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CFV21での学習の進め方

東工大物理'06年前期[3](再掲)

東工大物理'06年前期[3]

水平面上を運動する、水平な床をもつ台車がある。台車は外力によって自由に加速度を変えることができるものとする。図のように、台車の床の上には前後方向に勾配をもつ傾斜角q の斜面が固定されている。この斜面の上には、質量mの小物体が置かれている。ここで、斜面と小物体との間の静止摩擦係数をm,動摩擦係数をとする。この斜面の右側には曲面がなめらかにつながっている。重力加速度をgとして、以下の問に答えよ。ただし、小物体の運動は台車の上から観測するものとする。

[A] 台車は一定の加速度a()で、図の左向き(正の向きとする)に運動をはじめた。
(a) 図のように、小物体を斜面上のP点に置き静かに手をはなしたところ、小物体は斜面を一定の加速度でのぼり始めた。このとき台車の上の観測者から見た、小物体に働くすべての力の向きを図示し、その名称を記入せよ。
(b) P点から斜面に沿って距離sだけのぼった地点をQ点とする。小物体がQ点を通過したとすると、Q点通過時の小物体の速さはいくらか。
(c) もし傾斜角q が、ある角以上()であるならば、この物体はいかなるaでも斜面をのぼることはできない。このはいくらか。で答えよ。
[B] 斜面はQ点の高さのところで、前後方向の断面が円弧となる曲面になめらかにつながる。この円弧の半径はrで、中心Oは台車の床と同じ面内にある。また、小物体と曲面の間には摩擦力は働かないとする。小物体がQ点を通過した直後に台車は加速をやめ、台車の運動は等速直線運動に変わった。
(d) Q点を速さで通過した直後の小物体が、曲面から受ける垂直抗力の大きさはいくらか。を用いて表せ。
(e) 小物体は曲面から離れることなく、最高点のR点を速さで通過した。のとり得る最大の値はいくらか。
[C] 小物体がR点で速さで通過した直後に、台車は加速度の等加速度運動に移行した。その後、小物体は曲面から離れることなく、曲面上のT点を通過した。
(f) T点における小物体の速さがちょうどに等しかったとすると、は何度か。


解答 頻出タイプの力学の問題ですが、東工大の名にふさわしい難問です。

[A](a) 小物体が斜面をのぼり始めているとき、小物体に働くは、斜面からの垂直抗力重力摩擦力慣性力で、の向きは右図。

(b) 小物体に働くの斜面に垂直な方向のつり合い
 ・・・①
小物体の加速度aとして、斜面に沿う方向での小物体の運動方程式
①を代入して、

よって、小物体の運動は等加速度運動で、等加速度運動の公式より、
.......[]

(c) 小物体に働く静止摩擦力fとします。
小物体に働くの斜面に沿う方向の力のつり合い

小物体がのぼりださない条件は、静止摩擦力最大静止摩擦力以下であることであって、
この場合にも①は成立するので、fNに代入すると、
両辺を()で割ると、

 ・・・②
のとき、②式右辺は、より、
ということは、になってしまうと、不等式②は、左辺は以上で、右辺はより小さく、必ず成立してしまいます。
この問題で求めるのは、aがいかなる値であっても、小物体が動き出さないときの、最小の傾斜角の正接の値なので、
......[]
注.aの関数と見ると、において単調減少で、のとき、です。

[B](d) Q点を通過した直後から小物体は円運動するようになります。
小物体が曲面から受ける垂直抗力Nとして、円運動の運動方程式(円の法線方向について)
 (不等速円運動を参照)
......[]

(e) 右図のように小物体がORと角jをなす位置まで来たとき、小物体の速さvだとすると、
円運動の運動方程式(円の法線方向について)
 ・・・③
この点を重力による位置エネルギーの基準にとると、R点との高さの差はです。
この点での力学的エネルギー運動エネルギーのみで、R点での力学的エネルギー運動エネルギー重力による位置エネルギーの和です。
この点とR点とにおける力学的エネルギー保存
 ・・・④
④より、
これを③に代入すると、

Q点からR点まで()小物体が曲面から離れない条件は、

 ・・・⑤
jが大きくなると、この不等式の右辺は小さくなるので、となる全てのjで⑤が成立するためには、⑤がにおいて成立すればよく、
のとり得る最大の値は、 ......[]

[C](f) 右図のように、とします。
T点を重力による位置エネルギーの基準にとると、R点との高さの差はです。
R点での力学的エネルギー運動エネルギー重力による位置エネルギーの和です。
T点での力学的エネルギー運動エネルギーのみです。
小物体がR点からT点まで来る間に、大きさ慣性力が水平方向左向きに働きます。
小物体は、台車上で見て、水平方向に移動するので、慣性力のする仕事は、です。
T点での力学的エネルギーからR点での力学的エネルギーを引いたものが、慣性力のする仕事になります(エネルギーの原理を参照)。よって、
 (三角関数の合成を参照)
においては、
......[]


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  1. 2008/05/25(日) 18:19:59|
  2. 東工大物理'06年
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東工大物理'06年前期[2](再掲)

東工大物理'06年前期[2]

十分な長さを持つ水平な円筒状シリンダー内に、なめらかに動く断面積A[]のピストンがあり、内部に単原子分子の理想気体が閉じこめられている。シリンダーは温度が調節できるよう熱源に接触している。また、ピストンには、シリンダーの中心軸上を通る重さの無視できる糸で、滑車を用いておもりをつり下げることができる。周囲の圧力を[Pa],重力加速度をg[]とする。
[A] 図1のように、熱源の温度がT[K],おもりをつるしていない状態では、気体の温度はT[K},体積は[],圧力は周囲の圧力と等しく[Pa]であり、これを状態0とする。内部の気体の温度が変化しないようにゆっくりとおもりm[kg]をつるすと、ピストンはある位置で静止し状態1となった。次におもりをつるしたまま、熱源の温度を十分時間をかけて[K]へ上昇させて状態2とした。
(a) 状態1における気体の圧力[Pa]と状態2における気体の体積[]を求めよ。また、状態1,状態2を解答欄の圧力P-体積Vグラフにそれぞれ点として示し、状態0と状態1の圧力差を記入せよ。ただし、解答欄の点は状態0を、破線はTおよびの等温線を示している。
(b) 状態1から状態2への過程で気体が外部にした仕事[J],および熱源からシリンダー内の気体へ入った熱量[J]を求めよ。
[B] 熱源の温度をTにし、おもりをはずして気体を状態0に戻した。
(c) ここから、気体の温度が変化しないように、ゆっくりとつるすおもりの質量を0.5kgずつ増やし、ピストンの運動を観察した。すると、おもりの質量が25.5kgになった時に、おもりは止まることなく落下した。A = 0.00245[]g = 9.80[]とし、がとり得る値の範囲を求めよ。
[C] 図2ように、シリンダーとピストンを体積の無視できるばね定数k[]のばねで連結し、熱源の温度をTにした。おもりをつるしていない状態では、気体の温度、圧力、体積は状態0と同じであり、これを状態3とする。ここから、内部の気体の温度が変化しないようにゆっくりとおもりmをつるして状態4とし、次に、熱源の温度を十分時間をかけてへ上昇させて状態5とした。
(d) 状態3から状態4への体積変化を[]として、状態4における気体の圧力[Pa]を求めよ。
(e) 解答欄のP-Vグラフにを再び示し、状態4,状態5をそれぞれ点として示せ。また、を通る直線の傾き、およびを通る直線とを通る直線の交点の体積を求めよ。ただし、解答欄の点は状態3を、破線はTおよびの等温線を示している。

解答 [B](c)で、力のつりあいが崩れたときに、シリンダー内の気体の圧力をピストンにかかるに加えなくて良いのか、断熱変化で考えるべきなのではないか、どうも、しっくり来ないのですが、問題文の書き方からして、と考えるしかなさそうです。

シリンダー内の気体の量を
n[mol],気体定数をR[]とします。
[A](a) 状態1においてピストンには、シリンダー内の気体の圧力による右向きの,大気圧による左向きの,右向きに糸を通しておもりに働く重力がかかっています。これらの力のつり合いより、
[Pa] ......[]
状態0における状態方程式は、 ・・・①
状態1における状態方程式は、 ・・・②
状態1から状態2までの過程は、ピストンに働く力のつりあいが成立したままの変化なので、定圧変化です。よって、状態2における圧力です。
状態2における状態方程式は、 ・・・③
①,②より(またはボイルの法則より)
③÷②より(またはシャルルの法則より)
[] ......[]
および、状態0と状態1圧力差は、右図の通り。

(b) 状態1から状態2への過程で気体が外部にした仕事は、を結ぶP-VグラフとV軸で挟まれた部分の面積になります。①,②,③より、

[J] ......[]
状態1から状態2への過程は定圧変化なので、定圧モル比熱の式より、
[J] ......[]

[B](c) シリンダー内の気体の圧力Pとします。ピストンに働く力のつり合いより、
 ・・・④
[kg]
のときには、力のつり合い④が成立していましたが、[kg]のときには、力のつり合いが成立しないということは、のときには、シリンダー内の気体がピストンに圧力を及ぼして、だったのに、のときには、ピストンが右に動き出したために、シリンダー内の気体がピストンにを及ぼすことができなくなり、ピストンに働く合力が右向き、つまり、となった、ということです。
のとき、より、
[Pa]
のとき、より、
[Pa]
以上より、 ......[]

[C](d) 状態4において、ピストンに働くは、シリンダー内の気体の圧力による右向きの,大気圧による左向きの,ばねの伸びで、ばねが左向きに引く,右向きに糸を通しておもりに働く重力がかかっています。これらの力のつり合いより、
[Pa] ......[]

(e) は右図。
状態4より状態5に至る過程において、体積V圧力Pとすると、ばねの伸びとなり、ピストンに働く力のつり合いの式は、
 ・・・⑤
これより、状態4から状態5に至る過程のP-Vグラフは直線で、Vの係数を見ると、
を通る直線の傾きは、[] ......[]
を通る直線上では、圧力で一定なので、⑤において、として、より、
交点の体積は、[] ......[]


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  1. 2008/05/24(土) 11:09:22|
  2. 東工大物理'06年
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東工大物理'06年前期[1](再掲)

東工大物理'06年前期[1]

コンパクトディスク(CD)の記録面が虹色に見える現象を題材にして、光の性質を観察する実験を考えよう。
CDの記録面は図1のような構造で、図2の断面図に示すように、透明基板の下層に反射膜が塗布された面があり、その面上にピットと呼ばれる情報が記録されている部分が半径方向に間隔dで周期的に並んでいる。ピットのない部分では光がそのまま反射されるが、ピットの部分で光が乱反射されると仮定する。このとき、CDの記録面は格子定数dの回折格子とみなすことができる。ピットは曲線上に並んでいるが、狭い範囲について考えたときは直線に並んでいると考えて差し支えないものとする。
[A] 図3のように白い紙で作ったついたてに小さな穴Wを開け、その裏側からレーザー光をCDの記録面に対して垂直に照射して、その反射光をついたて上で観察する。レーザー光の空気中での波長をl,空気の屈折率を1とする。
(a) 以下の空欄①~④に入る適切な数式を答えよ。
2に示すように、間隔dだけ離れて透明基板に入射する光Aと光Bを考える。屈折率n ()の透明基板中で、光Aは点Kで反射膜に対して垂直に入射し、回折した光が点Mから透明基板を出て行く。このとき、距離KPが光の波長の整数倍であれば、光Aと光Bは強め合うことになる。透明基板中での光の波長は で与えられるので、透明基板中で回折光が入射光となす角をとすると、強め合う条件は m (mは整数)となる。
Aと光Bがそれぞれ点Mと点Nで透明基板を出た後、基板表面の法線に対してq の方向に進む。q は、n及び の関係を持つ。この関係式を用いてを消去すると、CDから十分離れたスクリーン上で強め合う条件は、 となる。
(b) 透明基板中で回折光の角が大きいとき、透明基板から空気中へ出ていく光がなくなる場合がある。その理由を述べよ。またそのときの角が満たす関係式を示せ。
(c) 3の実験において、CDとついたての間の距離l300mmのとき、小さな穴Wの上下に[mm]だけ離れた位置に一つ目の回折光が観察された。レーザー光の波長が0.50mmであるとき、格子定数dは何mmであるか。有効数字2桁まで求めよ。なお、これ以降の議論では透明基板の厚さは無視してよい。また、必須であれば以下の値を用いてよい。
1.411.732.243.16
[B] 次に、図4のように白熱灯光源から出た光が小さな穴を通り、凸レンズにより平行な光となってCDの記録面全体へ垂直に当たるようにした。図中で点PCDの中心であり、点PからCDの法線上にzだけ離れた位置QからCD表面を見たとき、赤、黄、緑、紫などの色のついた回折パターンが観察された。ただし観察するときCDに照射される光をさえぎることはないものとする。
(d) 答案用紙(e)欄の図のように、CDの記録面上に点Pを原点としてx-y座標を定義する。このとき、点Qから見てこの面上で波長lの回折光が強め合う位置の座標xyPQ間の距離zの間の関係式を求めよ。ただしzxyよりも十分大きく、としてよい。
(e) [mm]としたとき、紫色(l0.40[mm])から赤色(l0.64[mm])に変化する虹色の回折パターンがどのように配置されるか、答案用紙の目盛りを参考にして、おおよその形を書き入れよ。


解答 コンパクトディスクを光にかざすと虹色の模様が見えます。そのカラクリを数値計算をして確かめてみようという問題です。なお、光の屈折光の干渉回折格子を参照してください。

[](a) 空気中で波長lの光は、屈折率nの透過基板中では波長は、 ......[]
透過基板中で光が強め合う条件は、距離KPが光の波長の整数倍となることで、
 ・・・⑤
......[]
透過基板の上面において、屈折の法則より、
......[]
③より、
これを⑤に代入すると、
 ・・・⑥ (回折格子を参照)
.......[
]

(b) (a)③より、ですが、なので、とはなり得ません。このときは、透明基板と空気との間の境界面で全反射することになります。ここでは、臨界角の場合(のとき)も空気中に光が出て行かない場合に含めておくことにします。
理由:透明基板と空気との間の境界面で全反射してしまうから。 ......[]
関係式: ......[]

(c) 一つ目の回折光なので、(a)⑥式において、として、
3より、
[mm] ......[]

[](d) 凸レンズを出た光がCDの記録面に当たる点をRとします。
三角形PQRは直角三角形で、CDの記録面に当たって反射した光が回折して強め合う条件⑥の回折角q に等しく、より、
これより、⑥は、
......[] ・・・⑦

(e) [mm](紫色)のとき、⑦において、
[m]
⑦でのときは、回折パターンは半径30mmの円周となりますが、のときは、半径61mmとなり、CD面から外れてしまいます。
[mm]のとき、⑦において、
[m]
⑦でのときは、回折パターンは半径49mmの円周となりますが、のときは、半径97mmとなり、CD面から外れます。
以上より、虹色の回折パターンは、⑦式でに対応するものだけがCD面に現れて、右図のようになります。



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  1. 2008/05/23(金) 22:50:42|
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