありさえすれば成立します。従って、金属箱に働く静電気力x軸およびy軸に平行な成分は、変化しません。
変化しない。()の結果は、金属板でも金属箱でも変わらないから。 ......[]


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京大物理'08年前期[1]

京大物理'08年前期[1] 京大物理'08年前期[1]

次の文を読んで、  には適した式または数値を、{  }からは適切なものを選びその番号を、それぞれの解答欄に記入せよ。なお、  はすでに  または{  }で与えられたものと同じものを表す。また、問1,問2では指示にしたがって、解答をそれぞれの解答欄に記入せよ。

以下の設問では、向心力を受けて円運動する物体について摩擦力による速さの変化を考える。その際、さまざまな物理量の微小な変化を調べる。

(1) 1のように、なめらかな台の上に置かれた質量mの物体が、ひもにつながれている。ひもは台の中心Oに開けられたなめらかな小さな穴を貫通し、ばねにつながれている。さらにばねの下端は下側の台に固定されている。この物体は半径r,速さvの等速円運動をしている。ばね定数はbであり、ばねとひもの質量は無視してよいものとする。また、物体が点Oにあるとき、ばねの長さが自然の長さであるようになっている。
この等速円運動に対する運動方程式は ア となる。物体の運動エネルギーは,ばねの弾性力の位置エネルギーはで与えられる。このとき運動方程式から運動エネルギーKと位置エネルギーVの間に

という関係が成り立つことが分かる。
(2) 次に、この物体に速度と逆方向に摩擦力が作用した場合を考える。摩擦力の大きさDは一定とする。ばねの力に比べて非常に小さい摩擦力が作用したため、図2のように軌道がわずかに円運動から変化したとしよう。そのため、物体の速度は(1)で考えた速度と厳密には異なっている。ただし、摩擦力が非常に小さい場合には、速度の差はわずかであるので無視してよいものとする。物体の速さをvとすると、図2のように微小な時間の間の移動距離はで与えられる。この移動の結果、物体と点Oとの距離はrからに変化する。実際にはrに比べてその変化は非常に小さいが、この図では微小な変化を強調している。また、物体の運動方向とばねによる向心力の間の角度aよりわずかに小さい。
この微小な時間の間に生じる運動エネルギーの微小な変化は、ばねの力による仕事と摩擦力による仕事で決まるので、( ウ )×と与えられる。が微小であることより、が成り立つとする。運動エネルギーの微小な変化のうち、ばねによる仕事は、半径の微小な変化に比例する形で エ と表される。このばねによる仕事と位置エネルギーの微小な変化の関係を調べよう。軌道の半径がrからに微小に変化する間に、位置エネルギーは


だけ微小に変化する。上式の最後の行では、微小な変化2次の項を無視している。このように、本問題では微小な変化の2次の項は無視してよい。したがって運動エネルギーの微小な変化のうち、ばねによる仕事の部分は{オ:① +1, ② -1, ③ +, ④ -}となる。また摩擦力による仕事は、微小な時間に比例する形で カ と表すことができる。したがって、の間に生じる力学的エネルギーの微小な変化
 カ    (i)
と与えられる。
摩擦力が非常に小さいので、物体は近似的に円運動を保ちながら、少しずつ速さと半径が変化していくとする。このとき関係式 イ は成り立っていると考えてよい。したがって、微小な変化についても、同じ関係を保ちながら、力学的エネルギーが カ と微小に変化していくので、運動エネルギーの微小な変化は
 キ ×( カ )   (ii)
となる。(注: キ には適切な数値を入れなさい。)

(3) 上の(2)では微小な時間の間の運動エネルギーの微小な変化を求めた。この間に、物体の速さはvからに変化するので、運動エネルギーの微小な変化はとも表せる。この式と式(ii)より、物体の速さvの変化率は
 ク    (iii)
と与えられる。式(iii)は直線上の等加速度運動と同じ形をしている。時刻での物体の速さをとすると、時刻tでの物体の速さは ケ となる。

(4) これまでは、物体がばねの力と小さい摩擦力を受けて近似的に円運動する場合を考えてきた。今度は、図3のように、質量Mの地球の周りを運動する質量mの人工衛星について、これまでと同じような計算を行う。地球の中心から人工衛星までの距離をrとする。人工衛星には地球からの万有引力と、大気から受ける小さい空気抵抗力が作用している。ただし、人工衛星の質量mは地球の質量Mに比べて非常に小さいため地球は動かないとしてよい。さらに、地球と人工衛星の大きさは無視してよいものとする。
まず、空気の抵抗力がはたらいていないとする。人工衛星は速さv,半径rの等速円運動をしている。万有引力定数をGとすると運動方程式はとなる。また、万有引力による位置エネルギーはであることが知られている。このとき運動方程式から、運動エネルギーKと位置エネルギーVの間の関係式

が得られる。
次に、(2)(3)における摩擦力と同様に人工衛星に空気の抵抗力が作用した場合を考える。ここで空気の抵抗力は、速度と逆方向にはたらく、大きさDの一定の力として取り扱う。ただし、空気の抵抗力は非常に小さく、人工衛星は近似的に円運動しているとみなしてよいものとする。

1 人工衛星の場合にも、(2)と同様に、運動エネルギーの微小な変化は万有引力と空気の抵抗力による仕事で与えられる。このことから、人工衛星の力学的エネルギーの微小な変化に対して式(i)が成り立つことを、計算過程も含めて示しなさい。ただし、半径がrからに変化するとき、位置エネルギーの微小な変化は
という近似式で与えられる。

2 上の問1の結果と、微小な変化に対しても関係式 コ と同じ関係が成り立つことを用いて、式(iii)に対応する人工衛星の速さvの変化率を表す方程式を計算過程も含めて導きなさい。また抵抗力により、人工衛星が加速されるか、減速されるか、変化しないか、いずれであるかを、その理由とともに答えなさい。

解答 易しそうに見えて、受験生の泣き所を突いている問題です。

(1)() Oと物体の距離rなので、ばねの伸びrで、ばねの弾性力の大きさは,これが、等速円運動向心力となり、運動方程式は、
......[]
() ()の結果より、
......[]

(2)() 大きさD摩擦力と逆向きに移動し、摩擦力は負の仕事をします。大きさのばねの弾性力の方向に移動するので、ばねの弾性力のする仕事です。エネルギーの原理より、運動エネルギーの微小変化は、
......[]
() ......[]
() より、ばねによる仕事は、となります。
......[]
() 摩擦力による仕事は、 ......[]
() ()より、

......[]

(3)() より、

より、

......[]
() 等加速度運動加速度だから、等加速度運動の公式より、
......[]

(4)() 問題文中の運動方程式:より、
これより、となり、④ ......[]

1 大きさD摩擦力のする仕事,大きさ万有引力がする仕事,よって、運動エネルギーの変化は、
位置エネルギーの変化は、問題文中の式より、

2 ()の結果より、
1の結果より、
を使って、

のとき、より、抵抗力によって、人工衛星は、加速される ......[]
ばねの弾性力では摩擦力により減速されるのに、万有引力では加速されるので不思議な気がします。弾性力の場合には、運動エネルギーの変化と弾性力位置エネルギーの変化が等しくなる()のに対し、万有引力の場合には、運動エネルギー万有引力位置エネルギーの符号が逆になる()からです。


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  1. 2008/03/17(月) 21:02:53|
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京大理系数学'08年前期乙[6]

京大理系数学'08前期乙[6]

地球上の北緯東経の地点をA,北緯東経の地点をBとする。AからBに向かう2種類の飛行経路を考える。は西に向かって同一緯度で飛ぶ経路とする。は地球の大円に沿った経路のうち飛行距離の短い方とする。に比べては飛行距離が3%以上短くなることを示せ。ただし地球は完全な球体であるとし、飛行機は高度0を飛ぶものとする。また必要があれば、この冊子の5ページと6ページの三角関数表を用いよ。
注:大円とは、球を球の中心を通る平面で切ったとき、その切り口にできる円のことである。

三角関数表(1)
正弦(sin)余弦(cos)正接(tan)正弦(sin)余弦(cos)正接(tan)
0.0°0.0000 1.0000 0.0000 22.5°0.3827 0.9239 0.4142
0.5°0.0087 1.0000 0.0087 23.0°0.3907 0.9205 0.4245
1.0°0.0175 0.9998 0.0175 23.5°0.3987 0.9171 0.4348
1.5°0.0262 0.9997 0.0262 24.0°0.4067 0.9135 0.4452
2.0°0.0349 0.9994 0.0349 24.5°0.4147 0.9100 0.4557
2.5°0.0436 0.9990 0.0437 25.0°0.4226 0.9063 0.4663
3.0°0.0523 0.9986 0.0524 25.5°0.4305 0.9026 0.4770
3.5°0.0610 0.9981 0.0612 26.0°0.4384 0.8988 0.4877
4.0°0.0698 0.9976 0.0699 26.5°0.4462 0.8949 0.4986
4.5°0.0785 0.9969 0.0787 27.0°0.4540 0.8910 0.5095
5.0°0.0872 0.9962 0.0875 27.5°0.4617 0.8870 0.5206
5.5°0.0958 0.9954 0.0963 28.0°0.4695 0.8829 0.5317
6.0°0.1045 0.9945 0.1051 28.5°0.4772 0.8788 0.5430
6.5°0.1132 0.9936 0.1139 29.0°0.4848 0.8746 0.5543
7.0°0.1219 0.9925 0.1228 29.5°0.4924 0.8704 0.5658
7.5°0.1305 0.9914 0.1317 30.0°0.5000 0.8660 0.5774
8.0°0.1392 0.9903 0.1405 30.5°0.5075 0.8616 0.5890
8.5°0.1478 0.9890 0.1495 31.0°0.5150 0.8572 0.6009
9.0°0.1564 0.9877 0.1584 31.5°0.5225 0.8526 0.6128
9.5°0.1650 0.9863 0.1673 32.0°0.5299 0.8480 0.6249
10.0°0.1736 0.9848 0.1763 32.5°0.5373 0.8434 0.6371
10.5°0.1822 0.9833 0.1853 33.0°0.5446 0.8387 0.6494
11.0°0.1908 0.9816 0.1944 33.5°0.5519 0.8339 0.6619
11.5°0.1994 0.9799 0.2035 34.0°0.5592 0.8290 0.6745
12.0°0.2079 0.9781 0.2126 34.5°0.5664 0.8241 0.6873
12.5°0.2164 0.9763 0.2217 35.0°0.5736 0.8192 0.7002
13.0°0.2250 0.9744 0.2309 35.5°0.5807 0.8141 0.7133
13.5°0.2334 0.9724 0.2401 36.0°0.5878 0.8090 0.7265
14.0°0.2419 0.9703 0.2493 36.5°0.5948 0.8039 0.7400
14.5°0.2504 0.9681 0.2586 37.0°0.6018 0.7986 0.7536
15.0°0.2588 0.9659 0.2679 37.5°0.6088 0.7934 0.7673
15.5°0.2672 0.9636 0.2773 38.0°0.6157 0.7880 0.7813
16.0°0.2756 0.9613 0.2867 38.5°0.6225 0.7826 0.7954
16.5°0.2840 0.9588 0.2962 39.0°0.6293 0.7771 0.8098
17.0°0.2924 0.9563 0.3057 39.5°0.6361 0.7716 0.8243
17.5°0.3007 0.9537 0.3153 40.0°0.6428 0.7660 0.8391
18.0°0.3090 0.9511 0.3249 40.5°0.6494 0.7604 0.8541
18.5°0.3173 0.9483 0.3346 41.0°0.6561 0.7547 0.8693
19.0°0.3256 0.9455 0.3443 41.5°0.6626 0.7490 0.8847
19.5°0.3338 0.9426 0.3541 42.0°0.6691 0.7431 0.9004
20.0°0.3420 0.9397 0.3640 42.5°0.6756 0.7373 0.9163
20.5°0.3502 0.9367 0.3739 43.0°0.6820 0.7314 0.9325
21.0°0.3584 0.9336 0.3839 43.5°0.6884 0.7254 0.9490
21.5°0.3665 0.9304 0.3939 44.0°0.6947 0.7193 0.9657
22.0°0.3746 0.9272 0.4040 44.5°0.7009 0.7133 0.9827
22.5°0.3827 0.9239 0.4142 45.0°0.7071 0.7071 1.0000


三角関数表(2)
正弦(sin)余弦(cos)正接(tan)正弦(sin)余弦(cos)正接(tan)
45.0°0.7071 0.7071 1.0000 67.5°0.9239 0.3827 2.4142
45.5°0.7133 0.7009 1.0176 68.0°0.9272 0.3746 2.4751
46.0°0.7193 0.6947 1.0355 68.5°0.9304 0.3665 2.5386
46.5°0.7254 0.6884 1.0538 69.0°0.9336 0.3584 2.6051
47.0°0.7314 0.6820 1.0724 69.5°0.9367 0.3502 2.6746
47.5°0.7373 0.6756 1.0913 70.0°0.9397 0.3420 2.7475
48.0°0.7431 0.6691 1.1106 70.5°0.9426 0.3338 2.8239
48.5°0.7490 0.6626 1.1303 71.0°0.9455 0.3256 2.9042
49.0°0.7547 0.6561 1.1504 71.5°0.9483 0.3173 2.9887
49.5°0.7604 0.6494 1.1708 72.0°0.9511 0.3090 3.0777
50.0°0.7660 0.6428 1.1918 72.5°0.9537 0.3007 3.1716
50.5°0.7716 0.6361 1.2131 73.0°0.9563 0.2924 3.2709
51.0°0.7771 0.6293 1.2349 73.5°0.9588 0.2840 3.3759
51.5°0.7826 0.6225 1.2572 74.0°0.9613 0.2756 3.4874
52.0°0.7880 0.6157 1.2799 74.5°0.9636 0.2672 3.6059
52.5°0.7934 0.6088 1.3032 75.0°0.9659 0.2588 3.7321
53.0°0.7986 0.6018 1.3270 75.5°0.9681 0.2504 3.8667
53.5°0.8039 0.5948 1.3514 76.0°0.9703 0.2419 4.0108
54.0°0.8090 0.5878 1.3764 76.5°0.9724 0.2334 4.1653
54.5°0.8141 0.5807 1.4019 77.0°0.9744 0.2250 4.3315
55.0°0.8192 0.5736 1.4281 77.5°0.9763 0.2164 4.5107
55.5°0.8241 0.5664 1.4550 78.0°0.9781 0.2079 4.7046
56.0°0.8290 0.5592 1.4826 78.5°0.9799 0.1994 4.9152
56.5°0.8339 0.5519 1.5108 79.0°0.9816 0.1908 5.1446
57.0°0.8387 0.5446 1.5399 79.5°0.9833 0.1822 5.3955
57.5°0.8434 0.5373 1.5697 80.0°0.9848 0.1736 5.6713
58.0°0.8480 0.5299 1.6003 80.5°0.9863 0.1650 5.9758
58.5°0.8526 0.5225 1.6319 81.0°0.9877 0.1564 6.3138
59.0°0.8572 0.5150 1.6643 81.5°0.9890 0.1478 6.6912
59.5°0.8616 0.5075 1.6977 82.0°0.9903 0.1392 7.1154
60.0°0.8660 0.5000 1.7321 82.5°0.9914 0.1305 7.5958
60.5°0.8704 0.4924 1.7675 83.0°0.9925 0.1219 8.1443
61.0°0.8746 0.4848 1.8040 83.5°0.9936 0.1132 8.7769
61.5°0.8788 0.4772 1.8418 84.0°0.9945 0.1045 9.5144
62.0°0.8829 0.4695 1.8807 84.5°0.9954 0.0958 10.385
62.5°0.8870 0.4617 1.9210 85.0°0.9962 0.0872 11.430
63.0°0.8910 0.4540 1.9626 85.5°0.9969 0.0785 12.706
63.5°0.8949 0.4462 2.0057 86.0°0.9976 0.0698 14.301
64.0°0.8988 0.4384 2.0503 86.5°0.9981 0.0610 16.350
64.5°0.9026 0.4305 2.0965 87.0°0.9986 0.0523 19.081
65.0°0.9063 0.4226 2.1445 87.5°0.9990 0.0436 22.904
65.5°0.9100 0.4147 2.1943 88.0°0.9994 0.0349 28.636
66.0°0.9135 0.4067 2.2460 88.5°0.9997 0.0262 38.188
66.5°0.9171 0.3987 2.2998 89.0°0.9998 0.0175 57.290
67.0°0.9205 0.3907 2.3559 89.5°1.0000 0.0087 114.59
67.5°0.9239 0.3827 2.4142 90.0°1.0000 0.0000 ------


解答 実質的に甲[6]の問題と同一問題です。

地球の半径をRとします。
北緯
で地球を切った切り口の円(右図で橙色の円)とします。地球上の2ABはいずれも北緯なので、上の点です。また、の半径は、です。
ABを通る大円をとします。ABは当然上の点です。また、地球の中心を通る平面で切った切り口の円(右図で水色の円)なので、の半径はRです。
右下図のように、
ABで交差させるように同一平面上に描けば、は明らかです。
地軸
(北極と南極を結ぶ線分)を含む平面との交点をPとして、より、
 (弧長の公式は、一般角を参照) 
ABは円の半径に等しくです。
地球の中心を
Oとして、∠AOBq とおくと、q は鋭角で、三角形AOBにおいて余弦定理より、
であって、三角関数表で、より、より、
よって、に比べては飛行距離が3%以上短くなります。


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京大理系数学'08年前期乙[4]

京大理系数学'08前期乙[4]

定数aは実数であるとする。関数のグラフの共有点はいくつあるか。aの値によって分類せよ。

解答 式変形により[4]の問題に帰着します。

 ・・・①
 ・・・②
①,②を連立すると、

よって、

 ・・・③
 ・・・④ または、 ・・・⑤
2次方程式④の判別式: 
2次方程式⑤の判別式: 
2次方程式④は、のときに、相異なる2実数解、のときに実数の重解をもち、のときには実数解を持ちません(2次方程式の一般論を参照)
2次方程式⑤は、aの値にかかわらず、相異なる2実数解を持ちます。

の場合に、③,⑤に共通解があるかどうか調べます。
④×
3-⑤として、

③,⑤に共通解があるとすれば、これが共通解です。
④に代入すると、

 (です)
(i) のとき、
④:
⑤:
よって、③は、3実数解を持ちます。
(ii) のとき、
④:
⑤:
よって、③は、3実数解を持ちます。
(i)(ii)以外のaについては、④,⑤が共通解を持つことはありません。

以上より、①,②のグラフの共有点の個数は、
のとき、4
のとき、3
のとき、2 ......[]


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京大理系数学'08年前期乙[3]

京大理系数学'08前期乙[3]

空間の1Oを通る4直線で、どの3直線も同一平面上にないようなものを考える。このとき、4直線のいずれともO以外の点で交わる平面で、4つの交点が平行四辺形の頂点になるようなものが存在することを示せ。

解答 ベクトルで考えるのがラクです。「存在する」ことを示すためには、条件に合うものを求める方法を説明します。ここでは、平行四辺形の求め方を説明すれば、「存在する」ことを示したことになります。なお、直線のベクトル方程式空間ベクトルを参照してください。

Oを原点とし、4直線の方向ベクトルをとします。
また、
4直線上の点を、A()B()C()D()とします(こうできるのは、4直線とも点Oを通るからです)
どの
3直線も同一平面上に存在しないので、3ベクトルは1次独立で、を、0ではない3つの実数の定数pqrを用いて、
と表すことができます。
注.例えば
だとすると、は、の作る平面内のベクトルになり、を方向ベクトルとする3直線は同一平面上の直線になってしまいます。


ここで、とすると、の係数について、
 ・・・①
この①が満たされれば、となるので、四角形ABDCは平行四辺形です。

空間の
1Oを通る4直線で、どの3直線も同一平面上にないようなものが与えられ、つまり、3つの1次独立なベクトルと、3つの0ではない実数の定数pqrと、が与えられたとき、
より、例えば①を用いて、と定め、を方向ベクトルとする4直線上の点A()B()C()D()をとります。stuvはいずれも0ではないので、ABCDOとは異なる点です。それでいてかつ、となり、四角形ABDCが平行四辺形になります。
この平行四辺形
ABDCを含む平面を選べば、
4直線のいずれともO以外の点で交わる平面で、4つの交点が平行四辺形の頂点になるようなものが存在します。


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京大理系数学'08年前期甲[6]

京大理系数学'08前期甲[6]

空間内に原点Oを中心とした半径1の球面Sを考え、S上の2点をABとする。で与えられる平面でSを切った切り口の円において、ABを結ぶ弧のうち短い方の長さをとする。また3OABを通る平面でSを切った切り口の円において、ABを結ぶ弧のうち短い方の長さをとする。このときを証明せよ。

解答 複雑そうに見えますが、2つの円を同一平面上に描いてしまえば、明らかです。

平面Sを切った切り口の円(右図で橙色の円)とします。S上の2ABはいずれもz座標がなので、上の点です。また、の半径は、です。
3OABを通る平面でSを切った切り口の円(右図で水色の円)とします。ABは当然上の点です。また、Sの中心を通る平面で切った切り口の円なので、の半径は1です。
右下図のように、
ABで交差させるように同一平面上に描けば、は明らかですが、ここでは計算してみます。
 (空間座標を参照)
よって、平面z軸との交点Pとして、PAPBABより、∠APB
 (弧長の公式は、一般角を参照)
また、∠AOBq とおくと、q は鋭角で、三角形AOBにおいて余弦定理より、
()より、

 (証明終)


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京大理系数学'08年前期甲[5]

京大理系数学'08前期甲[5]

次の式で与えられる底面の半径が2,高さが1の円柱Cを考える。
   
 
xy平面上の直線を含み、xy平面との角をなす平面のうち、点を通るものをHとする。円柱Cを平面Hで二つに分けるとき、点を含む方の体積を求めよ。

解答 どんな問題集にも載っているようなタイプの求積問題です。定積分と体積を参照してください。

体積を求める立体をKとします。右図でクリーム色の平面Hの下側の部分になります。
Ky軸に垂直な平面 ()で切ると、右図のように、断面は長方形R (右図橙色の部分)になります。
平面
Hyz平面に垂直な方向から眺めると、yz平面上の直線に重なって見えます。
のとき、となるので、Rの縦の長さはです。
立体を
xy平面に垂直な方向から眺めると、円柱のふちは、円:に重なって見えます。のとき、となるので、Rの横の長さはです。
よって、長方形
Rの面積は、
求める体積Vは、の範囲に立体が存在するので、
は、とおくと(置換積分を参照),両辺を微分して(陰関数の微分法を参照)kのとき、t
は、右図の緑色部分の面積に等しく(は、円の部分です)
 (置換積分(その2)を参照)
よって、
......[]


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京大理系数学'08年前期甲[4]

京大理系数学'08前期甲[4]

定数aは実数であるとする。方程式
   
を満たす実数xはいくつあるか。aの値によって分類せよ。

解答 定数aを分離する、つまり、「xの式=aの式」の形に持ち込むのはちょっと辛いので、与えられた形のまま考えます。
を整式として、2つの方程式

が共通解pを持つとき、ABを定数、または整式として、方程式:
も、pを解として持ちます。なぜなら、より、
 ・・・()
となるからです。
例えば、
として、
 ・・・①
 ・・・②
が共通解を持っているとすると、
①×ax-②として(上記()で、)
の解、つまり、が共通解になります。
この技巧を使って考えます。

 ・・・③
 ・・・④ または、 ・・・⑤
2次方程式④の判別式: 
2次方程式⑤の判別式: 
2次方程式④は、のときに、相異なる2実数解、のときに実数の重解をもち、のときには実数解を持ちません(2次方程式の一般論を参照)
2次方程式⑤は、aの値にかかわらず、相異なる2実数解を持ちます。

の場合に、③,⑤に共通解があるかどうか調べます。
④×
3-⑤として、

③,⑤に共通解があるとすれば、これが共通解です。
④に代入すると、

 (です)
(i) のとき、
④:
⑤:
よって、③は、3実数解を持ちます。
(ii) のとき、
④:
⑤:
よって、③は、3実数解を持ちます。
(i)(ii)以外のaについては、④,⑤が共通解を持つことはありません。

以上より、③を満たす実数
xの個数は、
のとき、4
のとき、3
のとき、2 ......[]


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京大理系数学'08年前期甲[3]

京大理系数学'08前期甲[3]

ABACである二等辺三角形ABCを考える。辺ABの中点をMとし、辺ABを延長した直線上に点Nを、ANNB21となるようにとる。このとき∠BCM=∠BCNとなることを示せ。ただし、点Nは辺AB上にはないものとする。

解答 「ゆとり教育」見直しに伴って平面幾何が中学校に戻ると、こうした問題は大学入試からは消えてしまうかも知れません。
 
ACの中点をPとします。
MBC=∠PCB
MB
PC () 
BC共通
よって、△
MBC≡△PCB
MCPB
AB
BNAPPCより、PB // CNであって、PBCN12
よって、MCCNPBCN12
また、MBBN12
MCCNMBBN
よって、線分BCは、∠MCN2等分します。
BCM=∠BCN
これで、示せました。


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京大理系数学'08年前期甲[2]

京大理系数学'08前期甲[2]

正四面体ABCDを考える。点Pは時刻0では頂点Aに位置し、1秒ごとにある頂点から他の3頂点のいずれかに、等しい確率で動くとする。このとき、時刻0から時刻nまでの間に、4頂点ABCDのすべてに点Pが現れる確率を求めよ。ただしn1以上の正数とする。

解答 難問ではありませんが、こういう問題では、必ず、nの小さい場合の確率を別の方法で求めて検算を心がけるようにしましょう。なお、確率を参照してください。

余事象を考えます。4頂点ABCDのすべてに点Pが現れる事象の余事象は、2頂点だけに現れる事象と3頂点だけに現れる事象の和事象です。
(i) P2頂点だけに現れる場合
ABだけに現れる事象と、ACだけに現れる事象と、ADだけに現れる事象の確率は同じなので、ABだけに現れる場合を考えます。
ABだけに現れる、ということは、点Pは、ABを交互に行ったり来たりする、ということです。AにいるときにBに行く確率はBにいるときにAに行く確率も
従って、時刻nまで、ABだけに現れる確率は、
ACだけ、ADだけの場合を合わせて、
(ii) P3頂点だけに現れる場合
ABCに現れる事象、ACDに現れる事象、ADBに現れる事象の確率は同じなので、ABCに現れる事象を考えます。
ABCに現れる、ということは、Aにいるときには、BまたはCのいずれか(確率)にしか行かず、BにいるときにはCまたはAのいずれか(確率)にしか行かず、CにいるときにはAまたはBのいずれか(確率)にしか行きません。
但し、時刻nまでで、ABCに現れる事象の確率をとすることはできません。なぜなら、このの中には、ABだけを往復する場合と、ACだけを往復する場合が含まれているからです。
AとBCのすべてに点Pが現れる確率は、から往復する場合を2通り引いて、
ACDADBの場合も合わせて、
以上より、求める確率は、 ......[]
のとき、4頂点ABCDのすべてに点Pが現れる確率は、BCD3文字の順列が通り、全事象は、各時刻に3通りの行き方があるので、通りで、です。上の答で、とすると、です。


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京大理系数学'08年前期甲[1]

京大理系数学'08前期甲[1]

直線が関数のグラフと共有点を持たないためにpqが満たすべき必要十分条件を求めよ。

解答 対数の底はe ()とします。微分法の方程式への応用を参照してください。

において、関数を考えると、
直線
と関数のグラフが共有点を持たない 直線と関数のグラフが共有点を持たない
ということになります。
 (微分の公式を参照)
(i) のとき、より、,つまり、単調増加です。
より、においての値は全実数をとります。
従って、qがいかなる実数であっても、となる正数xが必ず存在し、直線と関数のグラフは共有点を持ち、直線と関数のグラフは共有点を持ちます。
(ii) のとき、とすると、
x0
×0
×

増減表より、において最大値:を持つ(関数の増減を参照)ので、
であれば、直線と関数のグラフは共有点を持ち、
であれば、直線と関数のグラフは共有点を持たず、直線と関数のグラフも共有点を持ちません。
以上より、求める必要十分条件は、
,かつ、 ......[]


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東工大物理'08年前期[4]

東工大物理'08年前期[4]

図のように、水平面上に質量mの物体Aを置き、ばね定数kのばねをつなぐ。ばねが自然長となる物体Aの位置を原点Oとし、水平方向にx軸をとり、右向きを正の向きとする。原点Oから点P (位置)までの区間は摩擦のある領域であり、それ以外の領域は摩擦がないものとする。点Pの右側に質量mの物体Bを置く。物体Aおよび物体BOP間における静止摩擦係数をm,動摩擦係数をとする。重力加速度をgとして以下の問いに答えよ。ただし、物体ABの大きさは無視できるものとする。
[A] はじめに物体Aを原点Oに静止させておく。物体Bに原点Oに向かう速度を与え、摩擦のある領域を通過させたところ、物体BAに衝突し、その後1つの物体ABとなって運動した。はじめに物体Bに与えた運動エネルギーをEとする。
(a) 衝突直前の物体Bの運動エネルギーEmglを用いて表せ。
(b) 衝突直後の物体ABの運動エネルギーを、Emglを用いて表せ。ただし物体BAの衝突は瞬間的に起こり、その際、摩擦力の影響は無視できるものとする。

設問[A]において、物体Bにはじめに与える運動エネルギーEを変化させて、物体ABの運動を調べる。ただし以下の問では、mlkmgおよびを満たすものとする。

[B] ある運動エネルギーEをはじめに物体Bに与えたところ、物体ABは、衝突して一体となった後、再び原点Oに戻り、OP間のある位置xで速度が0になった。
(c) 速度が0になる位置xを、Eklを用いて表せ。
(d) 速度が0になった後、一体となった物体ABはどのような運動をするか、理由をつけて答えよ。

[C] 設問[B]で与えた運動エネルギーより大きい運動エネルギーEをはじめに物体Bに与えたところ、一体となった物体ABPの右側に飛び出し、Pから再び摩擦のある領域に入った後、OP間のある位置xで速度0になった。
(e) 位置xを、Eklで表せ。

[D] 問い(e)の答x0とするような、物体Bに与える運動エネルギーEとする。
(f) 物体A(一体となった後は物体AB)が最終的に静止する位置xを、Eの関数とみなし、における関数のグラフの概略を描け。

解答 東工大の面目躍如の問題です。簡単な設定なのに、どうやって、こういう面白い問題を思いつくのか、東工大の先生には敬服してしまいます。

[A](a) OP間で物体Bに働く摩擦力が物体Bにする仕事は、
......[] (エネルギーの原理を参照)
(b) 衝突直前のB速度v,衝突直後のAB速度として、運動量保存より、
衝突直前のBエネルギーについて、
衝突直後のABエネルギーについて、
......[]

[B] 一体となったABがばねを押し縮めて左端まで行ったのち、ばねの弾性力によって、右に動く向きを変え、原点Oに戻るまでの間、AB力学的エネルギーを奪うような仕事は存在せず、原点Oに戻ってきたときの力学的エネルギーは、より、
 ・・・①
のままです(こうなるためには、より、でなければなりません)
これ以後は、摩擦力が負の仕事を物体ABにします。
(c) AB速度0になったということは、AB運動エネルギー0になったということです。このときに、ばねはx伸びているので、ABには、弾性力による位置エネルギーがあり、AB力学的エネルギーです。AB力学的エネルギーはもともと持っていた摩擦力のした仕事の和なので、,つまり、
①を用いて、
ここで、より、複号はプラスの方をとります。
......[]
ここでは、,つまり、より、
 ・・・②
となります。

(d) ばねの弾性力最大静止摩擦力を上回れば滑り出しますが、なので、より、ABは静止したままになります(摩擦力を参照)
ABは静止を続ける。理由:弾性力が最大静止摩擦力よりも小さいから。 ......[]

[C] ABPの右側に飛び出した、ということは、②より、だったということです。
ABOからPに移動する間に、摩擦力ABにする仕事は、です。
ABPの右側に飛び出した瞬間、ABは、という力学的エネルギーを持っています。右端まで行った後にPまで戻ってきたときにも、この力学的エネルギーを持っています。
(e) OP間の位置x速度0となり、運動エネルギー0になったときに、AB力学的エネルギーは、ばねの弾性力位置エネルギーのみとなります。Pから位置xまでに摩擦力が、だけの仕事ABにしているので、AB力学的エネルギーは、
となります。整理して、
①を用いて、
より、根号部分はよりも大きく、より、複号はマイナスの方をとります。
......[] ・・・③
より、となってしまうのですが、これは、Pの右側に飛び出して、ばねが思い切り伸びてしまうと、ばねの弾性力によって引き戻され、Pに戻ってきたときに勢いがつき過ぎていて(運動エネルギーが大き過ぎて)の範囲では止まりきれない、ということを意味しています。

[D] ③でとすると、となります。
(f) (i) の場合、物体BOPの途中で止まってしまうので、Aに静止したままになります。
(ii) の場合、(c)の結果より、ABは、で静止します。
(iii) の場合、(e)の結果より、ABは、で静止します。
よって、グラフは右図太線のようになります。


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