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大学入試問題を考える - 数学・物理 -

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理工系受験生必見!! 2010-2007入試問題検討ページ(東大・東工大・京大・早慶) 
CFV21での学習の進め方

東工大物理'08年前期[4]検討

東工大物理'08前期[4]検討

[4](解答はこちら) 問題文を読み始めて、ばねにつながれた物体の運動なので、単振動が出てくるのか、と思います。摩擦のある領域に出たり入ったりするたびに振動中心が変化するのですが、この問題では、単振動の考察をする部分はありません。はじめの物体Bの運動エネルギーがEと与えられているので、力学的エネルギーがどうなっていくのか、という意識を持って問題を眺めていくことになります。摩擦のない領域での運動では力学的エネルギーが保存され、摩擦のある領域では力学的エネルギーは摩擦力がする負の仕事の分だけ失われる、というところに目をつけて考えていけば、最後までたどりつくと思います。
最後にグラフを描くところで、場合分けをする必要があるので、「
OP間のある位置xで速度0になった」という問題文の表現から、最初の運動エネルギーEに関する条件(解答の①,②)を一々考えておく必要があります。

出てきた結果の通りに何も考えずにグラフを描いてしまえばそれで無事に済んでしまいますが、グラフの
に不連続なところができるので、不思議に思う受験生がいたかも知れません。解答の中に書いておきましたが、ABPを通過して右に進み、振動端まで行って戻ってくると、この間にPを通過したときの力学的エネルギーを保持し続け、勢いがついている(ばねが縮もうとしている)ので、すぐには止まれず、の位置まで来てしまう、ということです。つまり、ABが点Pで運動エネルギー0となって静止したとしても、ばねの弾性エネルギーは残っていて、Pを通過してしまえば、戻ってきたときに、の間では、弾性エネルギーの減少分から供給された運動エネルギーが摩擦力のする仕事を上回ります。
動摩擦係数と静止摩擦係数の違いによってできる不連続点ですが、簡単な設定でいて、おもしろい問題で、解いていて感動させられる入試問題の傑作だと、私は思います。


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  1. 2008/08/25(月) 12:29:28|
  2. 東工大物理'08年
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東工大物理'08年前期[3]検討

東工大物理'08前期[3]検討

[3](解答はこちら) 国語が苦手だから理系にした、とか、東工大志望だから学校の国語の授業は関係ないので無視する、と言っている受験生を見かけるのですが、そうした受験生には厳しい問題だったと思います。読解力が身についていない受験生は、[B]など、問題文が何を言っているのか全く理解できなかっただろうと思います。
東工大の物理の入試問題は、特殊な実験装置
(恐らく、出題者の教授がふだん使っている装置)を題材にした問題が多く、実験装置の動作を言葉で説明するとどうしてもわかりにくい文章になってしまいます。問題文が悪いから、自分はこの問題は解けない、と、言っているようでは、東工大の先生に、じゃあ、君を入れてあげるわけにはいかない、と、言われるだけのことです。何とか、わかりにくい問題文を読みこなしてこそ、理工系の最高峰を極めることができるのだ、と、自分に言い聞かせてください。

[B]は、領域Yで加速(または減速)されるので、領域Yを通過するごとに速さと回転半径が変化し、2回の加速(または減速)で打ち消し合うようにしなければならず、加速電圧が正負逆になるようにしなければいけない、粒子は不規則に次々と入射されるので、周回時間の間に交流の位相が逆位相にならなければいけない、ということに気づかないといけません。そのために、[A]で、速さと回転半径が変化し周回時間が変化しないことを確認しているのです。
のときとのときで逆位相になるようなグラフ、解答では簡単のために、となるようなグラフをいくつも描いて考えました。
ここが切り抜けられなければ、この問題は壊滅状態となり、
[1][2]が簡単で差がつかないので合格は難しくなります。つまり、国語の能力で東工大の合否が決まっている、ということです。東工大の志望者は、学校の国語の授業もぜひ大切にしてください。

[C]は、さらにわかりづらくなります。[B]としていたのを、だけずれたので、として、粒子が2周して戻ってきたときにどれだけスリット中心からずれるのか回転半径の差から求めてみよ、と、言っているのですが、ここまで取り組めた受験生がどれほどいたでしょうか?何のために[A]を考えたのか、ということをしっかりつかんで、解答のような図を描いて考えれば別に難しいわけではありません。試験場で冷静に題意把握ができるかどうか、ということが問われているのです。

この問題は、問題文の意味するところが読みこなせさえすれば、物理の問題として難問というわけではないのですが、状況の複雑さを読み取る読解力のところが難問という問題です。


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  1. 2008/08/25(月) 12:27:42|
  2. 東工大物理'08年
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東工大物理'08年前期[2]検討

東工大物理'08前期[2]検討

[2](解答はこちら) 標準レベルの大学では、これくらいの問題で大問1題になると思いますが、東工大の入試問題としては、[1]と同様にやや物足りない印象を受けます。
内容的には、断熱変化の問題として頻出タイプの問題です。
'08年前期[3]'08年前期[4]が重たい問題なので、東工大受験生は、[1][2]合わせて10分~15分くらいで片付けたいところです。
とは言え、気体の問題、特に、こうした断熱変化の問題を苦手にしている受験生が多いのも確かです。この問題を難しく感じる受験生は、熱力学第一法則:
の理解が不足している、と、私は思います。
Qは気体が吸収した熱、W気体がした仕事、は内部エネルギーの増分で、気体は吸収した熱を使って外部に仕事をし、残った分は内部エネルギーとして貯め込む、と、言っている法則です。吸収したのか排出したのか、気体がしたのかされたのか、増分か減少分かをよく注意してください。本来わかり易い法則のはずなのですが、受験生の重要性に対する認識が不足しているのか、理解できていない受験生をよく見かけます。熱力学第一法則は理工系受験生必須の知識です。表現が違っているかも知れませんが、実質的に同等の内容が教科書に詳細に書かれているので、しっかりとマスターしておいてください。
状態方程式と熱力学第一法則を組み合わせて、ポアッソンの関係式:
=一定 (gは比熱比),または、この問題の=一定 を導く、というストーリーは頻出です。手を動かしてよく納得しておいてください(この問題の誘導は、簡単にできるようによく工夫されています)
[B]もよくあるパターンで、断熱変化ではなので、気体のした仕事Wは、 (これは単原子分子理想気体の場合。2原子分子以上も想定した、定積モル比熱の理想気体ではです)として、求められます。状態変化後の温度を=一定 から求めて、に放り込めばよいので、理工系受験生は必ずできるようにしておいてください。


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  1. 2008/08/25(月) 12:24:16|
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東工大物理'08年前期[1]検討

東工大物理'08前期[1]検討

[1](解答はこちら) この問題は出題意図が読めません。レンズについても出題しておかないと、レンズを勉強してこない学生がいて困る、ということなのでしょうか?
レンズの公式:
,倍率 を知っていれば答えることができます。光線の作図は、解答では見やすくするために矢印を入れましたが、矢印を入れろという指示がない限り、入試の答案としては矢印をつけないでください。レンズの光線の作図は、物体から出て平行に進み、レンズ通過後に焦点を通る光線と、物体から出てレンズの中心を通過し直進する光線の2つを作図しておけば充分です。
実像は、実際に光が集まってできる像で、そこにスクリーンを置くと物体が映って見えます。虚像は実像ではない像で、レンズや鏡の反対側から見たときに、あたかもそこに物体があるかのように見える像です。教科書でよく確認しておいてください。

[A](d)は試験会場で削除の指示があったそうです。センター試験で同一内容の問題があったから、ということなのですが、センター試験と同一内容の問題は2次試験では出さない、と宣言してしまうと、2次試験内容について予見を与えることになります。また、センター試験で物理を選ばなかった受験生(あまりいないと思いますが。なお物理の必須の科類もあります)に不利に働くことになります。
大分県教委のようなことがあるかと思えば、大学入試では必要以上に公正さに神経過敏になっていたり、私には不思議です。


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  1. 2008/08/25(月) 12:22:18|
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東工大物理'08年前期[4]

東工大物理'08年前期[4]

図のように、水平面上に質量mの物体Aを置き、ばね定数kのばねをつなぐ。ばねが自然長となる物体Aの位置を原点Oとし、水平方向にx軸をとり、右向きを正の向きとする。原点Oから点P (位置)までの区間は摩擦のある領域であり、それ以外の領域は摩擦がないものとする。点Pの右側に質量mの物体Bを置く。物体Aおよび物体BOP間における静止摩擦係数をm,動摩擦係数をとする。重力加速度をgとして以下の問いに答えよ。ただし、物体ABの大きさは無視できるものとする。
[A] はじめに物体Aを原点Oに静止させておく。物体Bに原点Oに向かう速度を与え、摩擦のある領域を通過させたところ、物体BAに衝突し、その後1つの物体ABとなって運動した。はじめに物体Bに与えた運動エネルギーをEとする。
(a) 衝突直前の物体Bの運動エネルギーEmglを用いて表せ。
(b) 衝突直後の物体ABの運動エネルギーを、Emglを用いて表せ。ただし物体BAの衝突は瞬間的に起こり、その際、摩擦力の影響は無視できるものとする。

設問[A]において、物体Bにはじめに与える運動エネルギーEを変化させて、物体ABの運動を調べる。ただし以下の問では、mlkmgおよびを満たすものとする。

[B] ある運動エネルギーEをはじめに物体Bに与えたところ、物体ABは、衝突して一体となった後、再び原点Oに戻り、OP間のある位置xで速度が0になった。
(c) 速度が0になる位置xを、Eklを用いて表せ。
(d) 速度が0になった後、一体となった物体ABはどのような運動をするか、理由をつけて答えよ。

[C] 設問[B]で与えた運動エネルギーより大きい運動エネルギーEをはじめに物体Bに与えたところ、一体となった物体ABPの右側に飛び出し、Pから再び摩擦のある領域に入った後、OP間のある位置xで速度0になった。
(e) 位置xを、Eklで表せ。

[D] 問い(e)の答x0とするような、物体Bに与える運動エネルギーEとする。
(f) 物体A(一体となった後は物体AB)が最終的に静止する位置xを、Eの関数とみなし、における関数のグラフの概略を描け。

解答 東工大の面目躍如の問題です。簡単な設定なのに、どうやって、こういう面白い問題を思いつくのか、東工大の先生には敬服してしまいます。

[A](a) OP間で物体Bに働く摩擦力が物体Bにする仕事は、
......[] (エネルギーの原理を参照)
(b) 衝突直前のB速度v,衝突直後のAB速度として、運動量保存より、
衝突直前のBエネルギーについて、
衝突直後のABエネルギーについて、
......[]

[B] 一体となったABがばねを押し縮めて左端まで行ったのち、ばねの弾性力によって、右に動く向きを変え、原点Oに戻るまでの間、AB力学的エネルギーを奪うような仕事は存在せず、原点Oに戻ってきたときの力学的エネルギーは、より、
 ・・・①
のままです(こうなるためには、より、でなければなりません)
これ以後は、摩擦力が負の仕事を物体ABにします。
(c) AB速度0になったということは、AB運動エネルギー0になったということです。このときに、ばねはx伸びているので、ABには、弾性力による位置エネルギーがあり、AB力学的エネルギーです。AB力学的エネルギーはもともと持っていた摩擦力のした仕事の和なので、,つまり、
①を用いて、
ここで、より、複号はプラスの方をとります。
......[]
ここでは、,つまり、より、
 ・・・②
となります。

(d) ばねの弾性力最大静止摩擦力を上回れば滑り出しますが、なので、より、ABは静止したままになります(摩擦力を参照)
ABは静止を続ける。理由:弾性力が最大静止摩擦力よりも小さいから。 ......[]

[C] ABPの右側に飛び出した、ということは、②より、だったということです。
ABOからPに移動する間に、摩擦力ABにする仕事は、です。
ABPの右側に飛び出した瞬間、ABは、という力学的エネルギーを持っています。右端まで行った後にPまで戻ってきたときにも、この力学的エネルギーを持っています。
(e) OP間の位置x速度0となり、運動エネルギー0になったときに、AB力学的エネルギーは、ばねの弾性力位置エネルギーのみとなります。Pから位置xまでに摩擦力が、だけの仕事ABにしているので、AB力学的エネルギーは、
となります。整理して、
①を用いて、
より、根号部分はよりも大きく、より、複号はマイナスの方をとります。
......[] ・・・③
より、となってしまうのですが、これは、Pの右側に飛び出して、ばねが思い切り伸びてしまうと、ばねの弾性力によって引き戻され、Pに戻ってきたときに勢いがつき過ぎていて(運動エネルギーが大き過ぎて)の範囲では止まりきれない、ということを意味しています。

[D] ③でとすると、となります。
(f) (i) の場合、物体BOPの途中で止まってしまうので、Aに静止したままになります。
(ii) の場合、(c)の結果より、ABは、で静止します。
(iii) の場合、(e)の結果より、ABは、で静止します。
よって、グラフは右図太線のようになります。


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  1. 2008/03/08(土) 21:55:27|
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