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東大物理'11年前期[3]検討

東大物理'11年前期[3]検討

[3](解答はこちら) 本問は、Ⅱ(3)(4)を除けば、教科書の例題レベルの基本問題です。東大と言えども、合格のためには教科書をしっかりマスターするところから始めるべきだ、ということがわかる問題です。難関大学だから、基本などやっている場合ではない、高級な受験技巧を修得するべきだ、という発想は、特に物理では誤りです。天体の運動や電磁気現象など、自然現象は、基本的な物理法則に従っています。複数の物体がからんで複雑になることはありますが、受験技巧に従って動くわけではありません。難解そうに見える入試問題であっても、基本的な物理法則に立ち返って考えるべきです。
さて、本問では、Ⅱ
(3)になると教科書の基礎事項だけでは扱いきれなくなります。教科書には、定圧変化、定積変化、等温変化、断熱変化の4種類の変化が説明されていますが、本問Ⅱの変化は、その4種類の変化のいずれにも該当しません。敢えて言えば、直線的変化とでも言うべき第5の変化をします。この変化の過程において、圧力も体積も温度も変化していきます。また、熱の移動もあります。入試では、ばねがついているピストンの問題や、空気バネの問題などで、こうした変化が出現します。従って、ここでは、気体のした仕事を、定圧変化のように、圧力×体積変化として計算したり、等温変化のように、気体のした仕事=気体の吸収した熱としたり、断熱変化のように、気体のした仕事=気体の内部エネルギーの減少分として求めることはできません。ここでは、pV図の面積として仕事を求めることになります。ここでは、台形の面積として仕事を求めることができるので必要はありませんが、問題によっては、圧力pを体積Vの関数として、Vからまで変化する時に気体がする仕事Wを、

として求めることもあります。ですが、これも、高級な受験技巧と言えるものではなく、
pV図の面積を定積分計算によって求めるというだけであって、pV図の面積は仕事を表す、という教科書レベルの基礎事項です。
本問Ⅱ
(4)では、問題文の「ピストンをさらに上昇させるために必要な熱量が0」という記述に「さらに」という言葉が入っているところに気づけるか、ということがポイントです。安易に熱量が0だからとして、などと解答するのでは、おかしい、と、感じる繊細な感覚が必要なのです。熱量が0だったら、そもそもピストンが上昇するだろうか?外部からのエネルギーの注入がゼロで上部の液体の位置エネルギーの増加分をどこから供給するのだろうか?というような疑問を感じることができれば、問題文の「さらに」という言葉の意味するところ、ある高さまでピストンが上昇していて、そこからさらに上昇するために供給されるべき熱がゼロになるところはどこか、つまり、熱量の変化率がゼロになるところはどこか、と、考察が進むと思います。
入試の戦略としては、Ⅱ
(4)を仮に落としたとしても、これが直接に合否に響くことはないと思いますが、ここを取れれば有利に働くのは確かです。物理の実力、とか、物理的な思考力、というよりも、自然現象の細かな変化にも気づけるような繊細な感覚をもっているか、ということが、本問では分かれ目になると思います。
なお、解答の
Qxの図では、の部分も描かれていますが、ピストンが上昇を続けているのに気体が熱を奪われる、という局面は物理的に存在し得ません。問題文にあるように、となった時点で突沸が起こり、ピストンが一気に上昇してしまうことになります。


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  1. 2011/05/24(火) 21:10:40|
  2. 東大物理'11年
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東大物理'11年前期[2]検討

東大物理'11年前期[2]検討

[2](解答はこちら) コッククロフト・ウォルトン回路は、1932年に行われた、水素原子核(陽子)とリチウム原子核の核融合実験において、陽子の加速に用いられた高電圧発生回路です。陽子を0.6MeVにまで加速してリチウム・ターゲットに衝突させ、1回の衝突で2個の高エネルギーα粒子(ヘリウム原子核)が発生することを確認しました。α粒子のエネルギーは17.9MeVでした。この反応は、
という核反応式で表されるのですが、核融合反応により大きなエネルギーが得られることが確認された史上初の核融合実験です。
(2)では、コッククロフト・ウォルトン回路の動作原理を扱う問題としたかったのだろうと思いますが、東大物理の試験時間75分では厳しい、ということで、問題文で考え方を指示してさわりだけを考える問題になっています。
「電荷移動が起こらなくなった」という問題文の指示を理解できれば容易に解答を求めることができるのですが、壮大な回路の動作を一歩ずつ調べながら解こうとすると、ハマってしまうことになります。まともではやりきれないことを感じたところで、問題文の指示の意味を考え、方針転換できるか、ということがこの問題の分かれ目です。
解答で「スイッチ
Sの切り換え、1回目、2回目、・・・、と各コンデンサーの電圧を調べて行きたくなるのですが、本問では、手に負えなくなります。」と書きましたが、調べて行くとどうなるか、こちらでやってみることにします。
逐次、各コンデンサーの
電圧を求めてみます。間のコンデンサーを間のコンデンサーを (),コンデンサー両端の電圧電荷 (上側の極板を正) ()とします。
スイッチ
S側に接続し、その後、電荷移動がなくなってから、スイッチS側に接続し、電荷移動がなくなるのを待って、1回の操作とします。
全てのコンデンサーの
電圧がゼロの初期状態から、1回目の操作を行います。スイッチS側に接続すると、となります。スイッチS側に接続すると、の上側の極板に合わせて電荷があり、

2回目の操作では、スイッチS側に接続すると、
ここで、となりますが、これが、次のS切り換え後のの上側の極板の電荷になります。
スイッチ
S側に接続すると、の上側の極板に合わせて電荷があり、

3回目の操作では、スイッチS側に接続すると、
スイッチS側に接続すると、の上側の極板に合わせて電荷があり、

このまま継続しても展望はありません。スイッチ
S側に接続したときに成立する式、
において、電荷移動が起こらなくなれば、となるはずなので、
となることに気づけるかどうかが本問のポイントです。


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  1. 2011/05/20(金) 23:37:21|
  2. 東大物理'11年
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東大物理'11年前期[1]検討

東大物理'11年前期[1]検討

[1](解答はこちら) 2011年の東大物理は、[2]の後半と[3]の最後の部分が考えさせる問題なので、[1]の力学は軽めになっています。と言っても、それは問題に取り組んでみて結果的にわかることで、ちょっと見にはモーメントを考えるような問題に見え、プロの予備校講師でもなければ後回しにしたくなる問題でしょう。実戦的には、[2]Ⅰと[3]Ⅰ,[3]Ⅱの前半を見て、[1]に戻り、なあんだ、大したことない、ということになると思います。大切なことは、この[1]をパスしない、ということです。特に、[2]Ⅱに深入りしすぎて[1]を解く時間がなくなってしまった、ということのないように注意が必要です。
本問Ⅰは、取り組んでみると、モーメントを持ち出すような局面はなく、平凡に、円運動の運動方程式、力学的エネルギー保存、運動量保存で解けてしまいます。Ⅱにしても、滑り出す限界で静止摩擦力が最大静止摩擦力になる、という頻出問題なので、それほど時間をかけずとも正解に到達できるでしょう。
東大物理は、試験時間が化学と合わせて
150分で、東工大物理や京大物理よりも短いので、どうしても大がかりな問題は出しづらく、数学で難解な問題が出題されることへの対策が必要になることを考えると、物理では、むしろ標準的な問題に力を入れて準備する方が賢明だと思います。
本問
[1]も、設定が少々風変わりで、棒が物体Bを押す方向を力の正の向きにするなど多少意地悪(力の向きで混乱しないように注意が必要です)だし、易問とは言えませんが、見かけ倒しで中身は不等速円運動の頻出パターンと変わりはありません。他の年度を見ても、時々無理問題もありますが、大半は、教科書が熟読されていて、標準的な問題集でしっかりと練習できていれば、充分に得点できる問題です。あらゆる問題のパターンを網羅的にこなそう、とするのではなく、限られた特徴的な問題を物理的な視点から基本的物理法則に立ち返って深く考察する、という効率的な学習法を心がけるようにしてください。


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  1. 2011/05/18(水) 10:43:19|
  2. 東大物理'11年
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東大物理'11年前期[3]

東大物理'11年前期[3]

3-1のように、摩擦なしに動くピストンを備えた容器が鉛直に立っており、その中に単原子分子の理想気体が閉じ込められている。容器は断面積Sの部分と断面積の部分からなっている。ピストンの質量は無視できるが、その上に一様な密度の液体がたまっており、つりあいが保たれている。気体はヒーターを用いて加熱することができ、気体と容器壁およびピストンとの間の熱の移動は無視できる。また、気体の重さ、ヒーターの体積、液体と容器壁との摩擦や液体の蒸発は無視でき、液体より上の部分は圧力0の真空とする。重力加速度の大きさをgとする。以下の設問に答えよ。

Ⅰ まず、気体、液体ともに断面積Sの部分にあるときを考える。このときの液体部分の高さはである。
(1) はじめ、気体部分の高さは,圧力はであった。液体の密度を求めよ。
(2) 気体を加熱して、気体部分の高さをからhまでゆっくりと増加させた(3-2)。この間に気体がした仕事を求めよ。
(3) この間に気体が吸収した熱量を求めよ。

Ⅱ 気体部分の高さがhのとき、液体の表面は断面積の部分との境界にあった(3-2)。このときの気体の温度はであった。さらに、ゆっくりと気体を加熱して、気体部分の高さはとなった場合について考える(3-3)
(1) では、液体部分の高さが小さくなることにより、気体の圧力が減少した。気体の圧力Pを、xを含んだ式で表せ。
(2) では、加熱しているにもかかわらず、気体の温度はより下がった。気体の温度Tを、xを含んだ式で表せ。
(3) 気体部分の高さがhからに変化する間に、気体がした仕事Wを求めよ。
(4) 気体部分の高さがある高さに達すると、ピストンをさらに上昇させるために必要な熱量が0になり、xXを越えるとピストンは一気に浮上してしまった。Xを求めよ。

解答 Ⅱ(4)以外は標準的な問題です。Ⅱ(4)だけ考え込みますが、火山の水蒸気爆発の状況を入試問題化したような問題です。火山の噴火口は、マグマの上昇する通り道に続いてマグマが噴火口にあふれ出すと広がるような構造をしています。雨水がしみこんでマグマ溜まりに触れて水蒸気となり、マグマの熱に熱せられて膨張し、マグマを押し上げると本問のようなことが起こります。

(1) 液体の密度ρとします。ピストンに働くは、ピストン上部の液体から受ける鉛直下向きの垂直抗力(液体に働く重力に等しい)と、気体の圧力による鉛直上向きのです。この2力のつり合いより、
......[]
(2) 気体を加熱している間、ピストンに働くのつりあいに関する状況は変化せず、気体の変化は定圧変化です。この間、気体がした仕事は、
......[]
(3) 気体のモル数をn気体定数Rとして、はじめの気体の状態方程式
 ・・・①
気体の高さhになったとき、気体の温度として、気体の状態方程式
 ・・・②
②÷①より、
この間の
内部エネルギーの変化は、
 ( )
熱力学第1法則より、気体が吸収したは、
......[]
別解.単原子分子理想気体なので定圧モル比熱です。定圧モル比熱の式を用いて、
としてもOKです。
Ⅱ 気体部分の高さhのときの気体の圧力温度は、Ⅰ(3)より、です。
(1) 断面積の部分での液体の深さとします。この部分にあふれた液体の体積です。
 ∴
ピストンに液体が及ぼす垂直抗力は、ピストン上に位置する液体(深さは、断面積Sの部分が断面積の部分が)に働く重力に等しく、
これと、気体がピストンに及ぼす圧力によるとの力のつり合いより、
(1)を用いて、気体の圧力Pは、
......[]
(2) 気体の高さとなったときの気体の状態方程式
 ・・・③
③÷②より、
(1)の結果を用いて、
気体の温度Tは、
......[] ・・・④
(3) 気体の圧力からPまで変化します。
気体の体積Vについて、を用いて、Ⅱ(1)の結果からxを消去すると、
従って、この間の変化のPV図は、右図のように直線的になり、気体の高さhからに変化する間に気体がした仕事Wは、PV図とV軸に挟まれた部分にできる台形(黄色着色部)の面積になります。気体の体積からまで変化するので、より、(1)の結果を用いて、気体がした仕事Wは、
......[]
(4) この間の温度変化は、Ⅱ(2)の結果を用いて、
内部エネルギーの変化は、
熱力学第1法則より、この間に気体が吸収したQは、
 ・・・⑤
さて、問題文の「ピストンをさらに上昇させるために必要な熱量0になり、xXを越えるとピストンは一気に浮上してしまった」の意味を考えます。
まず、注意しなければいけないことは、「ピストンを上昇させるために必要な
熱量0になる」と言っているのではないことです。気体にを加えなければ、気体は膨張せず、ピストンが上昇することはありません。
問題文は「さらに上昇させる」ために必要な
熱量について言及しているので、ここでは、上昇距離の変化分熱量の変化分に着目してください。
なのにとなると言っているわけです。
⑤式は
Qxの関数のように表示されている式ですが、xQの関数であるように捉えるとわかり易いと思います。熱量Qを増加させることにより()気体が膨張してピストンが上昇するわけですが()、「xXを越えるとピストンは一気に浮上してしまった」と言っているのは、ある高さまで上昇すると、急激にxが増加するようになる、と、問題文は言っているわけです。xの変化率が急激に大きくなる、ということは、となる、ということです。これが、なのにになる、ということの意味です。このとき、です。
⑤を、
Qxの関数だとしてグラフに描くと、
より、右図のようになります。
において
Q最大で、となるので、
......[]


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  1. 2011/03/11(金) 13:07:44|
  2. 東大物理'11年
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東大物理'11年前期[2]

東大物理'11年前期[2]

電気製品によく使われているダイオードを用いた回路を考えよう。簡単化のため、ダイオードは図2-1のようなスイッチと抵抗とが直列につながれた回路と等価であると考え、Pの電位がQよりも高いか等しいときにはが閉じ、低いときにはが開くものとする。なお以下では、電池の内部抵抗、回路の配線に用いる導線の抵抗、回路の自己インダクタンスは考えなくてよい。

Ⅰ 図2-2のように、容量Cのコンデンサー2個、ダイオード,スイッチS,および起電力の電池2個を接続した。最初、スイッチS側にも側にも接続されておらず、コンデンサーには電荷は蓄えられていないものとする。点Gを電位の基準点(電位0)としたときの点それぞれの電位をとして、以下の設問に答えよ。
(1) まず、スイッチS側に接続した。この直後のを求めよ。
(2) (1)の後、回路中の電荷移動がなくなるまで待った。このときの,およびコンデンサー1に蓄えられた静電エネルギーUを求めよ。また、電池がした仕事Wを求めよ。
(3) (2)の後、スイッチS側に切り換えた。この直後のを求めよ。
(4) (3)の後、回路中の電荷移動がなくなったときのを求めよ。

Ⅱ 図2-2の回路に多数のコンデンサーとダイオードを付け加えた図2-3の回路は、コッククロフト・ウォルトン回路と呼ばれ、高電圧を得る目的で使われる。いま、コンデンサーの容量は全てCとし、最初、スイッチS側にも側にも接続されておらず、コンデンサーには電荷は蓄えられていないとする。
スイッチS側、側と何度も繰り返し切り換えた結果、切り換えても回路中での電荷移動が起こらなくなった。この状況において、スイッチS側に接続したとき、点と点の電位は等しくなっていた()。また、スイッチS側に接続したとき、点と点の電位は等しくなっていた()。スイッチS側に接続したときの点の電位Nで表せ。なお、点Gを電位の基準点(電位0)とせよ。

解答 Ⅰは教科書の例題レベルの問題です。試験会場で、壮大なⅡがコンデンサーの問題ではなくロジックの問題だと見破り易問だと感じた受験生は合格を確信できたでしょう。
以下では、ダイオードの等価回路で、
P電位Qよりも高いか等しいとき(が閉じる)を「順方向」、低いとき(が開く)を「逆方向」と言うことにします。

(1) スイッチS側に接続した直後、充電されていないコンデンサーは導通したのと同じになるので、回路は等価的に右上図のようになっています。右上図より、電位G電位に等しく、電位電位に等しくなります。は順方向、は逆方向です。
......[]
(2) 回路中の電荷移動がなくなるまで待ったときの回路は等価的に右下図のようになっています。右下図より、電位はともに電位に等しくなります。
......[]
コンデンサー1に蓄えられる静電エネルギーUは、
......[] (コンデンサーの過渡現象を参照)
コンデンサー1に蓄えられる電荷で、電池は電圧電荷を供給しているので、電池がした仕事Wは、
......[] (電位・電圧を参照)
(3) スイッチS側に切り換えた直後、充電されていないコンデンサー2は導通したのと同じになるので、回路は等価的に右上図のようになっています。右上図より、電位G電位より高く、電位電位に等しくなります。は逆方向、は順方向です。
......[]
(4) 回路中の電荷移動がなくなったときの回路は等価的に右下図のようになっています。コンデンサー1の上側の極板には最初、電荷が蓄えられていたので、右下図のように、コンデンサー1,コンデンサー2に蓄えられる電荷とすると、電荷保存より(合成容量の公式を参照)
両式より、
 ∴
電位なので、
......[]

Ⅱ スイッチSの切り換え、1回目、2回目、・・・、と各コンデンサーの電圧を調べて行きたくなるのですが、本問では、手に負えなくなります。
スイッチSの切り換えn回目の電位を求めるのではなく、「切り換えても回路中での電荷移動が起こらなくなった」状況で、電位を求めるので、この最終的な状況だけを考えることにします。
以後、点,・・・,における
電位,・・・,とします。
「スイッチ
S側に接続したとき、点と点電位は等しくなっていた()。また、スイッチS側に接続したとき、点と点電位は等しくなっていた()」という問題文のヒントについて考えてみます。
スイッチ
S側に接続したとき、点と点電位は等しくなっていた、ということは、電荷の移動がないのであれば、接続直後に、であったということです。なぜなら、であれば、間のダイオードが順方向にならず、にはなり得ないからです。つまり、スイッチS側に接続したとき、間のダイオードは順方向になっていて、ダイオード等価回路のスイッチが閉じており、電荷の移動が無く電流がゼロなので抵抗両端の電圧もゼロ、ダイオード両端の電位は等しい、ということになります。
また、にはならないので、間のダイオードは逆方向でダイオード等価回路内のスイッチは開いた状態にあります。この状況を右図に示します。
電荷の移動がない状況では、間のコンデンサーと間のコンデンサーとは()、両端の電位が等しいので、両端の電圧も等しくなります。
同様に、スイッチ
S側に接続したとき、点と点電位は等しくなっていた、ということは、間のダイオードは順方向でダイオード等価回路内のスイッチは閉じた状態にあり、電荷の移動が無く電流ゼロなのでダイオード両端の電位が等しくなるということです。
間のダイオードは逆方向になっていてダイオード等価回路のスイッチが開いた状態にあります。この状況を右図に示します。
電荷の移動がない状況では、間のコンデンサーと間のコンデンサーは()、両端の電位が等しいので、両端の電圧も等しくなります。
以上より、
電荷の移動がない状況では、G間のコンデンサーを除いて、全てのコンデンサー両端の電圧が等しくなります。最初からこの事実を直感できれば、本問は易問と言えるでしょう。答案には、
「スイッチSを切り換えても回路中での電荷移動が起こらない状況では、スイッチS側に接続したとき、間のダイオードが順方向で、間のダイオードが逆方向、スイッチS側に接続したとき、間のダイオードが順方向で、間のダイオードが逆方向となり、電荷移動が起こらなくなったとき、電流が流れず抵抗電圧はゼロで、間のコンデンサー以外の全てのコンデンサーの電圧は等しくなる。」
と書いておけば良いでしょう。
電荷の移動がない状況で、スイッチS側に接続したとき、間のダイオードは順方向で、G間のコンデンサーの電圧となり、電位は、です。
この後、スイッチ
S側に接続したとき、電荷の移動がないので、のままです。間のダイオードは順方向で、となります。電位なので、間のコンデンサーの電圧です。従って、G間のコンデンサーを除いて、全てのコンデンサー両端の電圧です。
Gからまで、電圧のコンデンサー1個と、電圧のコンデンサーが個直列に並ぶので、
......[]
からまで、電圧のコンデンサーがN個直列に並び、電位なので、
......[]


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