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2次曲線の媒介変数表示

2次曲線の媒介変数表示

直線や曲線の方程式を、曲線上の点をとして、の形に書いたものを、曲線の媒介変数表示と言う。変数tのことを媒介変数と言う。
からtを消去することにより、曲線の方程式が得られる(必ずしもtが消去できるとは限らない)
(1) 円:の媒介変数表示は、
(2) 楕円の媒介変数表示は、
(3) の媒介変数表示は、
(4) の媒介変数表示は、

曲線上の1点を意識して問題を解く場合に、曲線の方程式のままでは扱いにくいので、媒介変数表示を利用して、曲線上の点のx座標、y座標を、媒介変数を使って表すという技巧があります。よく使われる技巧なので、特に、楕円の媒介変数表示はしっかりと記憶しておく必要があります。
(1) 原点からの距離がrである点の集合が円:になりますが、原点からの距離がrである点をPOPx軸となす角を反時計回りに測った角をq として、

と書くことができます。
円の方程式から、媒介変数表示を得る場合には、
と、

の相互比較から、
とします。
なお、とおくと、
 (2倍角の公を参照)
 (2倍角の公を参照)
と書けるので、tを媒介変数とすれば、

という媒介変数表示もあります。

(2) C上の点をPとします。OPx軸となす角を反時計回りに測った角をq として、Pの座標はです。円C上の各点のy座標を倍した点の集合が楕円になるので、Py座標を倍すると、楕円上の点Qy座標は、Qx座標は、Pが円周上を1周するとQも楕円上を1周するので、楕円の媒介変数表示

が得られます。
注.q は、右図で、楕円上の点Qと原点Oを結ぶ直線とx軸とがなす角ではありません。半径aの円周上の点Pと原点Oを結ぶ直線とx軸とがなす角です。間違いやすいので、よく注意してください。

楕円の方程式から、媒介変数表示を得る場合には、
と、

の相互比較から、

とします。

(3) の媒介変数表示には、いろいろあります。
 ・・・① と、

の相互比較から、

という媒介変数表示が得られます。

①と、
の相互比較から、

という媒介変数表示が得られます。を、“hyperbolic cosine”“hyperbolic sine”という風に、双曲線(hyperbolic)関数と呼ぶのは、ここから来ています。

①と、
の相互比較から、

という媒介変数表示が得られます。

(4) は、とおくと、となるので、

という媒介変数表示が考えられますが、焦点の座標、準線の方程式に出てくるpの値を意識する問題以外では、

と素直におけばよいので、放物線の媒介変数表示に敢えて記憶するほどの価値があるとは思えません。
例えば、放物線:上の点の座標と言われたら、とすればOKです。

1.楕円:上を点Pが動くとき、の最大値と最小値を求める。
[解答] 楕円上の点のx座標、y座標を、 ()とおくと、

  (角の公を使用)
 
  (角関数の合を利用)
但し、より、
,つまり、,または、のとき、最大値:15
,つまり、,または、のとき、最小値:3 ......[]

2.双曲線:上の頂点以外の1Pにおける接線、法線とy軸との交点をそれぞれ、QRとするとき、三角形PQRの外接円が双曲線の焦点Fを通ることを証明する。
[解答] 点Pの座標を ()とおくと、点Pにおける接線は、

整理して、 ・・・①
これと垂直な直線は、と書けます(2直線の平行と垂を参照)が、点Pを通るので、

よって、点Pにおける法線は、
 ・・・②
①で、として、点Qy座標は、
②で、として、点Ry座標は、
直線FQの傾きmは、
直線FRの傾きは、
 (2直線の平行と垂を参照)
より、三角形PQRの外接円と三角形FQRの外接円は、ともにQRを直径とする円であり、一致します。
よって、三角形PQRの外接円は、焦点Fを通ります。 (証明終)


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(C)2005, 2006 (有)りるらるNewton e-Learning
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  1. 2006/10/31(火) 23:48:45|
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2次曲線の分類(その2)

2次曲線の分類(その2)

2次曲線の分類のつづです。
(3) 2次曲線の方程式は一般的に、 ・・・() と表すことができます。
()が曲線を表すときは、直線や1点になる場合を除くと、楕円か双曲線か放物線に限られることを確かめてみます。
まず、()を行列を用いて書き直します(行列列のを参照)

 
 
より、 (t付きは転置行列を意味します、列ベクトルと行ベクトルの入れ替えです)として、()は、

と書けます。ところで、は実数を成分とする対称行列(を満たす行列、対角成分を境にして右上と左下に対称に数字が並ぶ)なので、直交行列M(,つまり、を満たす行列、2次の正方行列では、回転移動を表す行列と、原点を通る直線に関する折り返しを表す行列に限られる、
1次変換(その2)を参照)によって、することができます(ペクトル分を参照)。つまり、 (pqは、A)として、

となるような、直交行列Mをとることができます(Mは、Aの固有ベクトルで大きさ1のベクトルを横に並べた行列)
このとき、,つまり、となるをとると、より、

 
ここで、,つまり、とおくと、
 
  ・・・⑤
こうして、()の中にあったxyの項を消すことができます。Mは回転移動または折り返しを表すので、⑤においても、曲線(直線)の形状には変化はありません。
ここで、 (を参照)

(i) pqが同符号で、,つまり、のとき、⑤は、

のとき、()は、楕円を表します。
のとき、()は、1となります。
のとき、()は、何も表しません。

(ii) pqが異符号で、,つまり、のとき、楕円のときと同様にして、
のとき、()は、を表します。
のとき、()は、で交わる2直線を表します。

(iii) pqのいずれか一方、あるいは、両方が0で、,つまり、のとき、
のときは、
なら、()を表します。
のときは、
判別式:として(2次方程を参照)
のときには、()は平行2直線を表し、
のときには、()1直線を表し、
のときには、()は何も表しません。
のときも、同様です。
のときには、
()1直線を表します。


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(C)2005, 2006 (有)りるらるNewton e-Learning

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  1. 2006/10/30(月) 13:36:42|
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2次曲線の分類

2次曲線の分類

2次曲線Cの方程式をと書くと、Cx方向にay方向にb平行移動させたの方程式は、
(1) 円錐面の稜線に平行な平面(稜線を含む平面を除く)で円錐面を切ると、断面にができる。
円錐面の軸に垂直な平面(円錐の底面を含む面、円錐の頂点を通る平面を除く)に、
稜線よりも浅い角をなすように交わるような平面で円錐面を切ると、断面に楕円ができる。
稜線よりも深い角をなすように交わる平面で円錐面を切ると、断面にができる。
以上の意味で、2次曲線は円錐曲線と呼ばれる。
(2) 焦点Fと、点Fを通過しない準線lがあるとき、曲線上の点PFとの距離FPと、曲線上点Pからlまでの距離PHとの比:離心率と言う。
,つまり、となる曲線が楕円
,つまり、となる曲線が
,つまり、となる曲線が
(3) 2次曲線の方程式の一般形: ・・・() に対して、行列を考える。以下、で分類して、
のとき、()は、楕円を表すか、1点を表すか、何も表さない。
のとき、()は、を表すか、交わる2直線を表す。
のとき、()は、を表すか、平行2直線を表すか、1直線を表すか、何も表さない。

2次曲線C上の点の座標をCx方向にay方向にb平行移動させた上の点の座標をとすると、

また、x方向にay方向にb平行移動させた点がだとすれば、

つまり、
これを、に代入すると、

さて、この式は、に関する方程式ですが、が満たすべき方程式は、でなければなりません。ということは、

であって、曲線の方程式は、

ということになります。

(1) 原点Oを通り、方向ベクトルが ()となる空間内の直線を軸とする円錐面上の点Pを指すベクトルをとし、円錐面の稜線(円錐面上の直線、円錐の頂点を通る)と、円錐の軸とのなす角をq (q はすべての稜線に対して一定です)とすれば、が成り立ちます(内積間ベクトを参照)

2乗して、
 ・・・① (これが円錐面の方程式を与えます)
この円錐面を、z軸に垂直(xy平面に平行)で、円錐の頂点(原点Oです)を通らない平面: ()で切断したときの切り口の図形を調べます。①で、とおいて、整理すると、

   

    ・・・②
とおくと、②は、
 ・・・③

(i) のとき、,このとき、円錐面を切断する平面:は、円錐の底面と、稜線よりも浅い角をなして交わります。
③より、

 
 
 
 
  ()
よって、③は、平面上で、を中心とする楕円を表します。

(ii) のとき、,このとき、円錐面を切断する平面:は、円錐の底面と、稜線よりも深い角をなして交わります。
このときは、楕円のときと同様にして、③は、平面上で、を表します。

(iii) のとき、,このとき、円錐面を切断する平面:は、稜線と平行です。
③より、

これは、平面上で、を表します。

(2) 座標平面上に、定点F,定直線l ()をとり、曲線C上の1Pからlに下ろした垂線の足をHとします。
,点Plとの距離:
Pが、 (e:一定,)を満たすとします。

両辺を2乗して、
整理して、 ・・・④

(i) のとき、です。
④より、
これは、を中心とする楕円を表します。

(ii) のとき、です。
楕円のときと同様に、④は、を表します。

(iii) のとき、④は、となり、放物線を表します。
のとき、ですが、これはの定義そのものです。

(2次曲線の分類(その2)へつづく)


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  1. 2006/10/30(月) 13:35:53|
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放物線

放物線

標準形: ()
放物線の定義:定点(焦点と言う)までの距離と、この定点を通らない定直線(準線と言う)までの距離とが等しい点の集合を放物線と言う。
放物線:の焦点は,準線は

放物線の定義から放物線の方程式の標準形を導いてみます。
右図で、焦点をF,準線を ()とし、放物線上の点Pと焦点までの距離と、準線までの距離を等しいとおくと、

両辺を2乗して、



放物線:について、x軸、つまり、直線を放物線のと言います。
放物線の方程式:を満たす点に対して、yのところにを代入しても方程式が成り立ちます。従って、放物線はx軸、つまり、放物線の軸に関して対称です。
放物線の軸と放物線との交点、放物線:においては、原点O頂点と言います。

焦点がy軸上のにあり、準線がとなる場合は、同様にして、放物線の方程式は、となります。このときには、放物線の軸はy軸、つまり、直線,頂点はやはり原点Oです。

放物線:に接する傾きmの接線を求めてみます。
と連立して、
整理して、
接するので、この2次方程式は重解を持ちます(2次方程式の一般を参照)


より、
よって、求める傾きmの接線は、

放物線:に接する傾きmの接線を求めてみます。
と連立して、
整理して、
接するので、この2次方程式は重解を持ちます(2次方程式の一般を参照)

より、
よって、求める傾きmの接線は、

放物線の方程式:の両辺を関数の微分で微分すると、


における接線の傾きは、
接点における接線は、
接点は放物線上の点なので、より、


よって、接点における接線は、


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(C)2005, 2006 (有)りるらるNewton e-Learning

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  1. 2006/10/28(土) 08:16:50|
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双曲線

双曲線

標準形: ()
双曲線の定義:2定点(焦点と言う)からの距離の差が一定である点の集合を双曲線と言う。
双曲線は、とすると、限りなく漸近線に接近していく。標準形で与えられる双曲線の場合、漸近線は、
特に、漸近線が直交する双曲線を、直角双曲線と言う。

双曲線の定義から、双曲線の方程式の標準形を導いてみます。
2焦点を、F2焦点までの距離の差を ()とします。
双曲線上の点P2焦点までの距離の差は、


両辺を2乗すると、





 ・・・① とおいて、両辺をで割ると、


ここで、とすると、
を双曲線の頂点と言います。

①式より、双曲線:の焦点の座標について、 (右図青線参照)
双曲線の焦点がy軸上にくる場合には、2焦点からの距離の差がだとして、双曲線の方程式は、になります(xaの立場とybの立場が入れ換わると思えばよい。右図赤線参照)。このときにも、となります。

双曲線の方程式:を満たす点に対して、xのところにを代入しても、yのところにを代入しても、双曲線の方程式は成り立ちます。ということは、双曲線は、x軸に関しても、y軸に関しても、原点に関しても対称だということです。

双曲線の方程式:において、としたとき、右辺の1が相対的に小さくなるので、双曲線はに近づくことになり、より、双曲線は、漸近線:をもつと理解しておくとよいでしょう。
正確には、双曲線の方程式:yについて解いて、
より、漸近線の傾きは、

 
 
より、漸近線のy切片は0
よって、漸近線は、
双曲線:の漸近線も同様に、です。

双曲線:に接する傾きmの接線を求めてみます。
双曲線の方程式にをかけて、
と連立して、
整理して、
この2次方程式は重解を持ちます(2次方程式の一般を参照)
よって、判別式:
整理すると、


よって求める傾きmの接線は、

双曲線の方程式:の両辺を関数の微分で微分すると、


双曲線上の点における接線の傾きは、
における接線は、
 ・・・②
は双曲線上の点なので、を満たすので、②式をで割ることにより、

よって、における接線は、
双曲線:における接線も同様に、です。


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  1. 2006/10/27(金) 16:47:42|
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楕円

楕円

標準形: ()
楕円の定義:2定点(焦点と言う)からの距離の和が一定である点の集合を楕円と言う。
2焦点の中点を楕円の中心と言う。
2焦点を結ぶ直線と楕円との交点を両端とする線分を楕円の長軸、長軸と楕円の中心で直交する直線と楕円との交点を両端とする線分を短軸と言う。

楕円の定義から、楕円の方程式の標準形を導いてみます。
2焦点を、F2焦点までの距離の和を ()とします。
楕円上の点P2焦点までの距離の和は、


両辺を2乗すると、





 ・・・① とおいて、両辺をで割ると、


ここで、とすると、とすると、
を楕円の頂点と言います。頂点は、長軸、短軸の端点になっています。
また、長軸の長さは,短軸の長さはです。

①式より、楕円:の焦点の座標について、 (のときには楕円は円になります)のとき、 (右図1参照)
のときには、右図2にように、長軸と短軸が入れ替わり、長軸がy軸上、短軸がx軸上に来ます。また、焦点はy軸上にあり、その座標について、となります。

楕円の方程式:を満たす点に対して、xのところにを代入しても、yのところにを代入しても、楕円の方程式は成り立ちます。ということは、楕円は、x軸に関しても、y軸に関しても、原点に関しても対称だということです。

楕円の方程式:に接する傾きmの接線を求めてみます。
楕円の方程式にをかけて、
と連立して、
整理して、
この2次方程式は重解を持ちます(2次方程式の一般を参照)
よって、判別式:
整理すると、


よって求める傾きmの接線は、

楕円の方程式:の両辺を関数の微分で微分すると、


楕円上の点における接線の傾きは、
における接線は、
 ・・・②
は楕円上の点なので、を満たすので、②式をで割ることにより、

よって、における接線は、

楕円:が囲む部分の面積は、です(積分と面積(その2)を参照)

楕円の方程式:を、
と見て、とおくと、となります。
楕円上の各点のy座標を倍すると、円:上に移ってくることがわかります。
逆に、円:上の各点のy座標を倍した点の集合が楕円:であると言うこともできます。


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(C)2005, 2006 (有)りるらるNewton e-Learning

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  1. 2006/10/26(木) 19:45:19|
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行列

行列

電子回路の解析から、気象予報、経済予測に至るまで、行列は、計算機に様々な仕事をさせるための道具です。ここでは、行列の基本的な計算から、連立1次方程式や1次変換への応用、行列の累乗計算の技巧などを扱います。

ここで学習する内容は、以下の通りです。各項目をクリックしてください。

行列 行列に関する基本事項、行列の和、差、相等、実数倍について触れます。
列の 行列の積の計算法を学びます。行列の積では、交換法則が成り立ちません。
 (E:単位行列)を満たす行列が逆行列です。逆行列の求め方を学びます。2次の正方行列では、となります。係数の分母を行列式と言います。のときにのみが存在します。
列と連立1次方程 行列を用いて連立1次方程式を記述すると、となります。この解は、のときには、となります。
本変 連立1次方程式を解くときの操作を行列を用いて考察します。この考察により、のときのn次正方行列の逆行列の求め方が明らかになります。
有値・固有ベクト  ()を満たす実数kを行列Aの固有値、を行列Aの固有ベクトルと言います。固有値kは固有方程式の解です。2次の正方行列の固有方程式は、となります。
ミルトン・ケーリーの定 行列Aの固有方程式:xを行列Aに代えた式:が成立します。2次の正方行列においては、が成立します。
1次変 ベクトルをベクトルに対応させる変換fにおいて、2つのベクトルについて、が成り立つとき、f1次変換と言います。1次変換は行列を用いて記述できます。
1次変換(その2) 原点を通る直線に関する対称移動、回転移動を表す行列を考察します。
列の対角 行列Aの固有ベクトルを列ベクトルとして横に並べてできる行列をPとして、は固有値を対角成分とし、他の成分は0となる行列となります。この操作を行列の対角化と言います。
ペクトル分 任意のベクトルについて、行列Aの固有値に対応する固有ベクトルの方向成分を取り出す1次変換を射影と言います。射影の表現行列を射影子と言い、固有値に対応する射影子をとすると、n次正方行列Aが異なるn個の固有値,・・・,をもつときには、という形に書くことができます。Aが対称行列の場合()にこの形をスペクトル分解と言います。
列の累 行列の対角化、スペクトル分解、ハミルトン・ケーリーの定理などを応用して行列の累乗を求める種々の技巧を考察します。


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(C)2005, 2006 (有)りるらるNewton e-Learning

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  1. 2006/10/24(火) 09:12:53|
  2. 数学C
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行列の累乗

行列の累乗

この項目では、有値・固有ベクトミルトン・ケーリーの定列の対角ペクトル分を参照してください。
大学入試で頻出の行列の累乗の問題を考察します。様々な解法が考えられます。
以下、nを自然数とします。

(1) 予測して数学的帰納法で証明する
簡単に行列の積が計算できそうなものについては、,・・・と求めていき、予測をつけて、証明をしておきます。
1のとき、を求める。
[解答] 


これより、と予測し、数学的帰納法で証明します。
() のとき、明らかに成立します。
() のとき、予測が正しいとして、と仮定すると、

 
 
となり、のときにも予測は正しい。
()()より、すべての自然数nについて、予測は正しく、
......[]

以後(2)(6)は、について、を求める方法を考えます。
(2)(3)において、固有値・固有ベクトルを利用するところは共通しているので、固有方程式を作り、固有値・固有ベクトルを求める部分を、こちらに書いておきます。例2.例3.はこのつづきになっています。
Aの固有方程式は、より、


のとき、

例えば、
固有値2に対応する固有ベクトルは、tを実数として、
のとき、

例えば、
固有値3に対応する固有ベクトルは、sを実数として、

(2) 固有値・固有ベクトルの応用
2.上記より、Aは、固有値2に対応する固有ベクトルをもち、固有値3に対応する固有ベクトルをもちます。
よって、
繰り返して行列Aをかけることにより、

両式を1つにまとめて書くことにより、

両辺に右から、をかけることにより、

  ......[]

(3) 対角化により求める
3.上記より、とすると、

これを用いて、

 
一方、 (きちんと書くなら数学的帰納法で証明しておくべき)
よって、
左からP,右からをかけて、

 
  ......[]

(4)(6)については、固有値・固有ベクトルを求めておく必要はありません。ハミルトン・ケーリーの定理によって得られる行列の式を書いて因数分解すれば、固有値を知ることができます。
2次の正方行列Aでは、ハミルトン・ケーリーの定理は、という形になります。

(4) ハミルトン・ケーリーの定理と多項式の除算を利用する
4.ハミルトン・ケーリーの定理より、
で割った余りを,商をとして、
 ・・・① (項式の除を参照)
①で、とすると、 ・・・②
①で、とすると、 ・・・③
③-②より、
②×3-③×2より、
①のxAに戻すと、

 
 
  ......[]

(5) スペクトル分解の利用
この方法がもっとも計算がラクで、大学入試の問題文に解法についての指定がなければ、この方法がおススメです。
最初に、ハミルトン・ケーリーの定理を因数分解した形に書いておきます。
5.ハミルトン・ケーリーの定理より、
 ・・・①

 ・・・② (これがAのスペクトル分解の形です。固有値2に対応する射影子がP,固有値3に対応する射影子がQですが、こういうことを入試の答案に書く必要はありません)
これらを連立して解くと、


(射影子PQは、必ず、ハミルトン・ケーリーの定理の因数分解の中に出てくる形になります)
①より、 ・・・③
①より、
 ・・・④
(③,④は射影子が必ずもっている性質ですが、高校の教科書には記述がないので、①を使って確認したことを答案上に明記しておくこと)
②両辺をn乗することにより、

右辺のn乗は、③,④により、二項定理を使って展開可能で、さらに、 ()という項は③より出てきません。さらに、④より、のとき、より、

 
  ......[]
結局、m次正方行列Aが相異なる固有値,・・・,をもち、それぞれに対応する射影子が,・・・,だとすると、

となります。

(6) 3項間漸化式のアナロジー
3項間漸化式と類似の形をハミルトン・ケーリーの定理から作り、3項間漸化式の解法と同様に2つの漸化式を作って差を作り行列の累乗を求めるという解法があります。
6.ハミルトン・ケーリーの定理より、
をかけると、 ・・・①
 (公比3の等比数列のような形)
これを繰り返して用いることにより、
 ・・・②
また、①
これを繰り返して用いることにより、
 ・・・③
②-③より、
 
  ......[]

さて、(2)(6)の解法では、固有方程式が重解をもつ場合に対応できません。
固有方程式が重解を持つ場合でも、対角化と同様な作業を行うことによりJordanの標準形を作って行列の累乗を求めるという解法が考えられます。ですが、それよりもずっと計算のラクな解法があります。固有値が重解をもつ場合には、入試問題文に別の解法で徳用に指定がついている場合でも下記の方法で行列の累乗を求めることをおススメします。

(7) 2次の正方行列で、固有方程式が重解をもつ場合
ハミルトン・ケーリーの定理を書くと、2乗=O の形に書くことができます。この形をうまく利用して、スペクトル分解と同様の考え方により、行列の累乗を求めます。
7のとき、を求める。
[解答] ハミルトン・ケーリーの定理より、 ・・・①
は積が交換可能、つまり、なので、

として、両辺をn乗すると、二項定理が使えます。

この右辺で、①より、の部分は消えてしまい、の項のみが残ります。

 
 
  ......[]


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(C)2005, 2006 (有)りるらるNewton e-Learning

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  1. 2006/10/23(月) 09:57:01|
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スペクトル分解(その2)

スペクトル分解(その2)

この項目は、有値・固有ベクトミルトン・ケーリーの定列の対角を参照してください。
ペクトル分のつづきです。
対称行列Aを直交行列Mを用いて対角化する場合の、本来のスペクトル分解の例です。
1.対称行列のスペクトル分解を求める。
[解答] 固有方程式:
 
 

よって、固有値は24
のとき、

これを満たすのは、例えば、
大きさ1のベクトルとして、固有値24に対応する固有ベクトルは、
のとき、

これを満たすのは、例えば、
大きさ1のベクトルとして、固有値に対応する固有ベクトルは、
これより、直交行列を用いて、行列A

と対角化できます。
固有値24に対する射影子は、
固有値に対応する射影子は、
よって、行列Aのスペクトル分解は、
......[]

正式なスペクトル分解ではありませんが、対称行列でない行列の擬似スペクトル分解の例です。
2のスペクトル分解を求める。
[解答] 固有方程式:を解いて、
に対応する固有ベクトルは、例えば、
に対応する固有ベクトルは、例えば、
よって、として、
固有値2に対応する射影子は、
固有値3に対応する射影子は、
よって、行列Aのスペクトル分解は、
......[]
[別解] 2次の正方行列では、スペクトル分解を求めるだけなら、を連立する方が簡単です。



3次正方行列で、固有方程式が重解をもつ場合の擬似スペクトル分解の例です。
3のスペクトル分解を求める。
[解答] 固有方程式:を解いて、
重解:に対応する固有ベクトルは、例えば、
に対応する固有ベクトルは、例えば、
よって、として、
固有値1に対応する射影子は、と、

固有値2に対応する射影子は、
よって、行列Aのスペクトル分解は、

  ......[]


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  1. 2006/10/22(日) 11:29:09|
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スペクトル分解

スペクトル分解

この項目は、1次変有値・固有ベクトミルトン・ケーリーの定列の対角を参照してください。
n次正方行列Aが異なる固有値,・・・,とそれに対応する固有ベクトル,・・・,をもつとします。このとき、
,・・・, ・・・①
これらは、行列Aがある固有の方向(固有ベクトルに平行な方向)を持っていて、その方向のベクトルに行列Aをかけると長さが変わるだけ、と言うことを意味しています。
n次元空間中の任意のベクトル:に行列Aをかけると、①を用いて、

 
となりますが、,・・・, ・・・() のような一連の行列を捜してきて、

  ・・・②
のように書くことを考えてみます。
②が任意のベクトルについて成り立てば、等式の条より、
 ・・・③
が成立します。

()のような性質は、がそれぞれ、任意のベクトルの方向成分、の方向成分、・・・,の方向成分を取り出すような行列であることを意味しています。このような性質をもつ行列、を、射影子と呼びます。が表す1次変換を、,・・・,の方向への射影と言います。であれば、以外のすべての固有ベクトルと平行な方向からに光を当てて、の方向への影を作ることに相当します。

例えば、が射影子であるためには、
 ・・・④
であれば、性質()が満たされます。を求めるために、④を1つにまとめて書くと、

は、,・・・,1次独立なので、正則()であり、逆行列をもちます。上式両辺の右からをかけると、

,・・・,についても、全く同様にして、

 ・・・・・


さて、こうして得られた射影子が他にどのような性質をもつかを調べてみます。
射影子をすべて加え合わせると、

 
より、単位行列になります。
また、性質④より、のとき、

よって、任意のベクトルに対して、

より、 (零行列)です。

より、です。

逆に、を満たす行列があるときに、任意のベクトルをかけて、

になったとすると、


また、とおくと、

が任意の ()について成り立つので、等式の条より、となるjについて、

となって、性質()が導けます。従って、
()
が、が射影子であるための必要十分条件です。

(k:実数)という形をしていると、となるjについて、となり得ないので、です。
であれば、とハミルトン・ケーリーの定理より、固有方程式を因数分解すると、が出てきて、射影子は、固有値01をもつことがわかります。
固有値1に対する固有ベクトルが、上記に出てきた、より、です。
が固有値0をもつということはどういうことかと言うと、以外の方向の成分はすべて縮めて0にしてしまう、ということです。

③を用いることにより、行列の累乗の計算を容易に行うことができるのですが、通常は、への「射影」と言う場合、と垂直な方向から光を当ててできる影、つまり「正射影」のことを指します。
正射影を考える場合には、,・・・,が正規直交基底となる場合(相互に垂直で、かつ、それぞれの大きさが1)を考えるので、上記の、は、直交行列になります。
①を1つにまとめて書くと、
より、
と書けて、左からをかけると、

となって、行列Aを対角化できますが、これの転置行列を考えると、

Mは直交行列でを満たすので、両式の右辺が等しいことより、

従って、を満たす行列(対角成分に関して、右上と左下に対称に数字が並ぶので、対称行列と言います)が、直交行列によって対角化できることがわかります。
このとき、例えば、射影子についても、として、


 より(計算が複雑です。成分をていねいに書いて確かめてください)
が成り立つので、(,・・・,も同様に)対称行列になります。
こうして、対称行列Aについて、対称行列である射影子を用いて、③のように書くことができます。これを対称行列Aのスペクトル分解と言います。

ですが、Aが対称行列でなくても、異なる固有値,・・・,を持てば、全く同型の③式が成り立つので、このウェブサイトでは、Aが対称行列でない場合についても、③式を行列Aのスペクトル分解と呼ぶことにします。


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  1. 2006/10/21(土) 13:45:04|
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行列の対角化

行列の対角化

2次正方行列2つのベクトルにかけられて、
 ・・・①
 ・・・②
という2式ができたとします。
この2式を1つの式にまとめる、という技巧があります。

という行列の積の計算をよく眺めると、
 ・・・③
という形をしていることがわかります。

同様に、2次正方行列と、2つの実数2つのベクトルがあるときに、


という2つの式を③を用いて1つにまとめることを考えます。

と書けるので、
 ・・・④
と書くことができます。

n次正方行列Aが、相異なる固有値,・・・,をもち、固有値,・・・,に対応する固有ベクトルが,・・・,だとすると、
,・・・,
が成り立ちます。これらについても、④と全く同様にして、行列を用いて1つにまとめて表すことができます。
 ・・・⑤
行列Aの固有ベクトル,・・・,を横に並べてできる行列をとすると、,・・・,1次独立(有値・固有ベクトを参照)なので、Pは逆行列をもちます。⑤は、Pを用いて、

と書くことができます。ここで、を左からかけると、

つまり、n次正方行列Aが相異なる固有値をもつときに、固有ベクトルを横に並べてできる行列をPとして、Aの左からをかけ、Aの右からPをかけると、固有値が対角成分となりそれ以外の成分はすべて0であるような行列になります。この操作を行列の対角化と言います。
注.実は、固有方程式:l重解をもつ場合であっても、固有値に対応する固有ベクトルがl個ある場合には、行列Aを対角化することができます。このときには、固有ベクトルを横に並べた行列をPとして、Aを対角化すると、のように、対角成分にl個並びます。
固有方程式:l重解をもつ場合、固有値に対応する固有ベクトルがl個未満の場合には、行列Aを対角化することはできず、類似の操作を行うと、Jordanの標準形と呼ばれる形になります。
2次正方行列の場合では、固有方程式が重解をもつと、に対する固有ベクトルは1つしか存在せず、対角化することはできません。

1を対角化する。
固有方程式は、より、


のとき、

例えば、
固有値2に対応する固有ベクトルは、tを実数として、
のとき、

例えば、
固有値3に対応する固有ベクトルは、sを実数として、
よって、とすると、


2は、固有方程式が重解をもち対角化できない。
固有方程式は、
 

のとき、

例えば、
固有値に対応する固有ベクトルは、tを実数として、
これ以外に固有ベクトルはありません。そこで、
となるベクトルを考えます。


例えば、
を固有ベクトルの代用として、を考えます。

この形は、対角成分に固有値が重解なので2個並び、固有値が並んだ右側に1が来ている形で、Jordanの標準形と言われています。
なぜこういう形になるかと言うと、として、
1つにまとめて書くと、

となるからです。
のようにとるのは、とするためです。

3を対角化する。
固有方程式は、
 

のとき、

これを満たすのは、例えば、,または、
よって、固有値1に対応する固有ベクトルは、
のとき、

これを満たすのは、例えば、
よって、固有値2に対応する固有ベクトルは、
とすると、

 


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  1. 2006/10/20(金) 10:13:30|
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1次変換(その2)

1次変換(その2)

1次変のつづきです。
1次変換fgの表現行列をABとする。ベクトルに対して、
のとき、

からへの対応をfg合成変換と言い、と表す。
であり、

となるので、合成変換の表現行列は
また、であって、が存在するとき、からへの対応をf逆変換と言い、と表す。
であり、

となるので、の表現行列は

と書くとき、まず、fが作用し、次にgが作用します。
の場合には、任意のベクトルをとって、を満たすが求められるわけではありません。このときにはfの逆変換は存在しません。
は、より、恒等変換です。
は、より、もとの変換fです。

1つ準備をしておきます。(行列列のを参照)
n次正方行列A成分をとして、Aの転置行列成分はです。
n次正方行列B成分をとして、成分は、です。
の転置行列成分は、です。これを、と見ると、成分、成分なので、成分と見ることができます。成分が成分に等しいので、

が成り立ちます。


を満たすn次正方行列Aを直交行列と言う。また、直交行列の表す1次変換を直交変換と言う。直交行列Aについて、であるとき、

が成り立つ。つまり、直交変換は、ベクトルの大きさを変えない変換である。
2次正方行列Aが直交行列であるとき、Aの表す1次変換は、
(i) が表す、角q の回転移動
(ii) が表す、直線:に関する対称移動
のどちらかに限られる。

数学Bで扱った内積は、行列の積に相当します。
n次元空間内のベクトルの内積:1次変換に際して保存されれば、ベクトルの大きさは変わりません。
として、
内積が行列Aの表す1次変換において保存されるのであれば、

こうなるためには、

であればよいことになります。この性質をもつ行列が直交行列です。
,・・・,を列ベクトルだとして、と書けたとします。
直交行列の条件は、

 
 
これが満たされるためには、クロネッカーのd記号(のときのとき)を用いて、

つまり、 ・・・①
() ・・・②
①より、列ベクトル,・・・,はいずれも単位ベクトルです。
②より、列ベクトルは互いに直交します。
つまり、直交行列は正規直交基底となるベクトルを横に並べてできている行列です(横ベクトルを縦に並べた、と、見ることもできる)

2次正方行列で直交行列となるものを考えてみます。上記により、列ベクトル(横ベクトル)は単位行列であって、互いに内積が0となるので、
 ・・・③
 ・・・④
 ・・・⑤
 ・・・⑥
 ・・・⑦
③より、とおけます。
⑤より、
⑥より、
⑦より、
このうち符号で意味のある組み合わせは、
,つまり、
,つまり、
従って、2次正方行列で直交行列となるものは、以下の2通りに限られます。
(i)
(ii)

(i)は、というベクトルにかけると、

 
 
よって、行列Aの表す1次変換は、原点のまわりにベクトルを角q だけ回転移動させることを意味しています。

(ii)は、直線: ・・・⑧ に関する対称移動(標平面における対を参照)を表しているのですが、が⑧に関して対称だとすると、として、


行列を用いて表すと、
両辺に左から、をかけると、

 
2倍角の公より、


よって、
これで確かめられました。


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  1. 2006/10/19(木) 07:26:32|
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1次変換

1次変換

この項目は、行列、ベクトルの1次独立を参照してください。
n次元ベクトル空間内の1次独立なn個のベクトルの組が、,・・・,、及び、,・・・,2系統あるとします。
n次元ベクトル空間内のと、11対応し、fという操作によって、に対応するとき、f変換と言い、と表します。
さらに、変換fが、任意の実数c,任意のベクトルに対して、
(i)
(ii)
を満たす(この性質を線形性と言います)とき、f1次変換と言います。

n次元ベクトル空間内のn個の単位ベクトルが互いに直交しているとき、この単位ベクトルの組を正規直交基底と言います。
正規直交基底として、,・・・,をとり、
()とします。
f1次変換のときには、線形性(i)(ii)が成り立つので、n次元空間内の任意のベクトル:に対して、

 
 
但し、
よって、1次変換fは行列を用いて記述できることがわかります。
また、逆に行列を用いて表せる変換は、線形性(i)(ii)を満たすので、1次変換です。
上記のように、行列は、もともと、のように表されていたベクトルを、のように表現し直しているので、基底,・・・,の組を基底,・・・,の組に入れ替えるという作業を行っているということがわかります。
行列Aは、正規直交基底:,・・・,1次変換fの行き先のベクトルを列ベクトルとして横に並べた形:をしています。

上記において、1次変換fに対して、行列Aのことを、1次変換f表現行列と言います。また、行列Aに対して1次変換fを、行列Aが表現する1次変換、というような言い方をします。

単位行列Eの表す1次変換は、n次元座標空間内の点を自分自身に移すので、恒等変換と言います。

2次元座標平面における1次変換の代表的な例として、以下の変換があげられます。
(1) x軸に関する対称移動:表現行列は
 
(2) y軸に関する対称移動:表現行列は
 
(3) 原点に関する対称移動:表現行列は
 
(4) 直線に関する対称移動:表現行列は
 


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  1. 2006/10/17(火) 22:11:41|
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ハミルトン・ケーリーの定理

ハミルトン・ケーリーの定理

この項目は、有値・固有ベクトを参照してください。
ハミルトン・ケーリーの定理n次正方行列Aの固有方程式:xAに変えた行列の多項式について、 (零行列)
2次の正方行列については、xAに変えた行列の多項式について、 (零行列)

[証明] 大学入試では、2次の正方行列に関するものしか出題されないので、以下が記憶されていればOKです。
2次の正方行列について、

 
 


n次正方行列Aについて、Aの固有値kは、固有方程式:の解です。
を展開して、と書けたとします。
固有値kについて、となるベクトル(固有ベクトル)が存在し、 ()です。
行列Aが異なる固有値,・・・, (の解)をもつとき、これらの固有値に対する固有ベクトル,・・・,1次独立で、n次元ベクトル空間内の任意のベクトルは、,・・・,1次結合の形に表すことができます。


 
 
 
 
 
は固有方程式の解なので、です。つまり、
 ・・・①
これが、n次元空間内の任意のベクトルについて成り立つので、

(証明終)

1.上記①の部分をもう少し詳しく書くと、という行列を任意のベクトルにかけてになるのなら、は零行列になると言っています。つまり、成分をの第行成分をとして、①は、に対して、 ・・・② が成り立つということです。任意のについて成り立つので、②の,・・・,も任意の実数です。任意の実数,・・・,に対して②が恒等的に成立する条件は、 ()です。即ち、ということになります。
2.上記では、行列Aが異なるn個の固有値,・・・,をもつ、つまり、固有方程式が異なるn個の解をもつ場合のみで書いてありますが、固有方程式がl重解をもつ場合(l重に縮退している」と言います)でも、固有値に対するl個の1次独立な固有ベクトルをとることができて、を示すことができます。

行列A1次式:の形について、

が、言えます(展開してみればOK)。行列の積は一般には左右を入れ替えると異なる行列になってしまいます(列のを参照)が、という形の行列の積では左右を入れ替えても同じ結果(これを、交換可能、とか、可換と言います)となります。
従って、という形で行列の積を扱う範囲においては、行列Aに関する和・差・積の計算を数の計算と同様に行うことができます。
今、固有方程式が、
 ・・・③
のように因数分解されていたとします。という形で行列の積を扱う範囲においては、数と同じように計算できるので、固有方程式のxを行列Aに置き換えた式も同じように因数分解した形で成立します。
 ・・・④
つまり、ハミルトン・ケーリーの定理によって書かれた行列の多項式に関する等式では、文字式と同じ感覚で因数分解(数の分解ではありませんが)して良い、ということになります。
但し、注意すべきことがあります。③より、は言えますが、④より、とすることはできません。
例えば、とすると、ですが、となります。

ハミルトン・ケーリーの定理は、以下の例のように、行列の多項式の次数を下げることに利用されます。

1のとき、を求める。
[解答] 行列の成分をそのまま使ってを計算するのでは損をします。
ハミルトン・ケーリーの定理より、


  ......[]

2のとき、 ・・・① が成り立つ。 () ()の値を求める。
[解答] ハミルトン・ケーリーの定理より、 ・・・②
①,②を係数比較して、とやってしまうと、不十分解になってしまいます。
1.と同じように、を消去する、という方針で臨みます。
②より、
①に代入して、
 ・・・③
ここで、であれば、

であれば、③式をで割って、

とおくと、
これを①に代入すると、

のとき、

のとき、

以上より、 ......[]

3のとき、 ()を求める。
[解答] ハミルトン・ケーリーの定理より、
行列で割り算ができれば、で割ればよいのですが、残念ながら数と同じような感覚で割り算を実行することはできません。
そこで、行列Axに置き換えてできる多項式で割り算を行います。
で割った余りを,商をとして、
 ・・・① (項式の除を参照)
①で、とすると、 ・・・②
①で、とすると、 ・・・③
③-②より、
②×3-③×2より、
①のxAに戻すと、

 
 
  ......[]


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  1. 2006/10/16(月) 09:18:00|
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固有値・固有ベクトル

固有値・固有ベクトル

この項目は、列と連立1次方程を参照してください。
正方行列Aに対して、連立方程式: が、以外の解をもつときのkの値を、行列A固有値と言う。また、そのkの値に対するを、固有値kに対する固有ベクトルと言う。
行列Aの固有値kは、方程式:の解として求められる。この方程式を固有方程式と言う。

は、ベクトルに行列Aをかけたものが、もとのベクトルと平行になるということを意味しています。
右辺を、として左辺に移項すると、

ここで、が存在するとして、左からかけると、


となるので、は存在せず、
 (行列(その3)を参照)
An次正方行列だとして、固有方程式を、成分を入れて書くと、
固有方程式は、という項を含むので、kについてn次方程式になります。
従って、n次方程式の解である、n次正方行列の固有値は、最大でn個あることになります。

固有方程式において、という項は、という項からしか出てきません。
これを展開して、の係数が1になるように書くと、

という形になります。このときに出てくる、行列Aの対角成分の和:を行列Aの対角和と言い、と表します。また、固有方程式の定数項は、としたもの、つまり、に一致します。従って、固有方程式は、
 ・・・①
という形をしています。

大学入試で登場する固有方程式のほとんどは2次の正方行列に関するものです。の場合、固有方程式は、

 
 
となり、①の形をしています。

例.のとき、 ()を満たす実数k (固有値)とベクトル (固有ベクトル)を求める。
[解答] 
 
 
......[]
行列Aの固有値は23です。
のとき、

例えば、
固有値2に対応する固有ベクトルは、tを実数として、
のとき、

例えば、
固有値3に対応する固有ベクトルは、sを実数として、
求めるは、のとき、のとき、 ......[]
行列Aには、固有の方向が、の方向との方向の2つあって、と平行なベクトルにAをかけると2倍され、と平行なベクトルにAをかけると3倍される、ということを言っています。

なお、n次正方行列Aの異なる固有値に対する固有ベクトル,・・・は1次独立です。なぜなら、あるij ()をとり、異なる固有値の対する固有ベクトルについて、 (pは実数)と書けたとすると、

という2通りの式が書けてしまい、辺々引くと、
より、となって、異なる固有値とした仮定と矛盾するからです。
従って、n次正方行列Aの異なる固有値に対するn個の固有ベクトル(が、存在したとして)を並べて作った行列:という形の行列を作ると、Pは正則(逆行列が存在する)です。なぜなら、固有ベクトルは零ベクトルでなく、行列式の性質より、 (pは実数)と書けなければ、だからです。


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  1. 2006/10/15(日) 09:45:01|
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逆行列(その3)

逆行列(その3)

(行列(その2)のつづきです)
(6) 偶順列、奇順列には、偶順列と偶順列、奇順列と奇順列をかけると偶順列となり、偶順列と奇順列、奇順列と偶順列をかけると奇順列になる、という性質があります。従って、に属する2つの要素stがある場合、

よって、行列Aの列を入れ替えてとなる場合、列の入れ替えを表す順列をtとして、

 
であり、Σのの要素すべてをとるので、を新たにsと書いてのすべての要素について足し合わせることにすれば、
 
 
(4)より、行列式では、列について成り立つことは行についても成り立つので、行列Aの行を入れ替えてとなる場合、行列Aの行の入れ替えを表す順列をtとして、

特に、行列Aの第j行と第k行を入れ替えてとなる場合、tは奇順列になるので、より、となります。

(7) 行列Aの第j行と第k行が完全に一致していた場合、第j行と第k行を入れ替えてとなっても、です。
ですが、このとき(6)より、

つまり、行列Aの中に、完全に一致する複数の行があるときには、行列式の値は0です。
例えば、 (1行と第3行が一致)

(8) 行列Aの第j行に第k行を加えたものをとして、

 
   
 
   
  (なぜなら、第2項の行列式は、第j行と第k行が一致していて0)
つまり、行列Aの第j行に第k行の定数倍を加えても、行列式の値は変化しません。

(9) 2つの行列AB成分をとして、行列の積の行列式は、

この第1行は、(5)において、となった形をしているので、次のように書き直せます。
 
2行も同様にして、(5)において、となった形をしているので、
 
以下、第n行まですべて書き直すと、
  ・・・①
については、の中に同じ番号が出てくると、第1行から第n行の中に、完全に一致する複数の行を含むことになり、(7)より行列式の値は0になります。従って、①のΣで、行列式の値が0でなく生き残るのは、がすべて異なる数になる場合のところだけです。n個の数字がすべて異なる場合、は、を並べ替えた順列であっての要素です。
は、の行を入れ替えた行列式なので、として、(6)より、

①に代入すると、klmのΣの中で生き残っているのが、の要素となるところだけであることに注意すると、Σはのすべての要素についてだけとればよく、

 
積の行列式は、行列式の積です。

(10) n次正方行列A成分をとします。また、行列Aの第i行と第j列を取り除いてできる次正方行列の行列式をかけたものを行列Aの第余因子と言います。
行列Aの第k行を第行と入れ替え、さらに、第行と入れ替え、ということをして、最後に、第1行を入れ替えるとします。
この並べ替え操作sは、kが奇数なら偶順列、kが偶数なら奇順列になります。
 ・・・②
行列式の定義()から、この第1行をいくつかの行列の和と考えることにより、
 
        
この後、第1行が0でない要素を含む列を、行の入れ替えと同様にして、第1列まで移します。第l列を第1列まで入れ替えてゆくと、行列式にがかかります。
 
       
 
 ・・・③
これを、行列式の第k行に関する展開と言います。

例.では、上記において、とすると、

 
では、上記()において、とすると、

 
 
 

(11) (10)③式でki ()だったとしてみます。これは②式でkiに変えてみると、②式右辺で第1行と第j行が全く一致していることを意味するので、②の行列式の値は0になります。
つまり、のとき、
これと③を合わせて、
成分とする行列(余因子行列と言います。右辺と左辺でjkの並びが入れ替わっていることに注意してください)を考えると、

余因子行列をBn次の単位行列をEとすると、
つまり、
よって、n次正方行列Aの逆行列は、Aの余因子行列をAの行列式で割ったもの、ということになります。

例.の余因子行列は、

よって、


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  1. 2006/10/14(土) 10:36:17|
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逆行列(その2)

逆行列(その2)

この項目は、行列列の本変を参照してください。
ここでは、の場合のn次正方行列の逆行列を考えます。大学入試には、ほとんど無関係です。どうしても、3次以上の行列の逆行列がどうなるか知りたい、という人のための項目です。
まず、少々準備をします。
12,・・・,nn個の自然数の並べ替えてできる順列は、通りあります。この集合とします。例えば、



  
  
  
  
  
です(合の要素のを参照)
また、の要素の中で、は、から341回入れ替えるだけで並べ替えが完了します。
は、から34を入れ替えて、さらに、24を入れ替えて並べ替えが完了します。
の要素の中で、12,・・・,nn個の数字を小さい順に並べた順列から出発して、2個の数字の偶数回の入れ替えで並べ替えが完了する順列を偶順列と呼ぶことにします。また、2個の数字の奇数回の入れ替えで並べ替えが完了する順列を奇順列と呼ぶことにします。
では、は奇順列、は偶順列です。
の要素に対して、となるすべての2ijの組についてをかけ合わせたものを差積と言います。個の項の積になります。
の要素に対して、差積は、です。
の要素に対して、差積は、です(と比べると、が入れ替わっている)
です。
の要素に対して、差積は、です(と比べると、が入れ替わっている)
です。
一般に、の要素に対する差積をとして、の要素で奇順列となるものは差積はとなり、偶順列となるものでは差積はに一致します。

ここで、という記号を、次のように定義します。
   の要素sが偶順列ならsが奇順列なら
では、です。
では、となります。

前置きが長くなりましたが、n次正方行列A成分をとすると、行列Aの行列式は以下のように定義されます。
    ()
ここで、の要素sの順列がだとします。
の要素であれば、です。
Σは、のすべての要素について加え合わせる、という意味です。

A2次の正方行列の場合には、

 
A3次の正方行列の場合には、

  
  
 

行列式を、のようにも表しますが、絶対値と間違わないようにしてください。行列式は、ということもあり得ます。

(1) です。なぜなら、行列式の定義()において、の要素すべてにわたって足すときに、以外の項はすべて0だからです。同様に、


(2) j行がすべて0である行列の行列式は0です。なぜなら、行列式の定義()において、足しあわされるすべての項に、第j行の成分が含まれて、すべての項が0になるからです。

(3) j行のすべて成分に定数cをかけると、行列式もc倍になります。なぜなら、行列式の定義()において、足しあわされるすべての項に含まれる第j行の成分c倍されるからです。

(4) 行列Aの転置行列の成分は元の行列の成分の行番号と列番号を入れ替えたもので、行列式は、のようになりますが、sが行列Aで偶順列なら転置行列でも偶順列、行列Aで奇順列なら転置行列でも奇順列なので、転置行列の行列式が、元の行列の行列式に一致することが証明できます。つまり、

これより、行列式に関して、列について成り立つことは行についても成り立ちます。行について成り立つことは列についても成り立ちます。

(5) j行がすべて、という形をしている場合、行列式の定義()より、

 
 
 
     

(行列(その3)につづく)


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  1. 2006/10/14(土) 10:34:49|
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基本変形

基本変形

この項目は、行列列のを参照してください。なお、基本変形は、大学入試ではほとんど出題されないテーマです。どうしても、3次以上の行列の逆行列の求め方が知りたい、という人のための項目です。
連立方程式:
を解くことを考えます。①~③を行列を用いて書くと、 ・・・④
として、 ・・・⑤

まず、zを消去します。
①×+②より、 ・・・⑥
これが、行列を用いて書かれた連立方程式④では、どういうことになっているかを考えてみます。
②の代わりに、⑥を考えても方程式を解くことができるので、④の行列Aの第2行をからに入れ替えた行列

を考え、として、を解けばよい、ということを意味しています。
Aからを作る方法を考えてみます。Aの第1行と第3行には影響を与えず、第2行については、Aの第1行の倍をAの第2行に加え合わせたものが来るようにすればよいので、という行列を考え、これをAの左からかけてやると、

つまり、連立方程式の②を⑥に置き換えたい場合には、行列の第2行のところを、①にかける数成分、②にかける数1成分、③にかける数0成分とし、行列の第1行は①そのままにするのであれば,行列の第3行は③そのままにするのであればとしたものをとして、もとの行列Aにかけてやればよいのです。④右辺についても、


次に、①×3+③より、 ・・・⑦
③を⑦に入れ替えても方程式を解くことができるので、行列の第3行をからに入れ替えた行列

を考え、として、を解けばよい、ということになります。からを作る行列は、先ほどと同じように考えて、第1行は,第2行は,第3行はとした行列をとすれば、となります。右辺についても、

次に、⑥+⑦より、
両辺を3で割って、 ・・・⑧
となるのですが、これはの第1行と第2行を変えないで、第3行に第2行を加えたものが入るので、として、
さらに、第1行と第2行を変えないで、第3行を3で割るので、として、

次にyを求めるために、⑥に⑧の6倍を加えると、,両辺を16で割って、 ・・・⑨



最後に、①に⑧の倍を加えると、

さらに、⑨の3倍を加えて、

これで解が求まっているのですが、に上からzの解、yの解、xの解、と並んでしまうので、第2行を変えないで、第1行と第3行を入れ替えることにします。このためには、という行列をに左からかけます。
 (が第3行を第1行に移し、第1行を第3行に移しているのをよく理解してください)

これで、最終形は、,即ち、となるので、きれいに、という解の形が出てきます。

さて、以上の過程で何をしたのかと言うと、元々の方程式⑤の両辺に、左から、,・・・,を順次かけて、最終的に、
 (Eは単位行列)
という形を作ったのです。このときのが連立方程式の解になっているのです。
つまり、となるようにすれば、が連立方程式の解になる、ということです。
また、は、Aの逆行列になっています。
3次以上の正方行列の逆行列は、この方法によって求めるのがラクです。コンピュータのプログラミングにも向いた方法です。

3つのタイプに分類できます。
(i) i行に第j行のk倍を加える。上記のがこのタイプです。
(ii) i行をk倍する。上記のがこのタイプです。
(iii) i行と第j行を入れ替える。上記のがこのタイプです。
以上の操作では、この3種類の変形を行うことにより、正方行列Aの逆行列を求めていたのです。
正方行列が逆行列を持てば、この方法で必ず逆行列が求められることが証明されています。
この3種類の変形は()基本変形と呼ばれています。

実際に、逆行列を求める場合には、行列Aの右に単位行列Eをつけたという形の行列に基本変形を施し、最終的にという形が得られるとすると、このMになります。
上記のでは、以下のようになります。右の方から順々に行列の成分を0にしていくように変形するのがコツです。

 (2行に第1行の倍を加えた)
 (3行に第1行の3倍を加えた)
 (3行に第2行を加えた)
 (3行にをかけた)
 (2行に第3行の6倍を加えた)
 (2行を16で割った)
 (1行に第3行の倍を加えた)
 (1行に第2行の3倍を加えた)
 (1行と第3行を入れ替えた)
よって、
なお、に上記と同じような操作を行い、最終的にという形になれば、このが連立方程式の解を与えます。


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  1. 2006/10/12(木) 07:36:46|
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行列と連立1次方程式

行列と連立1次方程式

この項目は、行列列のを参照してください。
連立1次方程式:
を行列を用いて表すと、

この行列Aを連立方程式の係数行列と言います。
が存在するとき、つまり、であるとき、解は、

2元連立1次方程式を考えます。上記のように行列を用いて、

と表されているとき、が存在するなら、両辺に左からをかけて、


これで、連立方程式の解が求められます。

1. 
行列を用いて、

 
......[]

2元連立1次方程式の場合、行列を用いるよりも、普通に1文字消去して求める方が速いかも知れませんが、100元連立1次方程式、1億元連立1次方程式といった方程式を計算機で解かせることまで考えると、2元連立1次方程式を行列で扱うことにより有用な知見が得られるのです。

として、が存在しないとき、つまり、のときについて考えてみます。
但し、方程式として意味をもつように、abは同時に0ではなく、cdは同時に0ではないことにします。
のとき、
(i) だとすると、なので、,また、です。
このときは、連立方程式は、となり、のときには、直線上のすべての点の座標が解となり、のときには解は存在しません。
(ii) のとき、とおくと、

このときは、連立方程式は、となり、のときには、直線上のすべての点の座標が解となり、のときには解は存在しません。

以上で、(i)のとき、(ii)のときには、は同一の直線を表しており、直線上の点の座標はすべて解となります。このときには、連立方程式の解は無数にあることになり、連立方程式は「不定」であると言います。
(i)のとき、(ii)のときには、は、異なる平行2直線を表しており、平行2直線は交点を持たないので、連立方程式の解は存在しません。このときには、連立方程式は「不能」であると言います。

2.連立方程式: の解が、実数aの値によってどのように変わるかを調べる。
[解答] 係数行列は、

よって、,即ち、 かつ のときには、ただ1組の解をもつ。
のときには、連立方程式は、ともに、となり、直線:上のすべての点の座標が解となり、解は無数にある。
のときには、連立方程式は、となり、異なる平行2直線を表すので、解は存在しない。

3.連立方程式: が、以外にも解を持つようにkの値を定める。
[解答] とすると、連立方程式は、 ・・・① と書けます。
を左辺に移項して、 (E2次の単位行列)と見ると、
 ・・・②
ここで、が逆行列をもつとすると、②の左からかけて、


これでは、連立方程式の解が、だけになってしまいます。従って、は存在しません。つまり、です。

......[]

3元以上の連立1次方程式については、本変を参照してください。


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  1. 2006/10/11(水) 08:01:17|
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逆行列

逆行列

この項目では、行列列のを参照してください。
正方行列Aに対して、 (E:単位行列)をみたす行列Bを、A逆行列と言い、 (A-inverseと読みます)と書く。
即ち、
2次の正方行列に対し、A行列式と言う。行列式は、のようにも表す。
Aは、のときに、逆行列をもち、 ()
のときには、行列Aは、逆行列をもたない。

正方行列Aが逆行列をもつときは、1つしか逆行列をもちません。仮に、Aの逆行列がBC2つあったとする()と、 ()ですが、左からをかけると、

となって矛盾を生じます。
()は、行列の積を計算してみると、


よって、です。

n()の正方行列の場合の行列式の公式は複雑です。少なくとも大学入試では不要です。
注.実は、クラメールの公式と呼ばれる公式があるのですが、本変による方が遙かに簡単です。
行列Aが逆行列をもつ、つまり、のとき、行列Aを正則と言います。
が逆行列をもつとき、2個のベクトル1次独です。

正方行列Aについて、より、です。

例.(1) は、より、逆行列をもちます。
(2) は、より、逆行列をもちません。より、行列内の2個の列ベクトルは1次独立ではありません。
(3) は、より、逆行列をもちます。

n次正方行列ABがともに逆行列をもつとき、


より、

です。

として、


 
 
 
 
従って、ABのいずれかが逆行列を持たなければ(または)も逆行列を持ちません()


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  1. 2006/10/10(火) 06:50:00|
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行列の積

行列の積

この項目では、行列も参照してください。
2個のベクトルの積:
  (左側を行ベクトル、右側を列ベクトルにする。数学Bに出てくるベクトルの内積だと思えばよい)
m×l行列l×n行列として、
  (m×l行列とl×n行列の積はm×n行列)
 ただし、 ()
特に、2次の正方行列どうしの積は、として、



行列の積ABにおいては、左側Aの列数と右側Bの行数が同じでないと積の計算が行えないことに注意してください。
行列の積ABの行数は、左側Aの行数に一致し、列数は右側Bの列数に一致します。
2次の正方行列どうしの積については、というように覚えましょう。
3次の正方行列どうしの積については、となっています。
左側の行列を横に見て、上中下と分け、右側の行列を縦に見て、左中右と分ける。各組合わせごとに内積を計算します。
行列の積では、左側にくるものと右側にくるものとで扱いが違うので、積の左右を入れ替えると、一般に異なる行列になります。
つまり、が異なるのがふつうです。
従って、行列の計算では、一般に、
 
のように計算することができません。こうなるのは、のときだけです。正しくは、
 
 

1.  (数学B内積と同じです)
2(1) (左右を入れ替えると積が異なる)
(2)

行列の積について、以下のことが成り立ちます。
(1)
(2)
一般的に証明すると大がかりなので、ABC2次正方行列の場合で確かめておきます。
として、
(1)

 


 
 (この積を単にとも書きます)
(2)
 





 





また、実数倍と行列の積については、入れ替えて計算することができます。つまり、

これも、2次正方行列の場合で確かめておきます。


 (この積を単にと書きます)

n次正方行列An次単位行列En次正方行列の零行列Oとの積について以下のことが成り立ちます。


わかりづらくなりますが、行列の積を成分に着目して、以下のように見ることもできます。
IJ列の行列AJM列の行列BMN列の行列Cの積を考えてみます。
行列A成分を ()
行列B成分を ()
行列C成分を ()
とします。
行列の積成分は、について行列A成分と行列B成分をかけて足し合わせたもので、となります。
行列の積成分は、について行列成分と行列C成分をかけて足し合わせたもので、となります。

 
 
よって、
同様に、行列の積成分は、
行列の積成分は、
Σ記号の順番は入れ替えても和の値には影響ありません。長方形に並んだ数を横に足してから縦に足すか、縦に足してから横に足すか、という違いだけです。
よって、
これで、のすべての成分について等しいことが言えるので、です。
については、ーリエ級のところで出てくる、クロネッカーのデルタ記号:の利用が便利です。は、
のときに、のときに、
と定義されるので、単位行列の成分そのものです。
n次正方行列A成分を ()n次単位行列の成分をクロネッカーのデルタ記号を利用してとすると、
成分は、
は、のときのみ1で残りは0なので、和は、のところだけが生き残って、

つまり、積成分はです。ということは、ということです。
同様に、積成分は、
よって、
これで、
が言えます。

目がチカチカしますが、将来、相対性理論をやろうという意欲をお持ちの方は、「縮約」というのですが、こういう計算が腐るほど出てくるので、よく慣れておいてください。


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  1. 2006/10/09(月) 09:49:39|
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行列

行列

いくつかの数を長方形状に並べたものを行列と言う。
横の並びを1組にして、縦の並びを1組にしてと言う。
行列があるとき、
を第1行,を第2行,を第i行と言う。
を第1列,を第2列,を第j列と言う。
を行列の成分、成分、成分(i行目のj列目)と言う。
行の数m、列の数nの行列を、mn列の行列m×n行列'と言う。
とくに、nn列の行列をn正方行列と言う。
n次正方行列の(行の番号と列の番号が同じ成分)を行列A対角成分と言う。
n次正方行列の対角成分が全て1,他は全て0になる行列n単位行列と言う。
成分が全て0の行列を零行列と言い、O (大文字のオー)で表す。
行列Aの第i行を第i列にしてできる行列(行と列を入れ替えた行列)
A転置行列という。
1行のみの行列を行ベクトル、1列のみの行列を列ベクトルと言う。
行列を、行ベクトルを縦に並べたもの、列ベクトルを横に並べたものとして扱うことがある。
このウェブサイトでは、行列を扱うとき、単にベクトルと呼ぶときは縦ベクトル(縦に数字を並べたベクトル)を表すものとする。
また、縦ベクトルを横ベクトルに直すときには転置記号を使うことにする。つまり、
とするとき、と書くことにする。
,・・・,とすれば、のように表せる。
,・・・,とすれば、のように表せる。つまり、行ベクトルを、その行の成分を一旦縦ベクトルの形に書いて転置したものとして考える。


1(1) 23列の行列。31列の行列(または3次元列ベクトル)
(2) 2次の正方行列,2次の単位行列。
(3) 3次の正方行列,3次の単位行列。

2. 


行列の和と差:として、
  (複号同順)
行列の実数倍(スカラー倍)


A成分をB成分をとして()
(すべてのijに対して)
成分は、 (同一成分どうしで和と差をとればよい)
成分は、 (全ての成分に実数cをかける)

3. として、
かつ かつ かつ

4.  (零行列)

2つの同型の行列ABの和について、
交換法則:
結合法則:
が成立する。また、


行列の実数倍について、
(p:実数)
pqを実数,ABを同型の行列として、



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  1. 2006/10/08(日) 10:42:05|
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積分法

積分法

 数学Ⅲの積分では、三角関数、指数関数、対数関数を含む関数の積分も扱います。これらの積分には、置換積分法、部分積分法などの技巧が必要になります。また、区分求積法により、積分の原理を学びます。
 積分法を応用することにより、面積、体積、曲線の長さなどの計算を行うことができます。ここでは、種々の曲線について、面積、体積の計算を行った例も取り上げます。
 この項目では、定積積分の公積分と微積分と面対値を含む積の項目も参照してください。

ここで学習する内容は、以下の通りです。各項目をクリックしてください。

定積分の公  ()
換積 そのままの形では積分計算ができなくても、被積分関数の中の式を文字に置き換えたり、文字を式に置き換えたりすると、積分計算が行える場合があります。の置き換えを扱います。
換積分(その2) では、とおき、では、とおくとうまくいくことがあります。
分積分 公式:により積分が行える場合があります。
積分の漸化 というタイプの漸化式を考えます。の漸化式:
関数・奇関数の積 が偶関数であるとき、が奇関数であるとき、
角関数の積 という形の積分は、nに入る自然数によって計算のしかたを工夫する必要があります。
数関数の積 分母、分子がxの整式であるような分数関数は、部分分数に分けることによって積分を実行します。
換積分(その3) の置き換えを扱います。
積分と微分(その2) 
分求積 定積分が面積を表していることを確認します。無限級数を定積分に変換する公式:
積分と不等 のとき、
段関数と不等 のような数列和は求められないので、定積分を利用して不等式で評価します。
ーシー・シュワルツの不等 
積分と面積(その2) 数学Ⅱでは扱わなかった関数のグラフについて面積を考えます。
積分と体 断面積をとして、によって立体の体積を計算することができます。
x軸のまわりの回転 x軸のまわりの回転体の体積は、として計算できます。
y軸のまわりの回転 y軸のまわりの回転体の体積は、として計算できます。円筒分割にも触れます。
回転 曲線を直線:のまわりに1回転させたときにできる回転体の体積を求める方法を考えます。
線の長 曲線:の長さは、として計算できます。高校教科書では、発展事項としての扱いです。
イクロイ で与えられる曲線をサイクロイドと言います。
ステロイ で与えられる曲線をアステロイドと言います。
ージオイ  () で与えられる曲線をカージオイドと言います。
ピサイクロイ で表される曲線をエピサイクロイドと言います。
イポサイクロイ で表される曲線をハイポサイクロイドと言います。
理への応 微積分を使って物理の問題を考えます。ここでは、速度、加速度、等加速度運動、等速円運動を扱います。
理への応用(その2) 「物理への応用」の続きです。ここでは、単振動、また、速度に比例する抵抗力が働く運動を扱います。
衰振動関 「物理への応用(その2)」で出てくる減衰振動関数は、大学入試でも頻出です。グラフ、面積を考えます。
ーリエ級 関数を正弦・余弦の級数和として表すという技巧があります。それに必要となる定積分の計算法を学びます。
分方程 導関数や元の関数を含む等式を微分方程式と言います。変数分離型などの簡単なものを扱います。高校教科書では、発展事項としての扱いです。
分方程式(その2) 微分方程式のうちでやや技巧の必要な、線形1階、線形2階の微分方程式を扱います。


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  1. 2006/10/07(土) 19:33:07|
  2. 数学Ⅲ
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微分方程式(その2)

微分方程式(その2)

微分方程式の続きです。

線形
1階微分方程式と呼ばれるタイプがあります。y1次式で表される微分方程式です。
 ・・・①
のような形をしています。まず、

という変数分離型の微分方程式を考えます。を移項して、を両辺にかけyで割ることにより、


とすると、
 (C:積分定数)

と置き直すと、

ここで①の解を考えるのですが、今定数としているDxの関数として、と置き直したものが①の解になると考えます。この技巧を定数変化法と言います。
 ・・・② として、①に代入すると、

 
 
より、

これより、


②に代入すると、

が解になります。

1. 右のような、交流電源と抵抗とコイルが直列に接続された電気回路で、電源電圧がのように変化するとき、回路に流れる電流を求める。
[解答](物理を選択していない人は、微分方程式を解くところだけを着目してください)
電流をIとして、抵抗両端の電圧は,コイル両端の電圧は
キルヒホッフの第2法則により、回路の電圧降下と起電力が等しく、
よって、 ・・・①
という微分方程式が得られます。
まず、
と解くと、


 (C:積分定数)

①の解を求めるために、定数に置き換えて、 ・・・② を①に代入します。




 
 
 
 
 

 (C:積分定数)
②に代入すると、 ......[]

物理への応用(その2)で出てきた、

のように、2階の微分、1階の微分、もとの関数の1次式で表されるタイプを線形2階微分方程式と言います。
線形
2階微分方程式のうち、定数係数のものを考えます。
 ・・・③
いろいろな解法があるのですが、ここでは、③を形式的に以下のように書き換えます。
 ・・・④
微分を含む式を因数分解するので、驚くかも知れませんが、右側を通常の数式と全く同様に展開してみると、

となり、であればよいことになります。つまり、tに関する2次方程式:2解をab として、④式を考えればよいのです。
さて、
とし、④式を見て、を満たす解をとすると、なので、は④の解です。
同様に④は、
とも書けるので、を満たす解をとすると、も④の解です。


 (:積分定数)

同様に、の解は、を定数として、
ここで、という関数を考えると、

 
となり、として、 ・・・⑤ (この形を、ベクトルのにならって一次結合と言います)は④の解になっています。

の場合には、④は、となりますが、中カッコの中をzとすると、の解は、
よって、の解を、線形1階微分方程式で用いた定数変化法を用いて、として代入すると、


 (cdは定数)
④が、となったときの解は、となります。

に戻ります。
2次方程式:が、判別式:であって、ab がともに実数の場合には,⑤で問題ありませんが、であって、ab が虚数の場合には、 (iは虚数単位)だとして、④の解が、

ということになってしまいます。このときには、オイラーの公式を用い、として、

      
yが実数であるなら、

となります。
pqが実数であるときには、となり、

となるように、を決めておけば、

この場合には、解を、

の形に書くことができます(の形でもよい)の場合には、減衰振動(物理への応用(その2)を参照)を表します。


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(C)2005, 2006,2007, 2008 (有)りるらるNewton e-Learning

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  1. 2006/10/06(金) 11:11:03|
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微分方程式

微分方程式

理への応用(その2)という項目の中に、
一定の力と速度に比例する抵抗力を受けて運動する物体に関する関係式として
 ・・・①
とか、単振動している物体にさらに速度に比例する抵抗力も働く場合の関係式として、
 ・・・②
という式が出てきました。それぞれ、運動を表す式ですが、ある関数の導関数を含んでいる関係式を微分方程式と言います。
①の場合には、が、微分方程式①の解になります。
②の場合には、例えばの場合には、 (ただし、) が解になります。
このように、微分方程式では、微分方程式を満たす関数が解になります。
微分方程式では、微分方程式を満たす関数を求めることを、「微分方程式を解く」と言います。

微分方程式を解く際に、不定積分の計算が出てくるのですが、不定積分を行うと積分定数が出てきます。この積分定数の値を確定するために、時刻における速度の値や、x座標の値を指定したりします(何をどう指定するかは問題ごとに異なります)。積分定数の値を指定するための条件を初期条件(ある時刻における関数値、導関数値などを指定)、境界条件(ある位置における関数値、導関数値などを指定)などと言います。

微分方程式でもっとも簡単なものは、

というタイプです。
これは、右辺をxで積分することにより、即座にyが求まります。つまり、


1. ,但し、のときとする。
[解答]  (Cは積分定数)
のとき、
......[]

次に簡単なタイプは、
 ・・・③
というタイプです。上記の①:は、このタイプです。
理への応用(その2)という項目においては、逆関数の微分法の公式を用いて、


としたのですが、これを、を分数のように扱い、③を形式的に次のように式変形します。
を右辺に移項し、を左辺に移項(を両辺にかけ、で両辺を割るという感覚です)し、

という形を作って、両辺に積分記号をつけます。

 (積分定数は、にまとめます)
とします。

2. ①を、のときという初期条件のもとに、この形式で解くと、
[解答] 


 (Cは積分定数)

ここで、と置き直すと、
のとき、

......[]
注.厳格には、で割るので、という確認が必要です。この問題では、初期条件にという条件が必要になります。

③をもう少し複雑にしたものに変数分離型と呼ばれるタイプがあります。これは、xのみの関数yのみの関数の積の形に表せるというものです。つまり、

両辺に形式的にをかけ、で割ります。


ここから、関数を求めます。

3. abを与えられた正の定数とする。cがいろいろな値をとることにより得られる曲線群:の曲線のすべてと直交する曲線を求める。但し、求める曲線は点を通過する曲線であるとする。
[解答]  両辺をxで微分すると、 ・・・④
求めたい曲線は、ある特定のcの値に対する1つの曲線と直交するのではなく、cがいろいろな値をとることにより得られる曲線群のすべてと直交するので、を用いてcを消去します。


この式は、曲線群に属する曲線の点における接線の傾きがであることを意味しています。
従って、これと直交する曲線の同じ座標における接線の傾きは、でなければなりません。
従って、求める曲線について、が成立します。
両辺に形式的にをかけ、xで割ると、


(Cは積分定数)
両辺にをかけて、
これは楕円です。
この問題に関する限り、もとの曲線群に属する曲線の一つが、x軸、あるいは、y軸に一致することはあり得ないので、楕円のx軸上の点とy軸上の点を除いておかなければなりません。
この楕円が、を通過するような楕円である場合には、となります。求める曲線は、楕円: (但し、を除く)となります。
もとの曲線群が、だったとすると、を通過するのならを通過するのならという双曲線になります。
注.ある曲線群に属するずべての曲線と直交する曲線を直交截線と言います。物理の電磁気で出てくる、すべての電気力線と垂直な等電位線がこれにあたります。


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  1. 2006/10/05(木) 09:47:32|
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フーリエ級数

フーリエ級数

mnを整数として、




[証明]のとき、
 
のとき、を和に直す公により、

 
のとき、
 
のとき、を和に直す公により、

 
また、を和に直す公により、

 
 
   
 
   
 
(証明終)

クロネッカーのデルタと呼ばれる記号 (mnは整数)は、以下のように定義されます。
のときのとき
この記号を使うと、上記は以下のように書けます。




は、の範囲で積分可能な関数だとする。を以下のように級数展開したものを、フーリエ級数と言う。
   
ただし、,・・・,また、,・・・,(これらを総称してフーリエ係数と言う)は、
 ()
 ()


 ・・・① と表せたとして、両辺にをかけて積分すると、

       
 
 
は、の中で、のところだけ、つまりだけが生き残るという意味です。
 ()
①両辺にをかけて積分すると、

        
 
 
以上より、 ()
①両辺をそのまま積分すると、

 


が奇関数である場合、は偶関数、は奇関数になるので、
 (関数・奇関数の積を参照)
このときは、フーリエ級数は、sinの項のみで表せて、

となります。を基本振動、2倍振動、3倍振動、・・・、のように言います。2倍振動以降を単に倍振動と言います。
フーリエ級数は、任意の振動が、基本振動とそれの倍振動の和に分解されることを言っているのです。
係数のは各振動の割合を示す数字で、がその振動の強さ(エネルギー)の割合を表しています。

が偶関数である場合には、は偶関数、は奇関数になるので、

このときは、フーリエ級数は、cosの項と定数項のみで表せて、

となります。

例.をフーリエ級数の形に表す。
は奇関数なので、sinの項のみで表すことができます。

 
 



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  1. 2006/10/04(水) 12:13:19|
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偶関数・奇関数の積分

偶関数・奇関数の積分

のグラフがy軸に関して対称であるとき、つまり、定義域内のxに関して、が成り立つとき、偶関数と言う。
のグラフが原点に関して対称であるとき、つまり、定義域内のxに関して、が成り立つとき、奇関数と言う。
(1) が偶関数であるとき、
 
(2) が奇関数であるとき、
 

[証明](1)について、
右辺第1項の積分は、とおくと、xのとき、t (換積を参照)
また、が偶関数であることから、,よって、


(2)について、
右辺第1項の積分は、とおくと、xのとき、t
また、が奇関数であることから、,よって、

 

(証明終)

(1)は、偶関数では、曲線の部分との部分とは同じ形をしています。
この2つの部分とx軸とに挟まれている部分の面積は等しいので、定積分の計算では、の部分を2倍すればよいのです。
(2)は、奇関数では、曲線の部分との部分とでは、同じ形ですが、符号がちょうど逆になっていて、
定積分についても、という関係にあるので、足し合わせれば0になるということです。

例.を計算する。
[解答]  積分区間が、という風になっている場合には、必ず関数の偶奇に注意してください。

 
ここで、は奇関数なので、定積分は0になります。は偶関数なので、の定積分だけ、積分区間をとしたものを2倍にして計算すればよいのです。
 
 
 
  ......[]


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  1. 2006/10/04(水) 12:12:12|
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減衰振動関数

減衰振動関数

この項目については、理への応用(その2)を参照してください。
として、xの関数:の挙動について調べます。
この関数は、xを時間とみると、減衰振動している物体の座標を表す関数です。
まず、グラフを調べてみます。

 
dは、を満たす角で、より第2象限の角 ()
とすると、
よって、nを整数として、

として、のとき、
として、のとき、
これより、における増減表は以下のようになります。
より、であることに注意してください。
x0
00
y00
増減表より、グラフは右図(黒が,黄緑が,緑が,橙が,但し、見易いようにy方向の縮尺を曲線ごとに変えています)
は、で極大、で極小になりますが、減衰振動関数: では、極大位置と極小位置が若干左にずれることに注意してください。では、が共有点をもつだけで、減衰振動関数は、極大、極小にはなりません。
のときには、より、において極大、において極小。
のときには、より、において極大、において極小。

減衰振動関数:の部分とx軸で囲まれた部分の面積Sを求めるという問題が大学入試で頻出です。
のグラフは、jを整数として、においては、よりx軸の上側にあり、においては、よりx軸の下側にきます。面積を計算するに当たり、定型的な考え方をするのであれば、x軸の上側にくる部分と、x軸の下側に来る部分とに分けて計算する必要があります。
しかし、換積をすることにより、場合分けなしで計算する方法があります。
Sを式で表すと、の範囲との範囲で積分区間を分ける必要があり、

となります。

ここで、となっている積分区間を、とするために、

とおきます。この置き換えをしっかり覚えてください。

tで両辺を微分して、

xのとき、t
よって、

ここで、であり、にはtが含まれず、tに関する積分の外に出すことができます。また、つまり、においては、なので、

従って、

 (分積分を参照)
 
 
 
 
 



よって、求める面積Sは、

これは、初項:,公比:限等比級であって、より、であり、無限等比級数は収束して和を持ちます。従って、
 (最後に分母・分子にをかけました)


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  1. 2006/10/03(火) 11:10:13|
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コーシー・シュワルツの不等式

コーシー・シュワルツの不等式

において積分できるような関数であるとき、
 
この不等式を、コーシー・シュワルツの不等式と言う。

[証明] において積分できるような関数であって、この範囲でが恒等的に0にはならないとします。
tを任意の実数として、
よって、として、 (積分と不等を参照)
不等号の等号は、におけるすべてのxについて、であるときに成立します。


( においてであって、は恒等的に0ではない)とおくと、

この不等式が成り立つ条件は、より、tに関する2次方程式:が、相異なる2実数解をもたない(重解か2虚数解をもつ)こと(2次方程式の一般を参照)で、2次方程式の判別式:について、


(証明終)

例.  を示す。
[解答] コーシー・シュワルツの不等式より、


辺々加え合わせて、



ここで、分積をするのですが、

としてしまうと面倒なので、と見て以下のようにします。

 
 
 
 
注.において、より、


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  1. 2006/10/02(月) 10:46:28|
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